写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

無断省エネ

2011年11月21日 | 生活・ニュース

 日本シリーズは全試合テレビで観戦した。迫力ある大画面のテレビは、野球嫌いな奥さんが独占して好きな番組を見る。私は隣の部屋においてある息子から払い下げられた、ひと回り小さな画面のテレビで見ることになっている。

 早めに風呂に入って夕食も終え、試合開始の6時半からテレビの前に座って観戦した。とは言え、試合のすべてをじっと見ていたわけではない。バッターが打ち、実況放送の声が大きくなったときや、得点圏にランナーが出た時に目をやるだけである。その他の時には、図書館で借りて来た軽いエッセイ集などを斜めに読みながらの観戦であった。

 8回の攻防の時だったろうか、いいところでテレビの画面が突然消えた。むむむ…… 一体何が?慌ててリモコンを取ってスイッチを入れると、すぐにまた野球が映った。ああ良かった。しかし一体何が起きたのか。故障なのか?

 そういえばその数分前、画面の左下に小さな文字が出ていたが直ぐに消えた。その後また、同じような文字が出ていたがまた消えた。その直後の出来事がこれであった。小さな文字なので読みづらかったが、確か「無操作……」というような文字列であったようにも見えたが、気にすることなくそのままにしていた。

 ホークスの優勝で終わった放送の後、テレビの取り扱い説明書を取り出して読んでみて分かった。「省エネの設定をする」という項目の所に「操作しないときに電源を切る」という項があり、「テレビを操作しない状態が続くと、自動的に電源が切れるように設定できる」と書いてある。

 工場出荷時には「しない」に設定してあっるようだが、息子が「3時間で切れる」に設定していたのだろう。その他指定した時間後に電源が切れるなど、省エネへの機能が盛り込まれている。そんなことはつゆ知らず、無操作で3時間、点けっ放しだったテレビから「見ないのなら消すぞ!」と、イエローカードが出されたような気がした。それにしても、野球の試合時間って、長すぎませんかねぇ。同じチャンネルを無操作で4時間近くも見なければならないなんて。