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森羅万象 ~ 歩く印象派

ピースボート「自衛隊のクラスター爆弾所有に関する公開質問状」への防衛庁からの回答

2007年05月27日 00時53分32秒 | 平和憲法9条

少し勉強してみました。
ピースボートの「自衛隊のクラスター爆弾所有に関する公開質問状」への防衛庁からの回答
によれば航空自衛隊の保有するクラスター爆弾はCBU-87/B型。

搭載可能機としてはF-2A/B支援戦闘機(対地攻撃機に相当)未製作品。米軍の1/72F16Cは製作済み。

それとF4EJ改(キット未購入)

ところでクラスターとは英語でぶどうの「房」の意味。

ここから下はピースボートへの回答全文
公開質問状に対する回答
2003年6月18日
防衛庁
【「1」について】
1.航空自衛隊は、敵の着上陸侵攻に際し、侵攻部隊の陣地、戦車等の車両、物資の集積所等を攻撃し、これを阻止する作戦を行うため、通常やクラスター爆弾などの対地攻撃兵器を保有しており、このうち、クラスター爆弾については、装甲貫徹力・破片効果・焼夷効果〔注1〕を有する子爆弾を散布することにより、通常爆弾にはできないような広範囲の敵を攻撃する場合にしようすることとしている。
〔注1〕装甲貫徹力 :敵戦車等の装甲を貫く能力
破片効果 :敵車両等を破片により行動不能にする効果
焼夷効果 :敵の物資等を燃焼し使用不能にする効果
2.現在、航空自衛隊はCBU-87/B型のクラスター爆弾を保有している。なお、クラスター爆弾を含め、弾薬は、自衛隊の装備の能力発揮に不可欠なものであるので、保有数を公にすると国の安全が害されるおそれがあることから、保有数の公表は差し控えさせていただいている。
【「2」について】
憲法第9条第2項が保持を禁じている「戦力」とは、自衛のために必要最小限度を超えているものと解されており、同項の「戦力」に当たるか否かは、我が国の保持する全体の実力の問題であって、自衛隊の保持する個々の兵器については、これを保有することにより、我が国の保持する実力の全体が必要最小限度を超えることになるか否かによって、その保有の可否が決せられるものと考えているが、クラスター爆弾を保有することとしても、我が国の保持する実力の全体が必要最小限度を超えるものではなく、憲法上問題は生じないと考えている。

【「3」について】
1.専守防衛とは、相手から武力攻撃を受けたときに初めて防衛力を行使し、その態様も自衛のための必要最小限度にとどめ、また、保持する防衛力も自衛のための必要最小限のものに限るなど憲法の精神にのっとった受動的な防衛戦略の姿勢をいう。

2.クラスター爆弾は、我が国の領域外において使用することは想定しておらず、上記のように、我が国防衛のため、敵の着上陸侵攻を阻止するために保有しているものであり、専守防衛の趣旨にかなうものである。

【「4」について】
1.クラスター爆弾については、特に1999年(平成11年)のコソブォ空爆以降、その子爆弾の一部が不発弾として残り、紛争終了後も一般人に被害を与える例が注目され、人道上の観点から国際的に様々な議論が出てきたものと承知している。

2.現在の国際的な議論については、特定通常兵器使用禁止・制限条約関連会合において、クラスター爆弾が他の爆弾等と比較して不発弾となる割合が特に高いとの証拠が示されたことはなく、また、現時点においてはほとんどの締約国が同爆弾の使用の禁止は必要ないとの立場であるものと承知しており、同爆弾を本条約の規則の対象に含めることについて合意が成立する見込みはないと認識している。他方、一部の国においては、クラスター爆弾の不発弾化を防止するための設計改良に関する研究が行われているものと承知している。

3.いずれにせよ、我が国は、我が国の領域外においてクラスター爆弾を使用することは想定していない。また、正に有事関連法案の目的の一つにされているとおり、万一我が国への侵攻事態が生起した場合には、政府として国民を戦闘地域等から安全に避難させることは当然のことであり、更に、戦闘終了後にあっても、政府としては、国民の生活基盤が確立されるよう、不発弾の処理等に万全を期すことは当然である。
このように、我が国がクラスター爆弾を使用する際には、民間人に被害が生じないよう配慮することとしている。

