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森羅万象 ~ 歩く印象派

突然の訃報・・・取引先の部長の葬儀に参列。

2006年01月22日 23時58分52秒 | 仕事
 仕事柄、取引関係の葬儀に参列することがある。
そのほとんどが取引相手の実父母や義父母といった
親族関係であり、亡くなった方と直接の面識がある
ことはあまりない。

 「訃報」の知らせが回覧されると、通夜、告別式の
場所や日時の確認を行い、花輪(生花)や弔電の手配
を指示し、あとは弔問に行く者を決めるだけ。淡々と
しているがこれも大事な仕事である。

 だが、当の本人が急逝されたとなると話は別だ。
しかも、単身赴任中のオフィスで仕事中に倒れ、救急
車で病院に運ばれ、そのまま逝ってしまったというか
ら、かなりショッキングだ。死因は大動脈解離という
聞き慣れない病名だった。腹部を押さえながら「痛い」
と言っていたそうだ。
(参考:http://www.geocities.jp/akatsuki52gou/kairi/shikumi.htm)

 第一報を聞いた時は驚いた。何の兆しもなく、不意打
ちに近かった。あのI部長が・・・。

「仏のような」(本当に仏になってしまわれたが)と
よく言われるが、I部長にぴたりと当てはまる表現だ。

 親族を代表して挨拶された長兄の方のお話が印象的
だった。
「S(I部長)は、昭和20年に島根県で4人兄弟の末
っ子として生まれた。翌21年、東京へ引き揚げて
来た。(私より)六つ下のSは小さい時からバカが
つくほどの正直者で、こんな要領が悪くて果たして世
の中へ出てうまくやっていけるだろうか?と心配した
ものだ。」

 あのF本氏の元上司でもある。
昔、F本氏のアパートで3人で飲んだことを思い出した。
(まだ、課長さんの時だった。)
あれこれと心配りを忘れず、部下を大切にし、営業マン
としてもその人柄から相手先からは全幅の信頼を受けて
いた。多くの人から慕われ、「いい人ほど先に逝く」典型
のような方であった。
(「梵天丸もかくありたい。」と思う。)

 葬儀は東京の自宅近くの集会所で執り行なわれた。
昨日の雪が歩道に凍り付いていた。2時間近くの告別式
を終え出棺を見送る際、周囲からすすり泣きが漏れた。

享年60歳であった。
心よりご冥福を祈りたい。
                  
                     合掌