曖昧批評

調べないで書く適当な感想など

初代フィットのインプレ

2013-07-28 23:47:28 | クルマ
パッケージ、スタイル、性能、どこをとってもまったく隙がない。すべてがそれまでのスモールカーの概念を変えるものであったし、いま現在で見ても色褪せない魅力を持ちあわせていた。発表会の席上で「フィットの特徴は?」と聞かれた当時の社長、吉野が一言「無敵」と答えたのも納得できた。(『小説 フィット』より)



どういうわけか新型フィットの記事が多くの人に読んでもらっているようなので、今日は僕が5年間乗っていた初代フィットのことを書こうと思う。これから中古で買おうとしてる人の役にでも立てば幸いである。

僕が乗っていたのは、中期型(2005年モデル。髭剃りグリル)の1.5A。ATでFF。

フィットといえば燃費。運転のしかたと条件がよければ、市街地でリッター15キロ、郊外なら18キロは普通に出た。ある程度の速度まで一息に加速したら、あとは惰性で転がっていくのがフィットの燃費走行のコツ。加速が済んだら、右足はアクセルペダルにそっと触るだけ。CVTの特性なのか、クルマ全体の転がり抵抗が恐ろしく小さく、本当にただ惰性でスルスルーっと滑っていく…ように運転すれば、もの凄い燃費になった。

今思えば、いろいろ言われたあのCVTはコントローラブルだった。トルクコンバータがなく、湿式多板クラッチという奴で、いつのまにかロックアップされていてミリ単位の踏み具合に反応してくれた…ような気がする。少なくとも、トルクコンバータ付きの5ATである今の愛車ストリームと比べると、初代フィットのCVTは操作に対してリニアに反応してくれた。

フィット1.5のCVTは、Mモードボタンを押すと、パドルで操作する7段変速になる。高速道路で巡航している時など、低負荷かつ定速で滑らせていると、キーンというかすかなCVTのベルト音が澄んだ音に変わり、特に燃費のいい状態に入っていた…らしい。このモードは、某匿名掲示板などで「秘密の8速」と呼ばれていた。7速よりさらに上のギア比があって、条件が揃うとそこに入るのではないか、と推測されていた。僕もそう思っていた。その速度は、約80キロだった。僕の経験では、時速60~80キロがフィットが最も燃費のいい巡航速度だった。

転がり抵抗が少ないので、エンジンブレーキがほとんど効かない車だった。そういうときは、シフトレバーで「Sモード」に入れれば、多少改善された。Mモードでギアを下げればもちろんエンブレが効くが、CVTでエンブレを多用するのはよくないとWebCGに書いてあった。僕のフィットでは、それでトラブルになったことはなかったが。

Mモードのボタンは押しにくかった。右手の親指で押すのだが、前方を注視しながら、ハンドルを回しながらそれを押すのは、なかなか難しかった。現行ストリームのように、パドルを操作すればMモードに入り、一定時間操作しないでおくとATに戻る方が断然楽で安全。

1.5のエンジンは一応VTECだが、なんちゃってVTECと言われていた。バルブのリフト量は変わらず、単に低回転時2バルブ→高回転時4バルブの切り替えだけだったようだ。切り替わるタイミングは、だいたい3800~4000回転だと思われる。そこから急に音が勇ましくなった。ホンダ的な甲高い快音ではなかったが。

インパネは質素で、表面が細かいディンプル状だった。メーターフードが、ただかぶせてるだけという感じだった。あんまり気にしてなかったけど。トリップメーターが一本しかないのが不満だった。燃費計は、満タン法より10%良、という感じだった。

燃料タンクは42リッターのはずだが、給油口からタンクまでのパイプが長いため、45リッターくらいまで入ることがあった。満タンに入れた後、停止すると尻の下からチャプチャプ音がした。その度にガソリンの上に座ってることを意識させられたが、不安になったことはない。むしろ、タンクを囲むフレームがあるのでボディ剛性が高いと思っていた。

電動パワーステアリングのモーターが小さいとかで、アナログな感触のステアリングだった。不感帯が広いとかではなく、なんとなくクニャっとしたところがあった。高速走行がちょっと苦手で、高速道路の下りなどでは前輪の接地感が怪しくなった。

アナログなステアリングだったので、逆に路面の情報はよく伝わってきた。慣れるまでは単に軽いハンドルだなー、という感じだったけど。

売りのシートアレンジは、あまり活用しなかったなあ。フルフラットにして1、2回昼寝したくらいか。後席をチップアップすると室内にもかなり積めるが、積むものがなかった。帰省するとき、家族の荷物をぎゅうぎゅうに詰め込んだらびっくりするほど積めたので、積載可能量は相当なものだとは思うけど。

ダッシュボードの下にトレイがあるのが何げに便利だった。とりあえず小物をホイホイ置けて、すぐ手が届いた。ストリームにも欲しい。

最大の弱点は、小さなバッテリーだろう。ボンネットを開けると、びっくりするほど小さかった。エアコンをかけると、途端に燃費が悪化した。僕の運転でも11キロくらいまで落ちた。エアコンの目盛りは常に1か2で、3以上だとクルマが苦しそうだった。なので、一人で運転している時、僕は常に窓全開だった。

全体的に燃費スペシャルに設計されていて、ちょっとでも条件が崩れると普通の燃費になった。その繊細さも弱点かもしれない。コントロール性は高いが、CVTが若干華奢に感じた。ラフな操作をすると壊れそうな感じ。実際には壊れなかったけど。

しかし、クセを理解し、クルマと仲良くなると、これほど燃費が良く操縦しやすい車はなかった。よく「言われれてるほど燃費が良くない。がっかりした」というアンチのユーザーレビューを見かけたが、「お前の運転が下手なだけだ。ちょっと俺に運転させてみろ。リッター15キロは出してやる」と思っていた。

新型フィットの記事でもちょっと書いたけど、デザインが素晴らしかった。シンプルな線で構成されていて飽きなかった。これ以上いじるところがないデザインだと思った。洗車するとき、ヘッドライトのふくらみをキュッキュと磨くのが楽しみだった。

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…時間が無くなってきた。これから中古で買おうとする人の役に立つ情報だったかどうか自信がないが、もう寝る時間なので中途半端なまま今日の記事はここで終わる。フィットは思い出深い車なので、また書くかも。
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