4.なお、クラスター爆弾が使用後に不発となった場合、個々の不発弾の処理は、不発弾処理の技能を有する専門の要員によって爆破により行われると考えられる。

【「5」について】
1.対人地雷は、敵の侵攻を遅滞ないし阻止し防衛火力を有効ならしめる手段として、また、部隊の配備が手薄となる地域に対人地雷を敷設して敵の侵攻を遅滞ないし阻止して、予備の部隊を投入するための時間を確保するために使用され、人の存在、接近又は接触によって爆発するように設計されており、主として地中に埋設して使用するものが多いものと承知している。

2.他方、クラスター爆弾については、地雷を散布するものと、子爆弾を散布するものがあるが、航空自衛隊が保有しているものは、敵の着上陸侵攻の際し、侵攻部隊の陣地、戦車等の車両、物資の集積所等を広範囲に攻撃し、これを阻止する作戦を行うために使用する子爆弾散布型のクラスター爆弾であり、対人地雷禁止条約のおける対人地雷には当たらない〔注2〕ものと考えている。
〔注2〕対人地雷禁止条約第2条(抜粋)
(1)「対人地雷」とは、人の存在、接近又は接触によって爆発するように設計された地雷であって、一人若しくは二人以上のものの機能を著しく害し又はこれらの者を殺傷するものをいう。(以下略)
(2)「地雷」とは土地若しくは他の物の表面に又は土地若しくは他の物の表面の下方若しくは周辺に敷設されるよう及び人又は車両の存在、接近又は接触によって爆発するように設計された弾薬類をいう。

3.クラスター爆弾の不発弾については、これを取得しようとして被害にあう民間人がいることは承知しているが、上記のようにクラスター爆弾と対人地雷は使用目的、使用方法等を異すること、また、クラスター爆弾の不発の子爆弾の状態も様々であると考えられることから、一概に両者を同列に論ずることは適当でないと考えている。

4.また、特定通常兵器使用禁止・制限条約の枠組みにおける議論においても具体的な不発率について議論が行われてきたわけではなく、クラスター爆弾が他の爆弾等と比較して不発弾となる割合が特に高いとの証拠が示されたこともないと承知している。
 したがって、クラスター爆弾の不発弾が発生することをもって、自衛隊がクラスター爆弾を保有することが対人地雷禁止条約の精神に反しているとは言えないと考えている。

5.防衛庁としては、クラスター爆弾は我が国の防衛上必要なものと考えているが、クラスター爆弾の規制等にかかる問題については、他国や国際世論等の今後の動向を見極める一方で、我が国の安全を維持していくとの視点も考慮する必要があり、防衛庁としては、我が国の平和と安全を守るという任務を踏まえつつ、慎重に対応してまいりたい。

【「6」について】
お尋ねのような調査は行っていないが、「4」についてで述べたように、我が国がクラスター爆弾を使用する際には、民間人に被害が生じないように配慮するとしている。

【「7」について】
国際条約等の解釈については、防衛庁の主管ではないと考えられることから、お答えは差し控えさせていただきたい。

なおピースボートが防衛庁に対して行った質問状はこちら

自衛隊のクラスター爆弾所有に関する公開質問状

 

自衛隊のクラスター爆弾所有に関する
公開質問状

日本国防衛庁
石破防衛長官殿
2003年5月11日

 わたしたちは、防衛庁が明らかにした、自衛隊による非人道兵器クラスター爆弾の所有の事実を知り、おおきな衝撃を受けると共に、同爆弾の即時全面廃棄を日本国防衛庁に強く訴えます。

 わたしたちは世界中の人々との民間交流を進める中で、ベトナムやアフガニスタン、コソボ、そしてイラクなどの国々を訪問し、対人地雷やクラスター爆弾の被害状況の調査を行ってきました。そこでは、米英軍が使用したクラスター爆弾の被害を受け、傷ついたり犠牲となった子供たちや家族にも出会いました。それはまさに戦争とは全く関係のない一般市民が、無差別に殺傷される現場でした。このことはアフガニスタンにて実際に地雷除去を行っているNGOや、国際赤十字、ICBLなどの国際機関が、人道上の見地から同爆弾の禁止を強く国際社会に求めていることからも明らかです。

