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森羅万象 ~ 歩く印象派

「中東の笛」 毎日新聞2008年1月11日社説より

2008年01月12日 21時36分47秒 | 時事スクラップブック(論評は短め)
毎日新聞 2008年1月11日 東京朝刊

社説:ハンドボール アジアに深い亀裂を残すな

 国内でハンドボールがこれほど注目を集めたことがあっただろうか。国際ハンドボール連盟(IHF)は10日、北京五輪アジア予選をIHFの管理のもと、東京でやり直すことを決めた。昨年の予選を主催したアジア・ハンドボール連盟(AHF)は再試合を拒否しており、予断を許さない状況だ。

 昨年の予選は男子が9月に愛知県豊田市で、女子は8月にカザフスタンで行われた。男子はクウェート、女子はカザフスタンが優勝し、五輪出場権を得たが、白紙に戻される。

 アジアのハンドボール界では、以前から「中東の笛」という言葉が日本や韓国など東アジアの国々の間でささやかれていた。AHFのアーマド会長を擁するクウェートをはじめとする中東諸国との試合は近隣国の審判が担当し、中東諸国寄りの偏った判定をすることを指した言葉だ。

 男子予選を主管した日本協会は、審判を巡るトラブルを回避するため、欧州から審判を招いていた。ところが韓国対クウェート戦では試合直前にAHFは予定していた欧州審判からヨルダンの審判に差し替え、日本対クウェート戦もイランの審判に変更された。

 両試合ともクウェートに有利な「疑惑の判定」が続出。スタンドからペットボトルが投げ込まれるなど審判に対する抗議が相次ぐ騒ぎになった。

 大会後、日韓両国協会は疑惑が持たれるシーンをDVDにまとめ、IHF役員や国際オリンピック委員会に送り、今回の予選が審判の不公正なジャッジのもとで行われたことを訴えた。IHFも「中東の笛」の存在を認めたことになる。

 審判の公正さが保証されていなければスポーツは成り立たない。「ハンドボールというスポーツの尊厳を守りたかった」(市原則之日本協会副会長)という日本の主張は理解できる。

 ただ、問題がないわけではない。「中東の笛」が長年にわたりささやかれていたのなら、審判の技術を向上させ、不明朗さを排除する努力をアジアのハンドボール関係者はどれだけ重ねてきたのだろう。

 五輪予選という注目の集まる大会で上部団体に「証拠」を送りつけて事態の改善を図る手法は、スポーツ人としてほめられたやり方ではない。まして、やり直し大会の開催地に、中立国ではない日本が名乗りを上げたのは疑問が残る。

 アーマド会長はアジア・オリンピック評議会の会長でもある。今回の問題の処理を誤ると、中東対東アジアの対立がハンドボールにとどまらず、アジアのスポーツ界全般に深刻な亀裂を残す危険性もはらんでいる。

 AHFには冷静な対応が求められるし、日韓両協会も中東のスポーツの仲間を必要以上におとしめ、追い詰めることがないよう、配慮する必要がある。

藤竹 暁 (著)『事件の社会学―ニュースはつくられる 』(中公新書) (1975年) その4

2008年01月12日 12時43分13秒 | 読んだ本・おすすめ本・映画・TV評
(その3― オリジナルとコピー ―からの続き)
― 中略 ―
 従来、ジャーナリズム論あるいはマス・コミニュケーション論においては、実際の事件や出来事と、マスコミが報道するニュース(ないしは「状況の定義づけ」)はオリジナルとコピーという対比で論じられてきた。いうまでもなく、実際の事件はオリジナルであり、ニュースはそのコピーである。すべての人間がオリジナルである「現実環境」(事件)に対して、つねに現場に居合わせるという関係に立つことはとうてい不可能である。しかし、その事件(「現実環境」)が現場に居合わせる機会をもちえない人びとにとっても重要な意味をもち、彼らの生存に対して何らかの、あるいは重大な影響力をもっているとすれば、事件は伝えられなければならない。

 事件をそっくりそのまま場所を移し、そして再現することは不可能であるから、それを何らかの形で記録して再現することが必要になる。人間は彼が直接的に接触することのできる範囲(「間接的環境」)に、生きているからである。しかし、間接的環境において生じた事件は、自分で確かめることができないから、どうしても他人を媒介とすることによって、間接的に、ないしは代理的にしか接触しえないであろう。

 人間は他人が定義づけた(他人がとらえて解釈した)環境像によって、自分の環境を確定しなければならない運命の下に立たされている。社会生活が人間相互の環境の定義づけの交換から成立するかぎり、「現実環境」を模写し、それを記号化した環境へと変換する作業が必要になってくる。これがオリジナルに対するコピーであり、事件に対するニュースである。つまり、間接的環境に関しては、人間は他人がシンボルを操作することによって作りあげる「状況の定義づけ」に、大きく依存せざるをえないのである。

