美空ひばりの初デジタル録音LP「EVEGREEN」についてこのブログで一度書いたことがあります。
(http://blog.goo.ne.jp/o-kumazaki/e/566eb0c79f7cd36de409a8a310ec8615)
コロンビア・レコードがデジタル録音技術(PCM)を開発し、1981年に歌謡曲分野で初めて美空ひばりのPCM録音のLPが発売が新聞報道され、当時LPを入手しました。実は数年前、この同じ録音源でCDも発売されていたことを知り、私はLPとCDの音の差を是非聴きたいと「EVEGREEN」CDを探してきました。しかし中古相場がけっこう高額で、手頃な出物が無かったのですが、今回千円台で入手しやっと比較試聴しました。
これまでLPが先行し、CDは後発と思っていましたがLP、CDとも1983年の製作となっていました。
LP再生プレイヤー
ひばりの全盛期で、持ち歌を新録音方式に意気込んで歌っていることが伝わる音源で、ステレオ・サウンド社でもこの中の一部音源をCD-Rや45回転LPにして発売したことがあります。
【比較試聴結果】
JBL4331+2405と名古屋に置いている4344でも試聴しました。
【JBL4344】
もともと音源は同じですから大きな差は無いのですが、細かく聴くとCDとLPの違いはありました。
①高域の抜け・伸び・分離・輪郭表現はLPよりCDが優れていました。楽器の金属的な音はしっかり聴けます。また、ひばりの口の大きさも適切で、裏声的な部分も良く再現する傾向があります。ただし楽器や声のきつい部分はLPは少し抑え気味で聴きやすさがあります。
②LPは、カートリッジの差がでます。DENON DL-103は、音を少し甘くします。しかし雰囲気はCDの音に近いと思います。
③もうひとつ、オルトフォンSPU-AEは、口は大きくなりますが、なめらかで人の声に近い表現に感じます。全体に柔らく広がりゆったり・しっとりした感じがあり聴きやすいです。私としてはSPU-AEによるLP再生が好みでした。この差は、カートリッジ・MCトランス・イコライザーそれぞれ個性が重なったもので、これがLPの音と単純に言いきれないと思います。
【オルトフォンSPU-AEカートリッジ】