 また、防衛庁が明らかにしたクラスター爆弾所有の事実は、同爆弾の特性を考えても、さきに行われた対人地雷禁止条約批准という、日本政府の外交方針とも大きく矛盾をしていると考えます。イラクや朝鮮半島情勢の緊張で、一時は廃絶の世論が高まっていた対人地雷の有用性が再び議論されようとしています。そのような時期に、日本政府の行った「対人地雷全面破棄」は、国際社会では大きな反響を呼び大きな評価を受けました。しかし、一方でこのような非人道兵器の所有していたという事実は、国民のみならず国際社会を欺く、不誠実かつ非人道的行為だといわれても致し方ありません。

 福田官房長官は会見にて、「専守防衛という観点から必要であれば、廃棄する理由はない」と発言をしています。しかし、兵器として一端使用されれば広範囲の障害物を破壊し、多くの子爆弾が対人地雷化し、不特定多数の人間を無差別に殺傷するだけでなく、その後の処理にも莫大な時間と労力が必要なクラスター爆弾の保有は、明らかに対人地雷全面禁止条約の精神に反すると同時に、このような無差別殺戮兵器は禁止していこうという、国際世論に逆行する非人道的な行為だと言わざるをえません。

 石破防衛長官、自衛隊がクラスター爆弾を所有することを正当化するならば、また情報公開法に則った法の精神を尊重されるならば、早急に以下の質問に文章にてご回答下さい。なお、回答内容は公開させていただきます。
 私たちは大臣の誠意ある対応を期待いたします。

自衛隊の所有しているクラスター爆弾は、どのような戦闘を想定して、何に向かってどのような方法で使用されるのですか。また、現在の保有状況と共に具体的に教えてください。
1. 自衛隊の所有しているクラスター爆弾は、どのような戦闘を想定して、何に向かってどのような方法で使用されるのですか。また、現在の保有状況と共に具体的に教えてください。
2. クラスター爆弾の保持は、戦力不保持を謳った日本国憲法第9条に違反すると思いませんか。違反しないと思われるならば、その根拠を教えてください。
3. アフガン戦争、イラク戦争でのクラスター爆弾の使用状況を考えて、クラスター爆弾の保持は、日本政府が防衛の基本方針としている「専守防衛」にも違反すると思いませんか。思わなければその根拠を教えてください。
4. 一端、このような兵器を使用した場合、多くの民間人が犠牲になる可能性があります。そのことををどのようにお考えですか。また、使用後の不発弾処理の方法を具体的に教えてください。
5. 投下後、実質上地雷となるクラスター爆弾の保持は、日本政府も批准をしている対人地雷禁止条約、およびその精神に違反していると思いませんか。思わなければ、その根拠を教えてください。
6. クラスター爆弾を日本国内で使用すると仮定した場合、海外における民間人への被害の調査、そして、同じく海外における除去方法の調査を当然行われていると思われます。その調査内容について、どの国の、どの期間への調査を行われているかお答えください。
7. クラスター爆弾の使用に関しては、「その禁止する他の国際法規もない」というのが政府見解だと思われます。その論拠を教えてください。
ピースボート地雷廃絶キャンペーン代表
中原 大弐


このリリースへのお問い合わせは...
ピースボートセンターとうきょう・担当:中原
(Tel:03-3362-6307/Fax:03-3362-6309/ウェブサイトからのお問い合せはこちら)
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「民間の犠牲やむなし」防衛省幹部のクラスター爆弾発言 沖縄戦の悲劇の反省なし

2007年05月26日 17時16分18秒 | 平和憲法9条

田母神空幕長

    ↑クラスター爆弾略図(詳しくは上のイラストをクリック)

あの沖縄戦での住民犠牲を忘れたかのような発言に驚いた。

田母神空幕長の発言。
「クラスター爆弾で被害を受けるのは日本国民。国民が爆弾で被害を受けるか、敵国に日本が占領されるか、どちらかを考えた時、防衛手段を持っておくべきだ」
「民間の犠牲やむなし」ととれる発言だ。

