経済破局は来るのか?

経済破局がいつくるのかを、金貸し支配を読み解きながら、追及しています。

米国の株価バブルは終わるか?

2018年12月22日 12時20分53秒 | 日記
吉田繁治氏 ビジネス知識源 395号:中間選挙開票後の米国株価の下落は、負債のレバレッジ経済が崩壊する兆候か リンク 
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テーマは、中間選挙後では異例である株価下落が、米国の過剰流動性相場つまり株価バブルを終わらせる兆候になるのかどうかの、検討です。「2019年は、米国株場バブル崩壊から金融危機、つまり10年目のリーマン危機」になるだろうと見ている人も、出始めたからです。

【米国株の上昇と下落の、5つの要因】米国株のバブル的な上昇は、以下の3つの要因からきていました。
(1)10年で15兆ドル(165兆円)のトランプ減税の開始、(2)海外での企業利益を米国に還流させた場合35%の税がかかっていましたが、2018年の利益についてはリバトリ法(愛国法)によって0%にしたこと。過年度の利益についても、8%から15.5%に減税しています。これが、海外のドルの米国への大還流をもたらし、株買いになっています。(3)2017年は50兆円、18年は70兆円の自社株買い。

他方で、米国株の下落をもたらす要因は、以下の2つです。
(1)米国FRBの、18年8月の利上げ(0.25%)と、2019年の3回の利上げの予告。(2)中国輸入(50兆円)の50%対する2018年は10%、19年は25%の課税と、課税品目の全輸入への拡大予想。この関税は、中国と米国の2019年からのGDPを低下させます。

以上5つの要因が、今後、どう働くかということです。

【中間選挙後の株価】2年ごとの定期的な中間選挙のあとは、11月から12月の年末であり、過去は開票結果にかかわらず、米国株は上げていました。わが国の、時期が定まらない国政選挙の前にも、与党の関与により、株価が上がることが多かったことと似ています。与党は、株価を上げることで、政権への支持を増やす狙いをもつからです。「政治サイクル」と言われます。

NYダウは、10月29日には2万4429ドルであり、10月16日からは5.4%下げていました。10月30日からは上げに転じ、開票直前の11月8日には、2万6129ドルにまで8.9%上げていました。8日間で+8.9%は、急騰です。

その後の、11月12日(月)までの4日間、NYダウは2万5387ドルへと2.8%下げています。3%程度上がる方向の中の下げですから、「4日間で2.8%+3%=5.8%」の急落と見なければならない。

【2017年と18年は、自社株買いが、株価を上げてきた】2018年の、米国市場の大手銘柄の自社株買いは、合計で70兆円という巨額になっています。これが、2018年の米国株が上昇するときの原因です。前年の自社株買いは50兆円/年でした。当時も「大きすぎる自社株買い」と言われ、「2018年はさすがに減るだろう」と見られていましたが、逆でした。

【世界のGDPの伸びを低下させるトランプ関税】日・米・中そして世界の、2019年のGDPの伸びを、1ポイント(IMF予想)から2ポイント(当方の予想)は低下させるトランプ関税という新しい要素が加わっています。
輸出の減少つまりGDP伸びの低下は、企業の売上収益(粗利益)の減少です。伸びてきた売上収益が10%減れば企業の利益の黒字はなくなります。リーマン危機のあとに起こった、企業への波及がこれでした。企業利益が半分に減れば、PER(株価/次期予想純益)は2倍になって、株価には50%下落調整の売り圧力が加わります。

【リーマン危機】リーマン危機のときは、日米の株価時価総額が50%に減少しました。経済の中で、現在のようにマネー量が増えている過剰流動性相場では、GDPの期待成長率の2ポイント(%)の下げが、株価を半分か、それ以下に暴落させ、恐慌めいた経済になっていくのです。

【対策としてのFRBのQE】リーマン危機のあとの、米国の銀行資産での信用収縮は、世界の実体経済を恐慌に陥れる規模でした。FRBは3度のQE(長的緩和で約4兆ドル(440兆円)を信用創造してマネーを増発し、恐慌になる事態を押しとどめたのです。FRBの信用創造、つまりマネーの増刷の副作用として、株価と不動産が値上がりしました。株価は2018年までに3.3倍に上がり、不動産はリーマン危機前の高値を超えています。

