歩君を亡くし、悲しみに暮れる花子と英治。
吉平さん・ふじさん・朝市君は甲府から駆けつけた。痛ましげに見つめ
後ろ髪を引かれながら、東京を後にする。
吉平さんやふじさんにとって歩君は孫。その孫が亡くなって、英治や花子
と同じに辛いと思う。 吉太郎は思い出の鉱石ラジオを手にして
人知れず泣いた。吉太郎と歩君は叔父と甥というよりは親友のような
関係だった。吉太郎は歩君の寂しい気持ちをわかっていた。
花子は翻訳の仕事に没頭した。そんな花子を吉太郎は責めたが、かよちゃんは
今の花子の気持ちをわかっていた。大切な子どもを亡くしたんだ。
辛くないはずはない。花子の思いが書かれている歩君への手紙。
花子がいなくなった何事もなければいいのだが。