<クラスター爆弾>禁止条約結論出ず 日本は孤立 リマ会議

5月26日11時30分配信 毎日新聞より

 【リマ大治朋子、澤田克己】不発弾が市民を無差別に殺傷しているクラスター爆弾の禁止条約作りを目指しペルー・リマで開催されていた「クラスター爆弾禁止リマ会議」は、禁止対象をめぐる意見の隔たりが大きく、条約について結論が出せないまま25日、閉幕した。会議では各国が「不発率の極めて高い旧型のクラスター爆弾は廃棄すべきだ」との共通認識を相次いで示したが、日本は「廃棄するかどうかは今後の議論」と指摘するなど、日本の認識の孤立化が鮮明になった。
 また、日本の防衛省幹部らがクラスター爆弾について国民が被害を受けても「防衛上必要」とした発言について参加者から批判が相次いだ。
 会議では禁止対象について、全面禁止を提唱するノルウェーなどと、不発率が低い改良型は当面使用を認める独英仏などに立場が分かれたが、いずれの側も不発率が1%程度以上の種類は「廃棄すべきだ」との共通認識を示した。独代表団は「不発率1%以上なら廃棄すべきだというのが、リマ会議に参加した国の共通認識」と語った。英独カナダは既に旧型の廃棄を予定している。
 日本は会議の席上「人道面と安全保障面のバランスを考慮しつつ対処することが重要だ」と指摘。敵の着上陸侵攻などを想定し同爆弾が必要との立場を改めて示した。さらに、旧型の廃棄について「各国の置かれている状況は違う」と取材に答え、共通認識とはいえないとの考えを示した。
 一方、田母神俊雄・航空幕僚長が「不発弾による(日本人の)被害も出るが占領される被害の方が何万倍も大きい」と同爆弾の必要性を強調した点について、同会議に出席していた英国のエルトン上院議員は「日本国内で使えば市民の犠牲は免れない。軍の論理より民間人への犠牲を最大に配慮すべきだ」と疑問を呈した。また非政府組織(NGO)の連合体「クラスター爆弾連合」のコーディネーター、トーマス・ナッシュ氏は「信じがたい発言。日本を占領できるほど軍事力を持つ敵だったら、クラスター爆弾程度で撃退できるわけがない」と語った。
 日本は不発率が4~20%以上とされるクラスター爆弾を陸空両自衛隊で保有している。※

最終更新:5月26日11時39分
毎日新聞

※クラスター爆弾:航空自衛隊は1987年度から16年間かけて数千発、計148億円分購入。
写真はキティホーク上のクラスター爆弾(ロイター)


以下は朝日COMより
「クラスター爆弾は防衛に必要」 空幕長が明言

2007年05月26日02時51分

 クラスター爆弾について、防衛省の田母神俊雄(たもがみ・としお)空幕長は25日の定例会見で、「日本は島国で海岸線が長く、クラスター爆弾は防御に有効」と述べ、防衛手段として必要だという考えを示した。

 クラスター爆弾は親爆弾の中に多数の子爆弾を含んでおり、不発の子爆弾が地元の市民に被害を及ぼすと指摘されている。自衛隊では現在、航空自衛隊と陸上自衛隊が保有している。

 日本では、クラスター爆弾を上陸してくる敵を海岸線で防ぐために使うことが想定されている。田母神空幕長は「クラスター爆弾で被害を受けるのは日本国民。国民が爆弾で被害を受けるか、敵国に日本が占領されるか、どちらかを考えた時、防衛手段を持っておくべきだ」と述べた。

 久間防衛相も同日の閣議後会見で、「攻撃されて蹂躙(じゅうりん)されるか、守り抜いた後で不発弾処理をした方がいいか。今の技術レベルだと、私は後者だと思う」と述べた。

血洗島でオオサンショウウオ! 「風の庭」の近くではないか。

2007年05月26日 06時21分30秒 | 地球の不思議・宇宙の不思議
(竹徳さんが仕掛けた網に入ったオオサンショウウオ=深谷市血洗島で:朝日COMより)

まさか、こんな近くにオオサンショウウオがいたとは・・・!(かつては食用だったことも今回知った。どんな味だったんだろう?))

移入種チュウゴクオオサンショウウオの可能性もあるので、役所は手間取っているのだろう。なんとか生存してほしいものである。

以下コピペ

2007年05月26日01時25分  朝日COMより
仕掛けた網にオオサンショウウオ 引き取り先どうなる?

