今日のエンドロール

10点満点の採点つきで年間約120本。観る前も観たあともクスッと笑えるレビューをお届けします。

8月のクリスマス 4

2005-10-09 02:20:11 | デッドボール
何なんだ、この違和感は?

「残されたわずかな人生で、恋をし、生きたいと思った『オジさん』の物語」。元ネタの「八月のクリスマス」はそこそこ良かった記憶があるし、昔「月とキャベツ」を見たときから、ユースケからユーモアと小物感を抜いたような山崎まさよしの演技は気に入っていた。

なのにちっとも感情移入できないし、時間がたつにつれ増大するばかりの「しっくりこなさ」。原因は一見身近にありそうで、実は現代日本ではありえない不自然な設定を日本人が演じているという点にある。
あと数ヶ月の命なのに痩せもせずに酒飲み歩いたり、大学出たての代用教員が処女みたいにウブだったり、あれだけ店に入り浸ってもウワサのひとつにもならなかったり・・・冬ソナの記憶喪失じゃないけど都合がよすぎる。昔SFを「少し不思議」の略だと藤子先生は上手く表現したらしいが、これはDFもしくはKF、関西弁でいうとMFクラス。20年前の大映ドラマならともかく、あれを月9でキムタクやツマブキくんが演じていたらどうだ?かなり気持ち悪いだろう。

でも、韓国なら見れるのだ。見てくれも経済レベルもあまりかわらないけど、現実のようで現実でないよそ様の国のことだと、どこかで思えるから。
オバハンらは自分の美化しすぎた思い出の類似品を隣国に見つけた。でも制作者側はそれはあくまでバーチャルなものだと理解しておかないといけない。でないとこれとか写真の作品みたいな微妙なカバーを産み出してしまう。
コメント
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