All Things Must Pass

森羅万象 ~ 歩く印象派

放射能と暮らす(2)洗濯のり使い自宅除染

2012年01月12日 21時42分09秒 | 時事スクラップブック(論評は短め)

読売新聞(放射能と暮らす(2)洗濯のり使い自宅除染 )

Tweet ThisSend to Facebook | by:子ども福島
9歳、1歳の2人の子どもを持つ福島市の主婦A子さん(36)は、自宅や周辺の放射性物質を取り除く「除染」に取り組んでいる。
 放射線に不安を抱く親が立ち上げた「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」の会合に参加し、京都精華大教授(環境学)の山田国広さんらが作った「放射能除染・回復プロジェクト」の活動を知った。
 5月中旬、自宅の中や庭の放射線量を山田さんらに調べてもらった。雨水が流れ込む雨どいの下は毎時60マイクロ・シーベルトあった。国が定めた校庭の活動基準(毎時3・8マイクロ・シーベルト)より、はるかに高い。
 雨どいの下の土からは避難区域に匹敵する高い濃度の放射性物質が検出された。
 「子どもたちの健康への影響が心配」と翌月、山田さんの指導で、雨どいの下など放射線量の高かった場所の除染を行った。
 ホー スで水を勢いよく当てて洗い流す高圧洗浄は、効果に限度があるうえ、洗い流した水が別の場所に流れる問題がある。そこで山田さんが除染に使うのは、 PVA(ポリビニルアルコール)の成分表示のある洗濯のりや、でんぷんのりだ。液体や粉タイプがあり、100円ショップやホームセンターで入手できる。
 住宅の壁など表面が固い場所は、はけで塗り、土壌には液体をひしゃくでまく。園芸用シートやガーゼのふきんをかぶせて数時間おき、壁の表面にできた膜をはぎとり、固まった土を取り除く。砂利を敷くと、さらに放射線を遮る効果がある。
 A子さん宅の雨どいの下の放射線量は、この作業の結果、毎時1マイクロ・シーベルト以下に減った。
 その後も休日を利用して、夫(39)や母(56)が30坪ほどの庭の芝生をはがしたり、砂利を敷いたりと少しずつ除染を進めている。
 取り除いた土や芝生の処分先が決まっていない問題もある。「最終的には東京電力や国が引き取るべきだ」と思っているが、現在は麻袋に入れ、庭に穴を掘って埋める。もう50袋になった。
 家の壁や屋根も除染したいが、足場を組むだけで20万円かかる。「土やほこりによる被曝
ひ ば  くも心配。国が責任をもってやってほしい」と憤る。
 山田さんは「市民自らが身の回りのどこに放射線量が高い場所があるかを知り、除染を行うことは、放射能から身を守るために重要」と話す。「放射能除染マニュアル」を作成し、ホームページで公開している。
(2011年8月9日 読売新聞)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