 埼玉県深谷市矢島の小山(こやま)川で全長約130センチのオオサンショウウオが見つかった。日本産なら国の特別天然記念物になるが、外国産なら種の保存法の手続きが必要で、「国籍」が判明しないため引き取り先が決まらず、発見者が世話をしている。


高橋竹徳さんが仕掛けた網に入ったオオサンショウウオ=深谷市血洗島で

 オオサンショウウオを見つけたのは同市血洗島の無職高橋竹徳さん(66)。20日、田園地帯の小山川(水深約1.3メートル)に仕掛けた直径約60センチの網に入っていた。引き揚げた時、動かなかったため、自宅に持ち帰り、羽生市のさいたま水族館に届けたという。

 同館によると、同館が把握している限りで県内でのオオサンショウウオの発見は4例目という。日本産であれば、移動が禁じられており、文化庁が対応を協議する。

 自宅の水槽で面倒を見ている高橋さんは「びっくりした。まさかこんなものが入っているとは。死んでしまっても困るので、早く行き先が見つかってほしい」と願っている。

>メモ:血洗島という地名については渋沢家の人々を参照。
(※皿洗島ではありません!)

>オオサンショウウオについては絶滅危惧種をクリック。

>風流な蕎麦屋「風の庭」も近い。

古川修著『世界一旨い日本酒 熟成と燗でやる本物の酒』(光文社新書)

2007年05月26日 00時17分39秒 | 読んだ本・おすすめ本・映画・TV評
著者はまえがきで「日本酒を本当に美味しく飲む方法がある。」それは「生酒を常温で保管」することだと臆面もなく述べる。
そして、その常温で保管している酒を味見すると味乗りして美味しくなり、燗をすれば極上の旨さを味わえるといい、さらにとっておきの飲み方は「燗冷まし」だとまで言い切る。かなりの自信家と看た。
本書の結論も第1章に書いてある。すなわち

「しっかりと造られた日本酒を熟成させ、それを燗にして飲む。そして、料理と合わせる。これぞ、本物の日本酒の味わいを十分に引き出す飲み方だ。」

一般に言われている常識とはまったく正反対で、酒は冷蔵庫で保管が当然と思う私などは面食らってしまう。
冷蔵庫から出して栓を抜いたら早く飲まないとだんだん味が悪くなって・・・そのうち酢になってしまうと思う人が大半なのだから。酒店や居酒屋でもそれ(冷蔵庫で保管・開栓後はすぐに飲む)は一種の信仰に近いくらい何の疑問も持たずに行なわれている。

ただし、この常温・熟成には一つだけ条件があって
著者によれば「その酒がしっかりと造られている」ことが大事なのだ。
しっかりとした酒は熟成にも耐えるという。
しっかりと造られていない酒は常温では劣化が激しく、冷蔵庫などで冷やして保管するほかない。
では、しっかりとしたつくりの酒とはどんな酒のことを言うのだろう?

こんな具合に本書は進んでいく。

「日本酒は新しいうちに飲むものだという固定観念が、美味しい飲み方の普及促進を妨げている。」そういった現状への憂慮が著者をして本書を書かせたのだろう。

さて、しっかりとしたつくりの酒だが著者によれば
「麹と酵母がいい仕事をして、アルコール発酵の過程が完全な酒のことを言う」のだそうだ。
では、完全な発酵とは?      と、まるでナゼナゼ問答になってしまうが
ここで、日本酒の醸造法を簡単におさらいしておこう。

ワインなどはもともと糖分を含んだブドウにただ酵母を加えてやるだけでアルコール発酵が始まる。これに対して、日本酒の原材料である米は糖分を持っていない。米の大半はデンプン質が占める。(たんぱく質もあるが)このデンプンを糖分に変えてやるのが麹なのだ。そして、この麹の働きによって作られた糖分を、酵母が食べて、はじめてアルコール発酵が行なわれる。ちょっと複雑なのだ。この麹と酵母の働きは同時に行なわれるため「並行複発酵」と呼ばれる。この複雑な過程がワインとは異なる日本酒独特の深みのある旨味を醸すのだと著者。
      
