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本と雑貨と手作りのブログ。

100人が選んだ絵本。

2006-08-19 | その他の本
マーブルブックス / マーブルトロン(2004/08)
Amazonランキング:261,127位Amazonおすすめ度:


この本は、2001年に出版した「私が1ばん好きな絵本―心の本棚に置く絵本選集」の初版から記事を抜粋掲載し、新たに100人の絵本好きを対象にした絵本ランキングをもとに構成しています。初版は読んでいたのですが、ランキングが気になって手に取りました。初版の内容を忘れていたためか、どの記事も新鮮でした~☆

ランキングは、<物語と展開が好きな本><絵やビジュアルが好きな本><言葉が好きな本><キャラクターが好きな本>の4項目。そこで上位に選ばれた絵本を、それぞれのジャンルで活躍する個性あふれる読み手が語っています。100人が好きな絵本なので、選ばれた本は名作が多く、あまり目新しいものはなかったのですが、その絵本についてのダイアローグは面白かったです。

私が一番興味深かったのは、<キャラクター>のダイアローグ。キャラクターそのものの調査・研究を行っている、バンダイキャラクター研究所所長という方が語っているのですが、上位に選ばれた絵本のキャラクターの特徴を詳しく分析しておられました。例えば、「ぐりとぐら」は造形的に特殊なわけでも、デザイン的に優れているわけでもないけれど、子どもらしさが自然に具現化されていると言います。そして、このキャラ立ちしていないところがバランスのいい世界を作り出しているのであって、キャラクターだけ切り取ってグッズにしても魅力が減ると指摘しています。

それと好対照なのが「ミッフィー」で、シンプルで性格づけがくっきりしていないところは「ぐりとぐら」と共通しているのですが、デザインとしては完成しきっている。世界観や背景を持たなくても成立するほど完成していて、キャラクター単体で切り取っても成り立つのです。だから、グッズとしてもよく売れるのですね~。絵本のキャラクターといっても、いろんなタイプがあることを改めて認識しました。

また、ダイアローグだけでなく、項目に合ったコラムもあり、いろんな芸術家(文筆家やイラストレーターなど)が絵本について語っています。「くいしんぼうの絵本」や「日記絵本の愉しみ」など、テーマがユニークでこちらも面白かったです!最後に、<私が一番好きな本―総合ランキング10位の絵本>や<こっそり教えたいこの一冊―ランキング外の絵本30冊>などもあり、内容はぎっしり。総合ランキングの1位は「ぐりとぐら」だったのですが、この本は4項目のランキングにいつも入っていて、絵も文もすべて良いからこそ人気があるのだと思いました。

ちなみに、マーブルブックスが出している「私が1ばん好きな絵本〈2〉日本の絵本150選」「私が1ばん好きな絵本〈3〉海外の絵本150選」もオススメ。100%orangeさんの可愛いイラストが表紙で、中のレイアウトもオシャレな本です。