― 中略 ―
 いったい、われわれにとって「見ているもの」「知っているもの」とは何であろうか。われわれは、実際のところ、そのほとんどすべてを、自分自身の目や耳で、確証してはいないのである。第一に、われわれは、マスコミによって報道されているから、マスコミによって、それを「見たから」「知ったから」、それは「リアル」であると考える。第二に、自分一人ではなく、多くの人々が同様に「見た」「知った」といっているから、それは「リアル」であると考える。第三に、したがって、われわれが「リアル」であると考えているものの多くは、実際にオリジナルに接して確かめたものではなくて、つまり「自分自身の手になる状況の定義付け」ではなくて、「他人の手による状況の定義付け」の産物である。第四に、さらに、この「他人」は特定の人間であるよりも、マスコミ一般であり、あるいは、社会一般という漠然とした、そして曖昧な主体しか見い出だせないような事態にわれわれは立っているのではないか。現代人は、共通の定義付けではあるが、その定義付けの主体は「匿名」であるような事態の下で、「見た」と信じ、「知った」と確信しているのである。現代人は、はるかかなたから、部分的で断片的な環境イメージを手がかりにして、薄闇の向こうにある「現実環境」を、何とかして見ようと努力しているのである。(その5へ続く)

H5N1 鳥インフルエンザ、日本で64万人死亡も 中国で人に感染

2008年01月12日 07時28分06秒 | 時事スクラップブック(論評は短め)
1月11日21時35分配信 産経新聞

 中国で10日、鳥インフルエンザの人から人への感染例が初めて確認されたが、このウイルスが人に移りやすく突然変異して「新型インフルエンザ」として上陸したら、どうなるのか。日本では64万人が死亡し、経済的にも損害が約20兆円に達すると未曾有の被害が予想されている。一部企業は極秘で対策を進めているが、欧米系企業と比べ、大半はまだ危機管理の意識が薄いようだ。(津川綾子)
 鳥インフルエンザが人から人に感染し死者が出たのは、これまで東南アジアを中心に数例報じられていた。中国衛生省が10日、南京市の男性が、鳥インフルエンザ(H5N1)に感染・死亡した息子から感染したと発表。専門家の間では鳥インフルエンザが人に感染しやすく変異した「新型」の発生が時間の問題といわれており、日本上陸も現実味を帯びてきている。
 実は、日本でも最悪のケースを想定して、シミュレーションがされている。
 《1人のビジネスマン(東京在住)が海外出張先で鳥インフルエンザの「新型」に感染して帰国。だが、感染に気づかず電車で会社に通勤した場合、帰国から10日目には首都圏で22万4000人が感染。京阪神にも飛び火し、2万4000人が感染する》
 国立感染症研究所はこのように、人に免疫がない「新型」がまたたく間に全国へと広がると予測。厚生労働省は国内で1人の発生から2500万人が感染して病院に行き、約2カ月で64万人が死亡すると推計している。
 外資系企業では、従業員対策として、「住友スリーエム」(東京)が社員約3000人に1人10枚ずつ、高機能なマスクを備蓄、ファイザー(東京)は社内マニュアルで従業員の20%が感染して欠勤した部署は部員全員を休ませるなどの方針を定めるなど、具体的に進めているところが多い。
 これに対し、日本企業は、顧客への対策を含めて、「予期せぬインフルエンザには何もしていない」(在阪の電鉄会社)、「地震などの災害マニュアルでなんとかする」(全国展開の大手スーパー)と危機意識に乏しい例が目立つ。
 「大幸薬品」(大阪)が平成19年11月、社内マニュアルを作成、「新型」の感染者が出たら、来訪者の立ち入り場所を制限し、来客用のマスクを用意するなどを規定しているが、こうしたケースはまだ少数派といえる。
 このように各企業などで対策が不十分だと、経済的に麻痺(まひ)し、「大流行すれば消費が落ち込むなどして約20兆円の損失が生じる」(第一生命経済研究所)という試算もある。
 「流行すれば社員がかかるだけでなく、流通や原料の調達も難しくなる。業務を続け、経済活動を滞らせないためにも、企業は前もって対策を立てることが重要」と国立感染症研究所・感染症情報センター第一室長の谷口清州さんは呼びかけている。

ダイエット大作戦Ⅱ(ミッション115) 2008年1月11日

2008年01月12日 06時40分16秒 | 1年かけてダイエット
本日食べたもの(kcalは厳密なものではありません。目安です。)
朝:お茶。
計:0kcal

昼:おにぎり2ケ(鮭、タラコ 450kcal)、かぶ漬物、お茶。

計:450kcal

夜:刺身(鮪、イカ、タコ、ハマチ、シャコ、鯖:240kcal)、里芋、ニンジン、キヌサヤ煮物(100kcal)、つくね(80kca)、漬け物(20kcal)、生ビール(160kcal)、日本酒(30kca)水割り焼酎(160kca)、乾きものおつまみ(300kcal)、お茶。



夜計:1060kcal

日計:1540kcal
歩行:3772歩(143kcal)
差し引き1540kcalー143kcal=1397kcal