福島県伊達市内で2011年5月26日に採取したウメから暫定規制値を上回る放射性セシウムが検出されたと、同県が発表した。規制値1キロ当たり500ベクレルのところ580ベクレルだった。
果樹から規制値を上回る放射性物質が検出されたのは初めて。県は伊達市に出荷自粛を要請した。まだ市場には流通していないという。
福島県伊達市内で2011年5月26日に採取したウメから暫定規制値を上回る放射性セシウムが検出されたと、同県が発表した。規制値1キロ当たり500ベクレルのところ580ベクレルだった。
果樹から規制値を上回る放射性物質が検出されたのは初めて。県は伊達市に出荷自粛を要請した。まだ市場には流通していないという。
読売新聞 5月30日(月)11時31分配信
最終更新:5月30日(月)11時31分
東京電力福島第1原子力発電所の事故で、保管していた核燃料の問題がクローズアップされた。
政府は使用済み核燃料を再処理して再び燃料とする「核燃料サイクル」を進めてきたが、肝心の再処理施設は稼働が遅れに遅れ、最終的な処分場も 決まらぬまま、使用済み燃料がドンドン貯まる一方だ。今回の事故がこれに影響を与えるのは確実で、「トイレのないマンション」ともいわれる原発の弱点が改 めて問題になっている。
福島では、原発の建屋の上の方にプールがあって、そこに使用済みや定期検査中に一時取り外した燃料棒が水につかって保管されていた。
今回の事故で、この事実を知った国民がほとんどだろう。これが損傷し、大量の放射性物質を放出しかねない危険な実態が白日の下にさらされた。
それ以上に問題なのは、その先の使用済み燃料の処理だ。原発内で温度を下げた後の燃料は、電力会社などが出資する日本原燃(青森県六ケ所村) に運ばれる。ここの再処理工場で溶解され、取り出したプルトニウムはウランと混ぜて「MOX燃料」に加工して通常の原発で再び燃料として使用する「プル サーマル」を進めることになっている。
しかし、再処理工場は試運転を始めたものの、トラブルが続発して完成は20回も延期され、稼働予定は当初の1997年の予定から遅れに遅れて 2012年10月予定にずれんでいる。このため、福島第1(2号機)、九州電力・玄海、四国電力・伊方の3原発で海外製のMOX燃料を使い始めているとこ ろだ。
そんな状況だから、使用済み燃料は貯まる一方だ。再処理工場内の一時貯蔵施設は容量3000トンのうち2800トン余りが埋まっていて満杯に 近い。東電などが中間貯蔵する備蓄センター(3000トン規模)を青森県むつ市に建設中で、2012年7月完成予定だが、事故を受けて地元が受け入れる か、懸念する声が出ている。再処理工場が稼働しなければ、備蓄センターがなし崩し的に最終的な貯蔵場所になりかねないからだ。
そうなれば、原発にそのままため込んでおくしかないが、原発内のプールや貯蔵設備もそう余裕はない。容量に対して、2010年秋時点で平均66%が埋まり、猶予は5年程度といわれる。
菅直人首相は2011年5月17日に、共産党の志位和夫委員長と会談した際、核燃料サイクルについて、
「再処理施設に持っていくサイクルが機能しない状況になっている。それも含めてエネルギー基本計画を白紙から見直したい」と表明したという。 「プルサーマル」はエネルギー資源に恵まれない我が国のエネルギー政策の根幹とされていたが、根本的に見直すしかない状況に追い込まれている。
東日本大震災との関連が指摘される平安時代の869年に起きた貞観地震による津波につい て、女川原発(宮城県)の2号機増設の調査をしていた東北電力が1990年、津波が残した砂などの分析から、原発近くの仙台平野では海岸線から3キロ程度 が浸水する大規模な津波だったとの調査結果をまとめていたことが30日、分かった。当時、論文をまとめた阿部壽・ 東北電元常務は「原発でこうした調査をした例は、当時は聞かなかった」としている。女川2号機の津波想定はこうした調査などから高さ9・1メートルとされ た。東北電は、今回の地震で高さ14~15メートルの津波が直撃した東京電力福島第1原発の近くの福島県内に浪江・小高原発を建設する計画を68年に発 表。ここで津波の調査をすれば、福島第1原発などの危険性も判明した可能性があったが、地元の反対が強いことなどから実施していなかった。
>「地元の反対」とあるが具体的にはどんな「地元」の方たちだったのだろうか?