【FRBには、次の金融危機への、対策の手段がない】今度は、不動産からではなく、株価の下落が先導するリーマン危機の再来になっても、FRBは08年のリーマン危機のような4兆ドル(440兆円)のQE(量的緩和)という手段は取ることができません。FRBの通貨発行量を示すバランスシートは、$4.1兆(451兆円)と膨らんだまま来ているからです。

イエレン前FRB議長は、「再びの金融危機のときの対策がとれるように出口政策を進める」といっていました。しかし、FRBが買った国債を売って量的緩和マネーを減らす出口政策は、金利を高騰させ、米国債の価格を大きく下げるためとることができていません。実行できているのは、短期金利であるFF金利の、1回0.25%の上げだけです(合計8回)。これは「出口政策の15%程度」にしかならないでしょう。

【短期金利上昇にもかかわらず、10年債の長期金利が上がっていない理由】米国債は、金利が0%付近の円国債を日銀に、1年に40兆円売った日本の銀行が、「海外投資」として買い増し、米国の長期金利の上昇は抑えられています。
日本からの米国債の買いがなければ、3.15%の長期金利(10年債の金利:11月12日)は、4%以上に上がっているはずです(短期金利2.25%:長期金利4%)。
FRBは、通貨を増発する量的緩和は、停止しました。しかしゼロ金利を敷く日銀のマネーが、FRBの下請け機関になって、民間銀行経由で、金利のつく米国債を買うことにより、量的緩和の役割を果たしています。
「国債のゼロ金利を敷く日銀が、銀行のもつ国債を買って現金を供給→銀行は、国債を売って、増えた現金で金利のつくドル国債を買って、米国債をもつ米国の金融機関に現金を供給」。
これは、FRBが国債を買って、米国の金融機関に現金を供給していることと同じ量的緩和に該当します。米国は日米の金利差を利用して、量的緩和を継続しているのです。




匿名希望
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世界多極化による第三次世界大戦と金の国家間の移動①その1

2018年12月20日 11時31分03秒 | 日記
マクロンは「われわれヨーロッパは米国を敵として一致団結しよう」と、ヨーロッパの首脳たちに呼びかけた。
その背後にはフランス革命以来の仕掛け人のロスチャイルドがいる。
カレイドスコープより以下引用です
リンク

マクロンとトランプによって西側世界は多極化に向かう。
それは、第三次世界大戦への誘い。
・フランス革命は「死と再生」の始まりだった
フランスの首都パリの凱旋門で今月11日、第1次世界大戦(World War I)終結100周年を記念する式典が行われ犠牲者を追悼する記念式典が開かれました。
この式典で世界中の誰もが強く印象付けられたのが、エマニュエル・マクロン仏大統領の威風堂々とした演説でしょう。
<中間省略>
・・・1914~18年の第1次世界大戦では970万人の兵士と1000万人の市民が犠牲となりました。
戦いは熾烈を極め、現地時間で1918年11月11日午前11時、戦争の終結を知らせるラッパが鳴り響くまで続けられたと言います。
第一次世界大戦の休戦協定が各国首脳の間で結ばれたのは、1918年11月11日の午前5時(グリニッジ標準時)でしたが、なぜか終戦のラッパは6時間後の午前11時まで待って鳴らされたのです。
こうしたことから、欧米メディアは、第一次世界大戦が終結したのは「1918年11月11日午前11時」で統一しているようです。
ですから、「11+11+11=33」の暗示的意味については、つまり「破壊的創造」、「死と再生」であると説明してきました。
あれから100年が経った今年こそが、第二の「死と再生」の始まりの年になるという意味です。
<省略>
・・・さて、1次世界大戦終結100周年式典の本当の意味を理解するために、18世紀まで遡ってみましょう。
<省略>
・・・すべては1789年5月のフランス革命を境に始まりました。
このフランス革命に資金を提供したのはロスチャイルド家で、したがって、フランス革命の本当の狙いは「ユダヤ人の解放」にあったのです。
このときに生まれた(発明された)「新聞」がフェイクニュースを連発し、「我々にパンをよこせ!」を合言葉に民衆の蜂起を促したのです。
しかし、この革命は民衆を奴隷制度から解放するための革命ではありませんでした。
そのとき以来、今日に至るまで、欧米メディアのほとんどがロスチャイルドなどの国際金融資本の傘下に置かれ、さまざまな国家の体制転覆を仕掛けてきたことは周知となっています。
・式典で明らかになった世界の金融システムにおける交代劇
フランス革命の2年後の1791年2月25日、ロスチャイルドがドルの発行権を手に入れるために創設したのが、合衆国議会によって公認された第一合衆国銀行でした。

