縄文人(見習い)の糸魚川発!

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ひい婆ちゃんは冬になるとガメラに変身するノダ・・・わたこに再会

2014年01月21日 07時52分44秒 | 記録しておきたいヒト・モノ・本・映画





週末に、糸魚川市本町通りの「町屋文化を保存する会」で毎年恒例のカルタ会があった。


場所は旧倉又茶舗さんで、糸魚川市出身の童話作家、小川英子さんの実家である。


地域活性化の方法はいろいろあるだろうが、「町屋文化を保存する会」は年に何度もこんな手作りイベントを開催して頑張っている。

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カルタ会で懐かしい「わたこ」に再会した。

わたこの漢字表記は綿子であるらしい。

写真右側の和服女性が背負っている青いのがそれだ。



「わたこ」とは、真綿をわたこ専用の饅頭型の笊や木でできた型に広げて糊づけして固めた自家製の背中だけを温める室内防寒着で、概ね襟と紐が付けられて藍染されている。



既製品が売っていたのかどうかは知らないけど、お袋の実家では30㎝弱の四角い布団用の「吊り綿」というものを布団屋さんから買ってきて、自分で円盤状に伸ばして手作りしていたそうだ。



古くなって薄くなったわたこは、何度も吊り綿を重ねて藍染をし直していくので色がどんどんと濃くなっていくとのこと。



再会したわたこは鮮やかな青であったから、まだ作り直し回数の少ないわたこなのかも知れない。



「雪国十日町の暮らしと民具」・・・十日町市立博物館発行・・・によると、養蚕農家は真綿の自家栽培も
含めて手作りしていたようだ。



正面から見たらどうなっているのか?という質問もあったので、以下の写真は、「雪国十日町の暮らしと民具」からの転載(無断でゴメン!)。

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囲炉裏や火鉢など、昔の暖房機は身体の前面しか温まらいので、背中の保温が必要だったということだ。

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襟と背負い紐は各自の好みで作る。

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形にもいろんなバリエーションがあるところが面白い。
「カメコ」と呼ぶ地域もあるようだ。




主に年配の女性が背中に背負って胸元で紐で縛って着用する。



子供の頃、ひい婆さんが冬になるとわたこを「かんて」・・・担いでという意味の糸魚川方言・・・炬燵で丸くなっている姿は、まるでカメみたいで可愛らしかったのを覚えている。



わたこは円盤状をした背中だけに当てる形状なので、太って背中が丸まった年配女性が着るとちょうどカメの甲羅のように見えるのだ。

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カルタ会の参加者の中から最もわたこが似合いそうな女性に背負ってもらって撮った写真がこれだが、このわたこは明るい青だけど普通は黒に近い紺色だ。



右が名作「ピアニャン」の作者の小川英子さん。



わたこを背負ったひい婆さんの丸まった背中にまとわりついて、「婆ちゃん、ガメラみたい!」と甘えて遊んだ少年時代の記憶が蘇った。