魔的なワイン

　　　　

変わったラベルのこの赤ワイン。

イタリア、パパゲーナ社の２００１年の赤。

ブドウはバルベーラ種。

ワインの味…といっても、私は自分が旨ければ

よし！という感覚で選んでいるだけで、まったく

詳しくは知らない。薀蓄は皆無だ。

これは味も気に入ったけれど、ラベルが魅力的

で買ったもの。

このラベル…「魔笛」がイメージされたものだ。

実に楽しい。

あのメチャクチャな歌劇をこんなにシックにまとめ

て、しかもモーツァルトらしい「異次元の品格」

が表現されているではないか！

それはさておき、モーツァルトにこの歌劇の

仕事を依頼したシカネーダは謎多き男だ。

旅一座のオーナーで、彼もフリーメイソンで

あったらしい、とか、モーツァルトを監禁状態

にして制作にあたらせたとか。

また、この歌劇の中にはフリーメイソンの

教義に基づく歌詞や、儀式に使われる「和音」

が散りばめられているとか。

あ～「謎の和音」とは！

「秘密結社」とは！

秘密だけあって、興味をそそられるなあ。

知り合いになかなかの知恵者がいて、彼は

「聖」と「俗」、「清」と「濁」、「表」と「裏」

が大好きで、独特の目で世の中を眺めて

楽しんでいるが、こういった謎話をよく知って

いたっけな。

今はあまりにも薄っぺらな世の中になって

しまって、謎らしい謎がないのがさみしい。

とこのラベルを眺めて感じた。

彼もきっとそう思っているだろう。

ワインでも飲んで、時代を遡って楽しむ

ことにしよう、と誘いたいと思ったが…

ああ、そうだ彼はワインは嫌いだった！

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