音楽の大福帳

Yoko Nakamura, 作曲家・中村洋子から、音楽を愛する皆さまへ

■「《第14回》バッハ・ インヴェンション講座」のご案内 ■

2009-10-01 14:42:21 | ■私のアナリーゼ講座■
■「《第14回》バッハ・ インヴェンション講座」のご案内 ■
                 09.10.1 中村洋子


★29日のバッハ・ インヴェンション&シンフォニア 13番の講座は、

とても充実した内容を、皆さまに、お伝えすることができました。

後日また、その一部をお知らせいたします。


★《第14回》 インヴェンション第14 番、シンフォニア第14 番 変ロ長調
(バッハが構想した、インヴェンションの全体像と、フーガの華について)

講師:中村 洋子
日時:2009 年 10月 29日(木)午前10 時~12 時30 分
会場:カワイ表参道 2F コンサートサロン「パウゼ」
会費:3000 円 (要予約)
参加ご予約・お問い合わせは カワイミュージックスクール表参道
Tel.03-3409-1958 omotesando@kawai.co.jp


★「インヴェンション講座」も、あと2回となりました。

最終曲から一つ前の14番は、インヴェンション全体を、

総括する重要な曲と、いえます。


★≪1、2番≫と、≪3、4番≫、≪6、7番≫、≪8、9番≫、

≪10、11番≫、≪12、13番≫の組み合わせは、

長調とその同主短調です。

例えば、1番はハ長調で2番はハ短調です。

それに対し、≪5番変ホ長調、6番ホ長調≫は、

主音どうしが半音の関係にある長調です。


★14、15番は、≪14番が変ロ長調≫、≪15番がロ短調≫という、

主音どうしが半音の関係にある長調と短調です。

この調性の配置を分析しますと、

バッハが、インヴェンションとシンフォニア各15曲で描いた、

大きな設計図が、浮び上がってきます。

今回は、バッハがその設計図で狙った大きな構想について、

お話いたします。


★また、14番インヴェンションの演奏に当たっては、

冒頭にある3小節の長いテーマを、どのようにして、

緊張感を保ちながら演奏するか、

それが最も重要な「要」といえます。

この3小節のテーマを、基本となるモティーフから解き起こし、

どのような和声が内包されているか・・・などを徹底的に分析し、

演奏やご指導に役立つよう、お話します。


★≪シンフォニア14番≫は、フーガのエッセンスを学べる曲です。

前半は、フーガの提示部として、大変に美しいモデルです。

後半は、充実したストレッタが、展開されます。

「ストレッタ」は、“フーガの華”といえます。

この点についても、分かりやすくご説明いたします。

学べば学ぶほど、発見が尽きない≪バッハのインヴェンション≫を、

ご一緒に、探訪いたしましょう。


講師:作曲家 中村 洋子
東京芸術大学作曲科卒。作曲を故池内友次郎氏などに師事。日本作曲家協議会、日本音楽著作権協会(JASRAC)の各会員。ピアノ、チェロ、ギター、声楽、雅楽、室内楽などの作品を発表。2003 年~05 年、アリオン音楽財団《東京の夏音楽祭》で、新作を発表。自作品「無伴奏チェロ組曲」などをチェロの巨匠W.ベッチャー氏が演奏したCD『W.ベッチャー 日本を弾く』を07 年に発表する。このチェロ組曲やチェロアンサンブル作品がドイツ各地で演奏されている。08年9月、CD「龍笛&ピアノのためのデュオ」とソプラノとギターの「星の林に月の船」を発表。
 

★第15 回は、12月 4日(金)インヴェンション第15 番、
               シンフォニア第15番のロ短調です。

★カワイ名古屋 第1回インヴェンション講座:
        「インヴェンション&シンフォニア各1番」
  
                10月21日(水)午前10時~

(京都「亀末広」のお干菓子:洗練の極致。知り合いの結婚祝いに頂きました。)

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