曖昧批評

調べないで書く適当な感想など

映画「覆面系ノイズ」の感想

2018-07-08 22:16:25 | テレビ・映画
DVDレンタルが始まったので、実写映画の「覆面系ノイズ」を見てみた。

出来のいいアニメがあるのに、叩かれること必至の実写映画を作るという企画の意図が分からないのだが、一種の怖いもの見たさで借りたのであった。

アニメで5時間以上かけた話を2時間にまとめたのだから、説明不足の箇所が無数にある。が、原作とアニメを知っていれば、全部理解できるレベル。まったく擁護になってないが。

撮影が冬なのと(原作は春から夏)、ニノとユズが別のクラスなのが、ただでさえ省略気味の脚本を不自然にしている。新歓ライブがないので、ニノのお披露目は屋上。毎朝顔を合わせないので、二人の会話は毎回偶然出会ってから、ということに。

ユズは背が低いのが個性なのに、ニノより高くておかしい。ユズのキャラクター造形が最も原作と違う。サイコパスな母親が出てこないので悩みがなくて屈託がない。余裕たっぷりのようにさえ見える。

モモは外見も雰囲気も再現度高いが(子役も)、Silent Black Kittyは話の中にしか出てこないし、まだ原作でも出番が少なめな部分までの映画なので、単にユズの敵役でしかない。

ハルヨシは深桜と並ぶと顔がでかい。韓国の男性アイドルグループにいそうな人だった。

クロが一番原作に近かった。前髪が一筋額にかかるとことか。ドラムも自分で叩いてると思われる。

深桜は背が低すぎるが、顔と雰囲気は原作・アニメのイメージに近い。

ニノは外見イメージ通りだし、歌も頑張っているが、変人ぽさが足りない。モモのギターをもらったリアクションなどは、うまくやれば笑えるところなのに、中条あやみにボケの演技は無理だったらしい。早見沙織は上手かったなあ。

キャラクターについてはこれくらいにしておいて、ストーリーについて。

ニノが暴走しない。モモに歌声で想いを届かせたいという怨念のようなのものが希薄で、ライブシーンでは暴走のボの字もなく安定している。ていうか、中盤すぎに想いがほぼ届いてしまう。そうなると、物語の本筋が終わってしまう。実際、ユズはイノハリを解散しようとする。

モモは「Find You」という曲をニノに歌ってほしいと迫るのだが(原作にはない)、どこでどう歌わせたいのか不明。ユズの「Close to me」とどちらかを選ばせる展開に持っていくための設定なのだろうが、ちょっと無理がある。

案の定、ニノは「Close to me」を選び、つまりはユズを選ぶ。前述の通りユズは屈託がないため、音楽的にも恋愛的にもユズの大勝利に見える。

そして、エンディング曲がモモの「Find You」で歌と演奏はMAN WITH A MISSION。この作品で野郎の歌声ってのが変だし、ニノの代わりに狼男? イノハリの曲にしろとは言わんが、インストゥルメンタルでよかったのでは?

映画は別物と割り切って見ていたが、最後の歌はいただけなかった。あれじゃ何の映画かわからない。例えば、マイケル・ジャクソンの伝記映画のエンディング曲がボン・ジョヴィだった、みたいな話だよ。
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