写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

半信半疑

2014年04月20日 | 生活・ニュース

 今絶好調の広島カープ。目下セ・リーグで2位の阪神に2ゲーム差をつけてトップを突っ走っている。昨年は久しぶりにAクラスとなり、クライマックスシリーズでは2位になった。一昨年までの長い年月、カープは5月の鯉の季節までは勢いがよいが、その後はさっぱりで、終わってみれば堂々のBクラスのチームだと揶揄され続けてきた。

 ところが昨年の後半あたりから、新規加入した外人部隊のキラやそれに刺激されたエルドレッドの活躍で、それまでのカープとは大きく変わった戦い方が出来るようになった。今年は開幕してからまだ18試合しか見ていないが、あの金満チームの巨人に2.5ゲーム差をつけて目下首位。「目下」と書かなければいけない所にファンとしての若干の不安がにじみ出る。

 昨年、カープの試合をテレビで観戦していて、ことごとく裏切られて嫌いになっていた選手が何人かいる。外角低めに弱いエルドレッドと堂林選手だ。バットを持って立っているのだから時にはヒットもホームランも出ることはあるが、ここぞという時に三振の山を築いた。

 赤松といえば、腕と脚の関節が1本ずつ多いのではないかと思えるような独特の構えで、身体を揺らしながら球に立ち向かっているが、ヒットを打ったのを見たのはいつのことか。押さえの永川といえば、四球の連発で、押さえというよりも火つけの印象の方が強く、永川が出てくるとはらはらドキドキで心臓が高なり身体に悪かった。

 そんなカープが今年はどうしたのだろう。チーム打率は低いが効果的なホームランやヒットが出ている。投手陣は新入団の若手を含めて調子がよく、大いに期待に応えてくれている。リードされている試合でも終盤にひっくり返すだけの力を感じ、勝利を信じて落ち着いて楽しく見ていられるようになった。

 中でも注目すべきは堂林選手だ。監督の談話でも分かるように今もって本当に調子がいいのか悪いのか。劇的なホームランを連発しているが、打率は2割1分そこそこ。堅実にヒットを打ってほしい。外角低めの空振り三振は、もうそろそろやめてくれないか。こんな愚痴をいいながらも、恩も義理もない今年のカープから目が離せないでいる。