第一合衆国銀行は、米国の中央銀行として創設されたものの、実質的なオーナーは、その株式の80%を取得したロンドン・シティーのネイサン・ロスチャイルドでした。
・・・ その後、第一合衆国銀行は活動期限切れを迎え、第二合衆国銀行に引き継がれました。

以後、ドルの発行権を巡る国内外の戦争が続き、紆余曲折を経て1913年に創設されたのが米連邦準備制度理事会(FRB)を含む米連邦準備制度という一大詐欺金融システムでした。
・・・そして、この翌年の1914年に勃発したのが第一次世界大戦だったのです。
もちろん、この戦争はドルの独占的発行権をめぐる戦いでした。

今回の式典でメディアが揃ってフィーチャ―したのが、フランスのマクロン大統領でした。
マクロンの式典での「大スピーチ」は、トランプの「アメリカ・ファースト」に当てつけるかのように、世界中で台頭しているナショナリズムを痛烈に批判するものでした。
彼の演出された雄々しい姿は、すべてのメディアでフィーチャーされました。
この式典の前に開かれた欧州首脳会議では、ユーロッパの同盟国はNATO(北大西洋条約機構)とは別に欧州軍を創設して、「新しい脅威に早期に備える必要性」について話し合われました。
言うまでもなく「新しい脅威」とは、貿易戦争によって安全保障を脅かしている米国のことであり、「これを背後から操っている」とネガティブ・キャンペーンを展開している欧米メディアの標的となっているロシアのことを指しているのです。

マクロンは、ここでも「欧州軍創設の目的は、米国、ロシア、その他のテロ国家に対抗するため」と米国を名指しし、「われわれヨーロッパは米国を敵として一致団結しよう」と、ヨーロッパの首脳たちに呼びかけたのです。
いったい誰が、ぽっと出の大統領に、これだけの自信を与えたのでしょう?
<中間省略>
続く




惻隠之心
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世界多極化による第三次世界大戦と金の国家間の移動①その2

2018年12月20日 11時29分39秒 | 日記
カレイドスコープより以下続き引用です
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・・・「なぜ、マクロン、お前なんだ?」というトランプの懐疑的な視線の向こうに見えているものは、今まで前面に出て来なかったフランス・ロスチャイルドです。
欧州は、メルケルを退陣させて、その後釜にマクロンを据えようとしているということです。
ほとんど、オバマとヒラリーの関係に似ています。
つまり、「11+11+11=33」の象徴的な日に、彼らの数秘術が教え導くままに「国際金融においても、英国からフランスへと活動の軸が移動した」ということなのです。

