オトコはつらいよ!? ~CNS 坂コーの独り言~

急性・重症患者看護専門看護師である坂コーの手探りなブログです。

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はじめまして。 都内某大学病院ICUで働く専門看護師の坂コーです♪ 心にうつりゆく医療や看護に関する事をそこはかとなく書いていくブログです。 2019年4月からこちらにお引越し↓↓↓↓↓↓

ショックって何!?

2012-02-09 15:55:37 | ショック
「先輩!収縮期血圧が90です。患者さんがショックです!!!」



ショックとはどのような状態だろうか。


ショックとは組織への酸素供給と循環の障害が引き起こす症候群のこと。
酸素の需要と供給のバランスが崩れて供給を上回る需要が生じた結果がショックということで、ほとんどの場合に血圧低下を認めるけど血圧の低下はショックの定義ではない、ということは覚えておくとよさそうだ。



じゃあ、ショックの状態が続くとどうなるか?早く対処できれば大事に至らないかもしれないけど、ほっとくと臓器が酸素不足で多臓器不全→死亡…。ということになっちゃうから早く対処してあげることが大切。

さて、どう対処するか。

酸素の供給を上げて消費を抑えればよさそうだ。
酸素消費を抑えるのは例えば熱を下げるとか、安静にするとか?ここに焦点を当てると難しいので酸素供給に焦点を当ててみる。
酸素の供給を上げるには酸素を投与して、後は何をすればいいのか?

まず酸素はどうやって組織まで運ばれるかを整理する。

肺でガス交換することによって酸素は血液に取り込まれるけど、ほとんど溶けないから大部分は赤血球の中のHb(ヘモグロビン)とくっついて移動する。
1gのHbは1.34mlの酸素とくっつく能力があって、血液中のHbが酸素とくっついてる割合が酸素飽和度(S:サチュレーション)という。
なんか酸素飽和度って言うと難しく聞こえるけど要はSpO2(サット)のこと。これはP:パルスオキシメーターで測った酸素飽和度ってこと。
じゃあSaO2とかSvO2ってなに!?
それはaは動脈、vは静脈の酸素飽和度。
パルスオキシメーターは動脈の拍動(パルス)をひろってSaO2を予測している。

整理すると

動脈血酸素含有量(CaO2) = (1.34×Hb×SaO2) + (0.0031×PaO2) (単位:ml/dl)
CaO2のCはキャパシティー。これで血液中にどのくらいの酸素があるか分かる。PaO2はほとんど無視できるからHbとSaO2を上げれば酸素供給が増えそうということが分かる。

あとは酸素がいくら豊富に含まれててもそれを末梢に届けられなきゃ組織は満足しない。
つまり心臓の働き、心拍出量(CO;カーディアックアウトプット)が加わって酸素供給量が決まってくる。

酸素供給量(DO2) = CO×CaO2 (単位ml/分)

Dはデリバリー。COは一回拍出量(SV:ストロークボリューム)と脈拍数(HR:ハートレート)で決まるからこれを増やしても酸素供給量が上がりそう。
SVは前負荷(preload)、後負荷(afterload)、心収縮力によって決まってくる。


今日はここまで。次回はショックにはどんな種類があるのかをまとめてみたいと思います。



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