☆・。.・☆写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 愛犬のハートリーと共に瀬戸内の岩国から…… 茅野 友

白い花の咲く頃

2018年05月24日 | 季節・自然・植物

 庭では、4月にはハナミズキの木に、小ぶりの白い花が無数に咲いた。5月に入ると今が盛りのバラを見下すかのように、高いところで上向きに、これまた真っ白いヤマボウシの花が咲きだした。そして今は、庭の端の至る所で、白い十字のドクダミ草が、「ここ、ここで咲いています」と言わんばかりに日陰にありながらも存在感を増している。

 1日中、雨が降った夕、ふと居間に座って普段あまり見ることのない南の庭を眺めると、カシワバアジサイがあっという間に私の背丈をはるかに越して葉を茂らせ、円錐形をした大きく白い花を咲かせ始めている。

 白い花を見ると、私はいつも「白い花の咲く頃」という歌を思い出す。岡本敦郎が1950年(昭和25年)にNHKの「ラジオ歌謡」で歌ったものである。
  作詞:寺尾智沙  作曲:田村しげる 
 ♪ 
白い花が 咲いてた ふるさとの 遠い夢の日
  さよならと 言ったら だまってうつむいてた お下げ髪
  かなしかった あの時の あの白い花だよ ♪

 天の橋立で有名な奥丹後半島での思い出を書いたもので、ひなびた田舎町での胸の苦しくなるような初恋の思い出、初めてのくちづけ、親の反対であきらめざるを得なかった胸のうち、ひとりさまよい腰を下ろすと、そこには名もしらぬ小さな白い花が咲いていた、という文字どおりの悲恋物語を歌ったものだという。

 私は50代の初め、金帰月来ではあったが、千葉で単身赴任を4年間やった。その時、広い空を見上げたとき、何故かすぐにこの「白い花の咲くころ」の歌を口ずさんでいた。故郷の岩国で、悲恋物語があったわけではないが、歌っていると故郷のことが無性に懐かしく思えた。

 2番の歌詞は「白い雲が 浮いてた」、3番は「白い月が 泣いてた」で始まる。故郷の岩国に戻った今、庭に咲いている清楚な白い花を見ると、今度は単身赴任をしていた千葉でのいろいろなことを懐かしく思い出している。

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