・「米国とロシアの脅威に備えるための欧州軍の設立」を呼び掛けるマクロンの狙い
<前半省略>
・・・ロスチャイルド・ファミリーは、EUに関しては、英国ロスチャイルドとフランス・ロスチャイルドに別れて対立軸を形成しようとしているように見えます。
少なくとも、そのように見せています。
そこで、欧州においては、フランス・ロスチャイルドのマクロンを前に押し出して、相対的に英国ロスチャイルドのテリーザ・メイの勢いを減衰させる必要があるのです。
両者を拮抗させることによって、混沌(カオス)をつくりだそうとしているのです。
<省略>
・・・もう少し俯瞰的な視点から見ようとすれば、イスラエルに第三神殿を建立した後、人工ハルマゲドンを引き起こして完全なる世界統治を実現しようとしている英国ロスチャイルド陣営のトランプと、ヨーロッパをいったん分断して混沌に導こうとしているフランス・ロスチャイルドとが、マクロンとトランプという「二大俳優」を擁して世界の多極化構造に向かわせようとしている「絵」が見えてくるはずです。
要するに、同じロスチャイルド・ファミリー同士で、ヘーゲルの弁証法による「正・反」を実行しているのです。
・・・これらは、すべてロスチャイルドの両建て戦術によるものです。

・ジャック・アタリがNHKに語った「予言」が着々と現実になっている
・・・実は、こうしたシナリオについては、2009年のNHKのドラマ『ハゲタカ』の最終放送で流されたジャック・アタリへのインタビューで明らかになっています。
ドラマ『ハゲタカ』の動画はネット上に残っていますが、ジャック・アタリのインタビュー部分は跡形もなく消されてしまっているので、代わりに7年前の記事「“予言者”ジャック・アタリが世界政府の姿を語りだした」をお読みください。リンク
つまり、彼の役割は、予測プログラムを使って、世界支配のアジェンダの一部を少しずつ漏らしながら、人々に心構えをさせようとしているのです。

彼は、こんなことをNHKのインタビュワーに語っていたのです。
ジャック・アタリ氏のNHKインタビュー(2009年)
(1~5までのことは同時進行になるかもしれない)
1)第一の波 「アメリカ支配の崩壊」
アメリカは、自国の赤字解消やインフラ整備のため、世界から撤退。
アメリカにとってかわれば、悲劇が起こる。

2)第二の波 「多極型秩序」
G20が良い例で、20カ国がそれぞれ統治する。また、「国家はグローバルな市場よりも弱い」。
各国間の国際協調はグローバルに勝てない。
自国の国益を守るのに精一杯。

3)第三の波 「超帝国」
グローバル市場が帝国になり、全てが民営化。
その中で、二つの力が強大になる。
一つ目は、「エンターティメント」ー国民を大事な物事から目をそらさせるため。
二つ目は、「保険の世界」ーリスクから身を守るため。
インターネットが人を監視する技術革新が行われる。
政府からインターネットを通じて、厳しく監視される社会になる。
監視の対象は、あくまでも「物」であり、「個人」の自由を損ねるものであってはいけない。

4)第四の波 「超紛争」
気候やエネルギーの変化が起こり、様々な地域で紛争がおきる。
誰もコントロールができない。
市場は無秩序化される。
紛争において、ノマド(遊牧民族=定住しない人々)が重要な役割を果たし移動する人が増える。
ノマドは三種類に分けられる。
A)超ノマド(世界中どこでも行ける人、全世界で1千万程度)
B)下層ノマド(非常に貧しい人達全世界で30億人)
C)パーチャルノマド(定住者だが、TVやインターネットで仮想パーチャルを楽しんでいる人達)

全人類において貧困層の拡大がおこる。
市場メカニズムによる方法は失敗する。
痛みで国が混乱。

5)第五の波 「超民主主義」2060年頃~
別の統治方法が考えられる。
それは、「利他主義」=人は他人を援助することによって幸せになれること。
トランスヒューマンが重要な役割を担い、新しいエリートとなる。
どうでしょうか?
これは現実に起こっていることなのです。
(パート2につづく)
引用終わり




惻隠之心
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アメリカ国内に還流するドルの減少に伴い、米国債の下落、株や社債の暴落、 極端な高金利、企業破綻の激増などが背景となり、新たな金融危機が発生する(1)

2018年12月16日 13時50分28秒 | 日記
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アメリカ国内に還流するドルの減少に伴い、米国債の下落、株や社債の暴落、
極端な高金利、企業破綻の激増などが背景となり、新たな金融危機が発生する(1)

