三十汁+α

いよいよ三十路のアタクシを、節度を保ちつつ、垂れ流していこうかな。
とか言ってるうちに、もう@年。

神様のボート <江國香織>

2005-11-06 00:17:07 | 
 あまりにも春樹ワールドに引き摺られるので、小休止的に、熟慮の末江國さんを衝動買い。

 なんつーか、哀しい話だった。
 最後までは。
 アタシは年齢的に、多分葉子さん視点に近い方で読んでしまってるんだろうな。
 だからかな。
 後半、葉子さんがだんだん「あのひと」の言葉を信じられなくなるあたり、凄く切なかった。
 草子ちゃんも成長していって、今までのように自分の幸せを生きることが難しくなって、色んな現実が自分の意思と関係なく押し寄せてくる。
 葉子さんの真実は葉子さんにしか分からないけど、それは確かに真実なのだ。
 それは他の誰にも分からない。
 分からないくせに、その真実を生きる事を、周りは放っといてくれない。
 それが哀しかった。
 本当は、放っておいてくれない周りの方が、健全なのかもしれないのに。
 さすが江國さん。

 ラストは…どうなんだろ。
 それまでの葉子さんの旅がらすが、あまりに自然すぎて、アタシ的にはイマイチしっくり来ないっつーか。。。

 それにしても、この人が使うと「すばらしく」という言葉が、何とすばらしく響くことかしら。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