「麹がしっかりと米の内部に入り込んで育ち、その結果、醪(もろみ)の過程でしっかり糖分を作り、その糖分を酵母がしっかり食べてアルコールを作ることが、いい酒の条件となる。」(本書P17より)これは手間隙のかかる作業の連続で、かなりの覚悟が必要だ。なぜなら、もっと楽に酒を造る方法も実際にはあるからだ。吟醸ブームがそれで「吟醸の華やかな香は口に含んだときはわかりやすいが、しっかりとした造りを意識せずに醸造できる。香りの出やすい酵母を使えば、その他の醸造工程は手を抜くことが可能なのだ。」(P18より)という。
その結果、「吟醸酒で華やかな香りはあるが造りがやわい酒や、淡麗にするために過度の炭ろ過をして味がなくなった酒が何故か主流になっている。」のが今の日本酒の実情だと説く。

これは、目からウロコである。

では、しっかり熟成した酒とそうでない酒をどう見分けるのか?
簡単な方法を著者は紹介している。
(1) 燗をしてみること。これでくずれないこと。常温よりもバランスがよくなるか見てみること。
(2) 燗冷ましにして試してみること。これで(1)より味のバランスがよくなっていれば「しっかり熟成酒」
 さらに確実性の高い方法として
(3) 開栓して常温で放置しておき、翌日になったら味の変化を確かめる。空気に触れて味の乗りがよくなり、飲みやすくなっていれば、しっかりとした造りといえる。

こんな、常識外れのようなことをしてどうして酒が劣化しないのか不思議でならない。

この疑問に対する著者の答えは明解であった。

「それは逞しく育てられた優良酵母によって、完全にアルコール発酵が行なわれているからだ。」
「逞しい酵母はきちっとした仕事をしてくれて、麹の作った糖分を完全にアルコールに発酵させる。」
「完全発酵した酒は、周りの雑菌に置かされにくい。従って、常温で置いても、開栓して空気に触れさせても、劣化が少なく、味乗りが勝って美味しく熟成していく」のだそうだ。」(P21より)

本書では具体的な銘柄を挙げながら、料理に合うおすすめの日本酒も登場するが、続きは本書を手にしてのお楽しみとしたい。

※ちなみに本書は酒博士として名高いOQ氏絶賛本であることを付記しておく。

利根川に架かる橋(後編) 利根川スケッチ(8)

2007年05月25日 05時51分36秒 | 利根川を歩いて海へ行こう!
上はJR常磐線橋梁。

栄橋。河口ではもっとも短い橋ではないでしょうか。ここまで歩いて来て一番短かったです。普通の橋って感じかな。しかし、

栄橋から木下に出ると景色は一変します。河口らしい景色が広がり気持ちがゆったりしてきます。

若草大橋。まだ、完成したばかりの新しい橋でした。

しかも有料なのでガラガラ。有料と知って途中で引き返す車もいました。

長豊橋。赤い3つのアーチが美しいですね。国道408号線です。

どうも、近くに有料橋があるせいかこちらは混んでました。というかもう成田空港がすぐ近くなんです。
この付近を歩いている間ひっきりなしに上空をこんなのが飛んでました。かなりの低空で着陸態勢に入るんでしょう。車輪もよく見えます。すごい迫力。グウォーンという音が響き渡ります。これじゃ住んでる人たちは一日中うるさいでしょうね。

常総大橋。よく見ると「常総大橋」と書いてあります。わかりやすいですね。(写真は小さいので読めないかも?)

あと55キロの看板が嬉しかったです。GO、GO!って♪

神崎大橋。赤い3つのアーチがあって、あれれ?さっき通った橋に似ているなあと思いました。長豊橋にそっくりでした。でも、車の通行量はかなり少ないです。

橋の下は涼しくてオアシスです。靴を脱いで足を冷やします。

水郷大橋。ユニークな吊り橋です。斜張橋というそうです。(社長じゃないよ。)隅田川の新大橋もこの形状だった。(あと、船堀橋から葛西ジャンクションへ向かう中央環状線の葛飾ハープ橋も。)