●自由貿易によるドルの散布こそ覇権の基礎
 周知のように、アメリカの覇権の基礎になっているのは基軸通貨がドルであるという事実です。自由貿易で各国に開放した米国市場には、世界のあらゆる地域から製品は輸出されてきますが、ドルが基軸通貨であるため代金はすべてドルで支払われます。これは、世界にドルを供給することなので、ドル散布と呼ばれています。
 一方各国は、自国通貨の上昇を嫌い、受け取った代金をドルのままアメリカ国内の市場に再投資せざるを得ません。ドルを自国の通貨に両替すると、その通貨価値は上昇し、輸出にとって極めて不利になるからです。
 そのため、ドルが基軸通貨であれば、ドルは自動的にアメリカに還流して行きます。このシステムが存在している限り、米政府の財政赤字による債務は国債の販売を通して補填されるので、税収をはるかに上回る支出が可能となります。これが、覇権を維持するために必要な政治力や軍事力の基礎となるのです。
順位   国名       米国債保有額
1位   中国     1兆1456億ドル
2位   日本     1兆0900億ドル
3位   アイルランド   3025億ドル
4位   ブラジル     2697億ドル
5位   ケイマン諸島   2540億ドル
6位   スイス      2445億ドル
7位   イギリス     2373億ドル
8位   ルクセンブルク  2117億ドル
9位   香港       2026億ドル
10位   台湾        1844億ドル

●加速する米国債売り
 還流したドルによって米国債が買われ、国家予算が補填されるシステムで、高関税の導入による保護貿易を実施したらどうなるのでしょうか? その結果は、改めて詳しく説明するまでもないでしょう。適用される高関税の規模にもよりますが、適用される分野が大きくなればなるほど、米国内に還流するドルは大きく減少するので、米国債の販売による債務の補填もうまくゆかなくなります。米国債は市場で売れ残って下落し、その結果として長期金利は上昇します。
 この動きはまだ本格化していないものの、すでにその兆候ははっきりと出てきています。米国債の下落を見越した各国による、米国債売りの加速です。
 6月15日に発表された4月の米国債の状況を示す米財務省の報告書を見ると、ロシアは保有する951億ドルの米国債の約半分である474億ドルをすでに売ったことが明らかとなりました。
 同様に日本は120億ドル、中国は70億ドル、そしてアイルランドは170億ドル相当の米国債をすでに手放していることが分かりました。日本、中国ともに約1兆2000億ドルほどの米国債を保有しているので、この数字はたいしたことがないように見えるかもしれませんが、毎年保有額を増やしてきた日中両国にとっては、近年ではまれに見る売りの規模です。
 これと連動して、米国債の金利はじわりじわりと上昇しています。この背後には、トランプ政権が発動した連鎖的な保護貿易による米国債の下落懸念があるのではないかと見られています。

●債務が増大するなかで米国債が売られる
 そして、このような米国債売りの加速が起こっているタイミングに注目すると、この問題の深刻度が分かります。それは、アメリカの債務が急速に増大し、債務の補填がもっとも必要になるときに起こっているのです。
 まず債務増大の原因のひとつは、昨年の12月に成立した法人税の大幅削減です。これは法人税を35%から21%に一挙に削減するというものです。法人税の削減で投資が活発となり、景気がさらに上向くので最終的には税収が増えるとするものですが、そのようになる保証はないと見られています。今後10年間で、税収は1兆ドルほど減少すると見られています。
 さらに状況を悪化させているのが、いまトランプ政権が実施しているトランポノミックスという経済政策です。周知のようにトランプ政権は、兵器やインフラを中心に大規模な公共投資を行っています。これはトランポノミックスと呼ばれていますが、この政策をあてにした投資が活発化したため、高株価の状態が続いているのです。
 しかし、税収が減少しているときにこうした財政出動を実施しているのですから、政府債務は急速に増大します。2017年会計年度では5190億ドルの政府債務は、2018年会計年度では9550億ドルに増えています。このままのペースで増えると、2019年度と2020年度には1兆ドルに達します。そしてこのまま状況が変わらなければ、10年後には34兆ドルにまで膨れ上がる計算になります。
 問題は、高関税による保護貿易が継続すると、アメリカに還流するドルが大幅に減少するので、政府債務を補填するための米国債の販売に支障が出てくるということです。要するに、米国債が売れなくなるのです。保護関税政策を続けると、こうしたリスクが大きくなることは間違いありません。

