沼隈文化財研究所

「温故知新」
文化財を通して歴史を振り返ってみよう。
文化財です。歴史です。

「佐田峠(さただお)墳丘墓群発掘調査」現地説明会の報告

2009年09月07日 | 発掘調査情報
広島県庄原市宮内町佐田峠(さただお)にある墳丘墓群の発掘調査

現地説明会がありました。

日時:平成21<2009>年9月6日(日)10:00~12:00

場所:庄原市宮内町佐田峠(さただお)

調査主体:広島大学大学院文学研究科考古学研究室

       庄原市教育委員会



     (現地説明会風景:4号墓の前で)


       (現地説明会風景:野島准教授が説明)


     (佐田峠3号墓突出部分:昨年調査)


(佐田峠3号墓検出状況:南西部パネルの表示が違います)


        (佐田峠4号墓:北東部分)


          (佐田峠4号墓:北西部分)


          (佐田峠4号墓:南東部分)


        (佐田峠5号墓:埋葬部分)西側


広島県北部には、四隅突出墓が多数存在しその調査が進んでいる。

以前調査された、佐田谷1号墳では、四隅が突出する墳墓として注目されていたが、

今回、特に注目されるのは、弥生時代中期以降に四隅が突出する過程となる

遡源が一地域で解明できる墳墓群が調査された。


        (佐田谷1号墳:現状)


          (佐田峠3号墓出土遺物)


         (鉄鏃出土:佐田峠4号墓)


           (佐田峠4号墓:出土遺物)


          (佐田峠5号墓:出土遺物)


               (塩町式土器)


                (塩町式土器)



                (塩町式土器:パネル)

今回の調査で、方形周溝墓(5号墓)から方形周溝墓(4号墓:列石・貼石を持つ

もの)、そして四隅突出型墳丘墓(3号墓:貼石・列石を持つ)へと変遷が辿れる

墳丘墓が一括して検出されたことが大きな成果と言える。

また、弥生中期にこの地域特有な「塩町式土器」も出土し、出雲地域が遡源と

されていた四隅突出墳丘墓の遡源がこの地域に出現している点も見逃せない。

概略以上。

                                      (文責:椿庵遍照)

最新の画像もっと見る

コメントを投稿