コメント
 
 
 
学術研究 教会に影響? (NJ (学術研究 教会に影響?))
2007-10-24 00:47:36
死海写本の研究にここまでモルモン教徒が関与することは教会や会員にとって誇らしいことであるが、死海写本の持つ意義を教会は受け入れざるを得ないようなるかもしれない。

というのは死海写本はそれまでの聖書のテキスト(本文)に少なからぬ変更を加えるに至っているからである。従来依拠していた古い写本を遥かに遡る信頼できる写本を世にもたらしたからである。死海写本の出現で聖書本文に変更が加えられた数は次の通りである。

 新国際聖書  15 (New International Version)
 現代英語版  51 (Today’s English Version)
 改訂標準訳  60 (Revised Standard Version)
 新改訂標準訳 110(New Revised Standard Version)
 新英語聖書  160 (New English Bible)
 新アメリカ聖書230 (New American Bible) 
      (パリー「死海写本質疑応答」2000年)

ところが末日聖徒イエス・キリスト教会は欽定訳聖書を公的な教会使用の聖書として定めていて今日に至っている。欽定訳は1611年当時の本文を底本にしていて、その後の本文批評はもちろん死海写本の発見で進められた本文の改訂を反映していない。そこで英語以外の言葉を用いる外国の会員の方が元の聖書に近い聖典を用いるという矛盾が生じているのである。
 例、1955年日本の口語訳聖書、1960年改訂のスペイ ン語聖書など。

それでゴードン・C・トマソンは、1978年の時点で早晩聖書に基づく教えの面で教会は難しい決断を迫られるだろうと述べている。教会は欽定訳以外の聖書使用を弾力的に認めるようになり、教会の諸文書を外国語に翻訳するときも欽定訳の文言に合わせることを求めるのを控え、せいぜい必要最小限脚注に説明を添えるようになるのではないか。

(現在すでに英語を話す教会員も欽定訳以外の聖書をかなり用いているのではないかと私はみている。原語の構文や表現に引きずられていて、現代人には大変読みにくい英語になっているからである。)

学術的研究が教会に影響する可能性については、黒人に神権が与えられるようになった背景に教徒の学者たちの渾身の研究が多少とも影響を与えたという記述(発言)を読んだことがある。
 
 
 
新共同訳のイザヤ書は読みやすい (Wasatch_15)
2007-10-24 20:09:37
不思議なことに日本の会員はなぜか英語の聖書(つまり欽定訳聖書)の方が日本語の聖書よりも正確だと思い込んでいます。
とはいえ欽定訳聖書には捨てがたい歴史的な魅力もあり完全な訳が有り得ない以上公的な位置は揺るがないのでは。
私は脚注に現代の聖書学の成果を盛る込んでいけば良いと思っています。
日本語の聖句ガイドはそのような成果が反映?されているように感じます。注意しないと気がつきませんが。

>学術的研究が教会に影響する可能性については、黒人に神権が与えられるようになった背景に教徒の学者たちの渾身の研究が多少とも影響を与えたという記述(発言)を読んだことがある。

興味深いです。影響を与えた具体的な研究成果はわかりますか?
 
 
 
黒人弁護の研究が影響 (NJ(教徒の研究が影響))
2007-10-26 23:40:58
 教徒による学術研究が教会の方向に間接的にでも影響を与えた例に、黒人に神権を与えるようになったことをあげることができる。それは、ブッシュとマース編「白でも黒でもなく」(1984年)の中で二人の著者が当時を振り返って述べている。一人はマースで「この件に関して学術的な記事に新しい洞察が掲載され、控えめでも一定の役割を果たした」と書いている。もう一人はブッシュで「この問題について教会幹部は、ごく最近の学術的な検討に影響されていたようである」と振り返っている。そして一人の教会幹部が手紙で、「最近数年間の研究は恐らくこれまで得ていた知識とは比較にならないほどの影響をもたらしている」と書いてきたことを紹介している。
 影響を与えたと思われる教徒による研究は、次のようなものが考えられる。
  ダイアログ誌8巻1号(1973 春季号)「モルモ   ン教の黒人に関する教義」特集
   レスター・E・ブッシュ「モルモン教の黒人に関   する教義。歴史的概観」他
  ニューウェル・G・ブリンガースト「僕の中の  
   僕・・神権に関して呪われる」博士論文
   1975年、カリフォルニア大学デービス校
 
 
 
Unknown (Wasatch_15)
2007-10-27 01:48:32
貴重な情報ありがとうございます。
当ブログで「白でも黒でもなく」(1984年)がネットで公開されていることがコメントされていたのを思い出しました。
少しづつでも読んでいきたいです。
 
 
 
少しは成長したかも (wasatch_15)
2008-04-11 13:19:00
>死海写本の持つ意義を教会は受け入れざるを得ないようなるかもしれない。

半年後にここを読み返して・・・。

今やっとその意義の片鱗が感じられるようになった自分があった。
 
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