JR鹿島線の鉄橋。鹿島神宮が終点なんですが、サッカーの鹿島アントラーズの本拠地(鹿島スタジアム)で試合が行われるときは、臨時にサッカー場まで電車が行くそうです。

本数はそう多くはありません。珍しく電車が通ったのでカッシャしました。

東関東自動車道利根川橋。同じ高速道路でも東北道や常磐道に比べると走っている車の数はかなり少ない。

これは高速道路に付随した自転車と歩行専用通路です。たいへん珍しい。もちろん無料。東北道にも常磐道にも付いてなかった。あると便利。

小見川橋遠望。緑色の6つのアーチが特徴。

夕暮れが近い。家路を急ぐ車の往来。

利根川大橋。河口堰とも呼ばれます。3つの川(利根川、常陸利根川、黒部川)がここで合流。ここ(水門)で淡水と海水を仕切っています。

かもめ大橋。残念ながらかもめは飛んでいませんでした。

下から見るとスターデストロイヤー(映画スターウォーズ4の冒頭)登場シーンを想起します。

いよいよ最後の橋。銚子大橋です。なにやら工事中。

老朽化したのと道巾を広げるために架け替えるのだそうです。橋の上は大渋滞でした。

大きな橋です。向こう側は太平洋です。あ~、やれやれ。

驚いた!「プロトタクスアイティーズ」 4億年前の化石は巨大キノコ 150年論争に決着   

2007年05月24日 17時59分01秒 | 地球の不思議・宇宙の不思議
(上の写真)菌類と結論付けられた巨大生物の化石=サウジアラビアで、米シカゴ大提供

以下は朝日COM(2007年05月24日13時25分)より

 約3億5000万年前に絶滅した奇妙な巨大生物はキノコのような菌類の仲間だったと、米国のシカゴ大や自然史博物館などの研究チームが米誌「ジオロジー」の5月号に発表した。約150年前の発見以来、その正体をめぐって論争が続いていたが、「これが最終決着」としている。

 「プロトタクスアイティーズ」と呼ばれるこの生物が初めて報告されたのは1859年。約4億年前の地球上に広く生息していたとみられており、高さ6メートル以上もある木の幹のような形をしていた。当初は植物だとも考えられたが、その後は地衣類、藻類、菌類などとする意見が出て、正体ははっきりしていなかった。

 研究チームはカナダやサウジアラビアなどで見つかった化石の内部構造を顕微鏡で詳しく観察。さらに化石に含まれる炭素の同位体を調べて、光合成をする植物とは異なる特徴を見つけ、菌類だったと結論づけた。

 当時はこれを食べる動物もおらず、胞子を遠くへ飛ばすために巨大化したとみられる。チームは「今の時代には、想像することさえ難しい生物だ」としている。

>約4億年前の地球上に広く生息していた
>高さ6メートル以上
>今の時代には、想像することさえ難しい生物
        ↓
こんなバカでかいキノコがあちこちに生えてたなんて、ぜひ見たかった!(タイムマシンがあればなあ・・・。)

>当時はこれを食べる動物もおらず
        ↓
これを食べる巨大ナメクジでもいれば面白かったろうなあ。
やっぱり、食べてもらうしと(人)がいないとキノコって滅びちゃうんだ!

オ・サムさん、あんたは偉い!
食べてもらって、キノコ達も大感謝だってことが、この記事読んでよくわかりました。

利根川に架かる橋(前編) 利根川スケッチ(7)

2007年05月24日 06時20分43秒 | 利根川を歩いて海へ行こう!
上の写真はスタート地点に架かる昭和橋。
五つのアーチは五色に塗り分けられていてこれこそが「本物のレインボウブリッジ」と称える人も多い。群馬県と埼玉県を結ぶ。
ここから銚子まで29もの橋が架かっています。5キロに一本はある計算です。

東武伊勢崎線の鉄橋。ちょうど特急電車が通過するところ。

東北自動車道の利根川橋梁。8.26はこの橋を渡って太鼓さん達がG県T市にやってまいります♪橋の下はのどかだねえ。

恐怖の埼玉大橋。恐かったのは私だけではありませんでした。自転車で渡ったmasaさんは「右に倒れれば車道で車に轢かれるて轢死、左は鉄柵があるものの、落ちれば地上何十mの高さで転落死。」と語っています。
Bicycle Diary 埼玉大橋をクリック。

