9EX

シイジビデフエ
アドフリミエロ

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2012-07-29 23:37:50 | 小説
 「あなたは優秀なスナイパーだ。その技術はたいしたものです。それを生かすも殺すも、あなた自身です。それに必要な要件は私心を無くすことです。」
「私心を無くす?」
「はい、スナイパーは遠隔から敵を撃ち、反撃できないようにする。ここに私心が入ると精度が大きく下がる。統計的な問題ですが。」
「その私心を無くすという行為は自発的に可能なことなのか?」
「個人の宗教、道徳、趣味趣向、性癖、私生活、あらゆることが判断を鈍らせる要素となります。」
「スナイパーの素質としては人間らしさというものが障害となるということか?」
「一瞬で判断を下す。それが可能ならばかまわないでしょう。自分の意志とは離れる必要があります。敵と判断したら、即時に撃つ。これが我々の要求するスナイパーの条件のひとつです。標的は我々が判断する。あなたは即座にそれに向けてトリガーを引く。これがプロのスナイパーの条件です。」
「そして、俺はそれについて不適格というわけだ。」
「あたなは陸軍特殊部隊から抹消されました。人々はあなたが、戦地で死んだと思っているでしょう。」
「どういうことだ?
「われわれは政府部内の秘密特務機関です。あなたについての処遇についての選択肢は2通りしか残っていません。」
「その選択肢とは?」
「陸軍特殊部隊から消えたという報告内容通りにあなたを抹消する。それがひとつの選択肢。」
「俺を消す?きさまらはどこの所属だ。弁護士を要求したい。」
「それは無理でしょう。ここはアメリカの法も完全には及ばない。」
「おまえは、政府関係者とい名乗ったが、自分の肩書も名前も俺に明かさないつもりなんだな。」
男はその問いについては答えなかった。
「もうひとつの選択肢。これはあなたが私心を無くすという前提になります。」
「どうやって。」
「ただ、あなたの技術をわれわれに提供する。それだけです。」
「俺の技術?・・・・つまり、おまえの指定した標的を狙撃するということか?」
「最初の間は私が間に入り、あなたに標的を指示することになるでしょう。」
「もう一度、聞くがおまえはアメリカの政府の人間なんだな?」
「一応、現体制側に奉仕する立場にはいます。」
「この選択に関して言えば、俺の命を代償とした脅迫としか思えないのだが。」
「そうともとれます。だが、あなたは拒否する権利が残されている。」
「それが死を持ってしても。・・・・選択の余地などないじゃないか。」
「いいえ。私たちは必要であれば、あなたの命も奪う。だが、それほど卑劣ではありません。」
「というと?」
「あなたは、社会不適応者として、病院で過ごしていただくこととなるでしょう。命は保障されます。」
それが、卑劣でないというこの男の神経を疑った。BBは大きな力に操られるいくばくかの恐怖を感じていた。
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