反対した地元民の現在の見解が聞きたい。
この話は現在稼動中の他の原発立地の「地元」の方たちへの戒めでもあります。
警戒区域や計画的避難区域内にある森林組合
毎日新聞 5月29日(日)19時32分配信
東京電力福島第1原発事故で、警戒区域や計画的避難区域内の森林を管轄する森林組合が存続の危機に立たされている。山林は土壌改良が難しく、放射性物質 の汚染による作業休止が長期化する恐れがあるからだ。休業が長期化した場合、山が荒れて土砂崩れが多発するなど、防災上の問題を引き起こす危険性もある。 5月末で休業する福島県の飯舘村森林組合の幹部は「作業員が離職すれば、休業明けに林業に戻るかも分からず、事業再開も難しい」と苦境を訴えている。
福島県や県森林組合連合会によると、両区域に指定された11市町村には約13万8000ヘクタールの森林が広がり、多くは五つの森林組合が管理する。放射線の影響を考慮し、区域内の山林での屋外作業は行っていない。
このうち飯舘村で山林約7200ヘクタールを管理する飯舘村森林組合は、4月22日に村全体が計画的避難区域となり、国から屋外作業を控えるよう指示さ れたことから、事業継続は困難と判断。近く、職員11人と森林作業員約15人の大半を休職させて休業に入る。相良弘組合長は「間伐などの作業ができない状 況が1年以上続けば下草が伸び、植林したばかりの若木が日光不足で弱るなどして山が荒れ、木々が順調に育たない」と指摘する。
さらに、放射性物質による深刻な土壌汚染を懸念し、「農地と異なり、土壌改良は難しいだろう。避難区域が解除されても、山林は放射線量が高くて作業でき ないかもしれない」。作業員の中には林業を辞める人もいるといい、「事業を再開しても、避難先で新たな職を得た人が林業に就くか分からない。人員確保が難 しくなり、山の管理が十分にできなくなるのでは」と危惧する。
双葉地方森林組合も管理する森林約3万1000ヘクタールの多くが原発から30キロ圏内にある。組合事務所は富岡町から約40キロ離れた田村市に移転 し、作業員約80人も県内外に散り散りに避難した。秋元公夫組合長は「作業が再開すれば戻りたいという作業員もいる。仕事は大幅に減るが、なんとか組合を 維持したい」と話す。
一方、田村市内の森林の一部が屋内退避区域から、屋外作業が可能な緊急時避難準備区域に変わり、25日から作業を再開したふくしま中央森林組合の職員や 作業員からは「作業中に屋内に緊急避難するのは難しい」との不安の声が上がっているという。作業は主にドアや窓を閉めた林業用の重機に乗って行うものに 限っており、今後は現場責任者に放射線量の測定器を持たせて安全確認する方針だ。
県森林組合連合会は県内の他の組合の仕事を回して5組合を支える方針。林野庁は山林の汚染状況を調査する予定だが、具体的な除染対策は見通しが立たず、「当面は東京電力の賠償金や国の支援を活用して事業継続の努力をしてほしい」としている。【桐野耕一】
原子力発電の賛否など青森県民意識 記事「青森県内「原発中止を」48% 朝日新聞世論調査」より
2011年5月29日23時26分朝日COM
朝日新聞社が28、29の両日実施した青森県民対象の世論調査(電話)によると、県内で建設中の原子力発電所2基について、「建設を中止するほうがよい」という人が48%を占め、「建設を進めるほうがよい」の25%を上回った。
県内では下北半島で電源開発の大間原発と東京電力の東通原発1号機の計2基が着工しているが、東日本大震災をうけて工事は中断している。
県内には東北電力東通原発1号機や核燃料サイクル施設がある。これに伴い「県民が受ける利益と不利益では、どちらが大きいか」と聞くと、「利益のほうが 大きい」が43%で、「不利益」32%を上回った。施設が集中する下北半島を中心とする地域では、利益51%、不利益26%で利益のほうが大きいと感じて いる人が多い。