東武日光線の鉄橋。快速電車が通過中。埼玉県栗橋町。

JR宇都宮線の鉄橋。最近ではこの橋を渡って栃木市で東武日光線に乗り入れそのまま東武の日光駅に到着という列車もあるそうです。

国道4号が走る利根川橋。茨城県古河市と埼玉県栗橋町を結んでいます。

現在、架け替え工事中。

東北新幹線の利根川橋梁。ちょうど新幹線がすごい勢いで走ってました。

新利根川橋。渡り終えて茨城県境町側から見たところ。

境大橋。

車道と歩行者の橋が完全分離で安全、安心でした。

すぐ近くに道の駅があります。

下総利根大橋。有料なので通行する車も少なめでした。

芽吹大橋。千葉県野田市と茨城県坂東市を結んでいます。

常磐道利根川橋。下り線はGW渋滞してました。

渋滞の真下は涼しい日陰。ここで一休み。

2005年開通したつくばエクスプレス。秋葉とつくばを最短45分で結びます。6両編成なんですね。

左が常磐道、右はつくばエクスプレス線の橋梁。満開の菜の花に気持ちがほっとします。

新利根大橋。これも有料道路。

国道6号が走る大利根橋。茨城県取手市(遠景は取手市街地)と千葉県我孫子市を結ぶ幹線道路です。(後編へ続く。)

2004年12月26日 の朝見た夢  明け方6時頃

2007年05月23日 18時53分17秒 | 
2年以上前に見た夢だ。(日記より転載)

寒い地方。コサック帽をかぶった衛兵が立ち並ぶ回廊をひたすら歩いていくと右側の衛兵の列に見なれた顔が。太ってはいるが高校時代の友人K内君に間違いない。「K内君」と声をかけるが応答がない。「こいつ、とぼけちゃって」とその太った身体にまとった防寒コートを指で突っ突いてみたがやはり反応はない。

ここで場所が一転して東南アジアの路上をジープで走っている。運転手はその地方の少年。まさしくアジアの少年である。遠くにテーブルマウンテンが細く高くそびえる。カメラにおさめようと運転手の少年に声をかけるがブレーキが利かないらしく、いいカメラアングルの場所は通り過ぎてしまい、テーブルマウンテンは民家に隠れてしまった。ふと頭上を見上げると考えられないくらい巨大な入道雲スコールの雲がゴムの氷嚢のようにみるみる膨らみ空を暗く覆う、その雲の表面のイボイボ状の凹凸が茶色くなんとも無気味である。氷嚢はさらに膨らみはち切れんばかりとなった。あれが破裂するととんでもない量の水が落ちてくることは必至だ。目を凝らしてみるとゴム毬と化したその表面にはなにやら文字がびっしりと書き込まれているではないか。まったく判読不明の文字である。日本語でも英語でもない。気がつくと大きな崖の下にジープは停まっていて、小さな小屋が目の前にあった。思わず小屋に飛び込むと同時にバケツを引っくり返したような激しい雨というより水の塊が落ちてきた。雨宿りしているところで目が覚めた。


ちょいといい話2

2007年05月23日 07時56分07秒 | 歩く印象派
自販機でヤマガラのひな、すくすく 山口・秋芳町

2007年05月23日06時17分asahi.com

 山口県秋芳町の秋吉台ユースホステルで、瓶ジュース自動販売機にヤマガラが作った巣の中でひながすくすくと育っている。約12年前まで使ったあと敷地に置いたままにしていた自販機の王冠をためる穴が巣。5羽のひながいる。

自販機の我が家に餌を運んでくる親鳥=山口県秋芳町で


自販機内ですくすくと育つヒナ=山口県秋芳町で

 ユースホステルを営む猶野(なおの)和則さん(69)によると、10日ほど前に孵化(ふか)した。穴は縦5センチ、幅12センチ、深さ20センチ。親鳥が餌を運んでくるとひなが黄色いくちばしを開けておねだりする。毎年、子育てをする鳥が見られていたが、中に積まれた枯れ葉や綿が高くなってひなの顔が見えるようになったらしい。

 猶野さんは「毎年楽しみ。今月中には巣立つでしょう」。

>前回(ちょいといい話)は、親鳥がカゴの外のエサを口移しで与える大阪の小スズメ救出の話だったが、今回は使われなくなった自販機で5羽のヒナが育っているという。
そういえばRESANDO氏の近所のシジュウカラの巣とヒナたちはその後どうなったであろう?