●高金利による企業破綻の増大
 この影響はことのほか大きいのです。米国債が売れなくなると、当然その市場価格は下落します。すると、長期金利はすぐに上昇します。
 現在アメリカの景気はよいのですが、その背景となっているのは、FRBが長期間続けてきたゼロ金利政策を含む、量的金融緩和政策です。その結果、限りなくゼロに近い金利のローンに依存してなんとか生き残っている、いわゆるゾンビ企業がかなり存在するのです。
 米国債が下落して金利が上昇すると、こうした企業は破綻の危機にさらされます。この状況は、長期金利の上昇でただでさえ減速する米経済を、さらに悪化させます。


【つづく】





今井勝行
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アメリカ国内に還流するドルの減少に伴い、米国債の下落、株や社債の暴落、 極端な高金利、企業破綻の激増などが背景となり、新たな金融危機が発生する(2)

2018年12月16日 13時50分01秒 | 日記

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アメリカ国内に還流するドルの減少に伴い、米国債の下落、株や社債の暴落、
極端な高金利、企業破綻の激増などが背景となり、新たな金融危機が発生する(2)

【つづく】
●下落する株価
 米経済のこのような状況は、株価に大きく影響することは避けられないでしょう。米経済の減速が背景となり、現在の高株価の状態は終わるのです。
 それだけではありません。海外からアメリカに還流するドルは、米国債だけではなく、株式や社債、そして不動産など米国内で売られているあらゆるものに投資されています。現在のダウの高株価の背景のひとつには、海外から還流するドルによる投資があります。
 そのような状況なので、保護貿易の実施によるドルの還流の減少は、米国内の金融市場の大きな下落、ならびに不動産市場の暴落の引き金となります。下落の規模によっては、リーマンショックを上回る金融危機を誘発する可能性もあります。

●縮小する基軸通貨としてのドル
 現在は好調な米経済も、保護関税の連鎖による貿易戦争が長引くと、金融危機を伴う危機的な状況に陥る可能性は否定できません。
 こうした状況を反映してか、これから不安定になるドルを回避し、異なった通貨を国際決済に使う動きが加速しています。すでにこの傾向は、中国の一帯一路と中ロ同盟で発展するユーラシア経済圏の拡大に伴って、ドルではなく人民元での決済が次第に増加しています。高関税の連鎖による貿易戦争の拡大と、それによる将来的なドル不安が背景となり、ドル離れの傾向は一層加速しているのです。
 6月8日、中国とロシアは、相互の貿易の決済にドルではなく両国の通貨を使う協定を結びました。数年前まではロシア企業による人民元の決済の割合は2パーセントから9パーセント程度でしたが、いまでは15%になっています。また、昨年の7月、中国政府は人民元とルーブルを使う決済システムを立ち上げました。これから人民元とルーブルが使われる範囲は拡大し、基軸通貨としてドルが放棄される流れは加速する方向にあります。この傾向は、ユーラシア経済圏のみならず他の経済圏でも拡大しています。

●近い将来の金融危機
 さて、これがいま貿易戦争の背後で静かに進んでいる事態です。ひとことでいうとそれは、アメリカ国内に還流するドルの減少に伴い、米国債の下落、株や社債の暴落、極端な高金利、企業破綻の激増などが背景となり、新たな金融危機発生の引き金を引くというシナリオです。
 いま高関税の連鎖による貿易戦争は、始まったばかりです。25%程度の高関税が適用される分野はまだ限定的です。その意味では、アメリカや日本の好景気を見て、先行きを楽観視することもできるかもしれません。
 しかし、貿易戦争が長引けば長引くほど、金融危機に陥る危険性は高まることは間違いありません。これがいつやってくるかは分からないものの、いまそれに向かう最初のスイッチが押された状態なのです。注視しなければならないことは間違いありません。]




今井勝行 
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