経済破局は来るのか?

経済破局がいつくるのかを、金貸し支配を読み解きながら、追及しています。

世界金融危機は、どう決着するか(ビジネス知識源)-9負債半減でアメリカ経済浮上か?

2016年11月30日 12時16分06秒 | 日記
ビジネス知識源(吉田繁治氏)
リンク より転載。
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■7.賃金、金融資産、金融負債の変化は

米国の賃金や金融資産、金融負債はどうなるか?

通貨単位を切り下げる「デノミ」とは異なります。旧ドルで$5万/年の賃金は、新ドルでも$5万に維持するからです。

世帯の$30万の住宅ローンは? 新ドルでは、$15万に半減します。$8万の預金は? 新ドルでは、$4万位に減る。家計の純債務は、1月21日以前の[ローン負債$30-預金$8万=$22万]から、[ローン負債$15万-預金$4万=$11万]と、$5万の賃金に対し半分の重みに減ります。

これなら、$15兆(1500兆円)の負債を抱える米国の5000万世帯(世帯平均3000万円)も、ローンを返済できるでしょう。ローンが返済できないことが、今回の金融危機の根底にあった。これが、2:1の交換率の新ドル発行で解消します。

他方、金融資産を負債より多く持つ世帯は、損をします。民主党は、かつての日本社会党に似たところがあります。支持は、有色系とワーカー、インテリ層が多い。富裕者の優遇をしてきた共和党とは、異なる。

米国の政府債務1000兆円も、500兆円と半減します。

米国の世帯は、金融資産の最大は、預金でなく下がった株です。株はどうなるか。一旦はショックで暴落します。しかし、米国が対外借金から解放され、住宅ローンが支払われ、世帯も1500兆円(うち住宅ローンは1200兆円)の借金から解放されることが分かって経済は一転し、好転に向かうとなると、その後は、上げるでしょう。(注)2009年の最初は、金ドル交換停止のときのような混乱です。

企業にとっては、社債の負債2500兆円が、一挙に1250兆円に減ります。

【まとめ】
・米国の対外債務       2000兆円→1000兆円に減る
・米国世帯の借金       1500兆円→750兆円に減る
・米国企業の負債(主は社債) 2500兆円→1250兆円に減る
・米国政府の負債       1000兆円→500兆円に減る
・米国GDP         1170兆円→1170兆円で変わらない

賃金は1:1で新ドルになるので、賃金が80%部分を決める物価もさほど変わらない。賃金で買う小売りや車の売上も維持されます。企業の借金も半分に減ります。

金融機関の債務超過も、資産より、借金の過多です。2:1の交換率の新ドル発行で、過去の債権・債務が、同時に半分になれば、救われます。借金(国債)が500兆円と半分になった米国政府が、その後、ふんだんに国債を発行し、そのマネーで資本注入ができます。行うのは、大統領令の発布だけです。

【円との関係】
円との関係はどうなるか? 米国が2000兆円の対外債務から解放される。米国企業と世帯が[徳政令]再興するとなると、旧ドルは$1=50円になっても、新ドルは$=100円付近で落ち着くかもしれない。

【対米輸出価格は?】
日本や中国の輸出価格は、新ドルで売ることになって、米国の新ドルの賃金では価格が変わらない。輸出はできる。米国の輸入価格は新ドルになって、変わらない。

以上のように、負債を半分に減らす徳政令が、旧2:新1の交換率での新ドル発行です。



匿名希望
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世界金融危機は、どう決着するか(ビジネス知識源)-8突然、旧ドル2:新ドル1に切り下げ

2016年11月29日 12時15分26秒 | 日記
ビジネス知識源(吉田繁治氏)
リンク より転載。
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■6.2008年1月14日~21日に・・・

米国の金融関係の高官、FRB、政府の財務関係の一部高官は、以上の事情を、よく知っています。

●政府とFRB内の(非公開の)議論では、海外がドル債を買わなくなった後の対策が、検討されているはずです。

サブプライムローンの帰結が、金融危機になることは、2005年ころFRB内部での議事録にもなっていたことが、竹森俊平氏の『資本主義は嫌いですか。それでもマネーは世界を動かす』で明らかです。グリーンスパン時代のFRB幹部は「サブライム危機への認識を共有していた。」 このことからも、今、当局の高官は、「米ドル債を、海外が増加買いしなくなった後の対策」を検討しているはずです。

オバマ氏は、2009年1月14日、聖書に手を置き、大統領への就任式を行います。

資本主義の行方が、とは言わない。そこまで大袈裟ではない。1971年、時の大統領ニクソンは、世界の誰にも事前には言わず、突然「金ドル交換停止」を発表しました。それに似たことを推測します。

米国は、主要国の中央銀行を集め、説明会は行った。「方針は決定した。説明の必要はない。質問には答えない。実行があるだけである。」木で鼻をくくるものだった。

▼以下は推測です:(注)あくまで、論理からくる推測です。

どんな策か? 米国を350兆円の純借金(=対外債務2000兆円―対外債権1650兆円:07年末)から解放する策でしょう。

もうこれ以上、海外に借りることはできない。海外が、米国債を買わない。米ドルは、世界にあふれすぎた。海外政府が持つ外貨準備だけでも600兆円ある。

●「1月21日以後、米政府は、FRBを事務局に新ドルを発行し、旧ドルとの交換比率は(例えば)2:1とする。」 説明はそれだけでしょう。1971年のニクソンと同じように、実行があるのみと答える。

新ドル換算では、米国の対外債務(借金)は1000兆円に減ります。日本の対外債権610兆円(主は米国の対外債務:07年末)も、新ドルでは、305兆円と半分に減ります。

他方、米国の対外債権は、1650兆円(07年末)です。

日本に対しては、360兆円の対日債権(07年末)です。日本株を含む証券に221兆円、その他証券投資で118兆円ある。これらは円建てです。従ってこれは減らない。(注)07年末データは財務省。株安で40兆円くらい減っていますが。08年データの発表はまだない。

今、株価の下落後の時価で300兆円の対日債権があるとすれば、この価値は変わらない。そうすると、以下のようになります。
[対日債権 300兆円-対日債務305兆円に減価=対日純債務5兆円]

250兆円(07年末)もあった対日純債務は、一夜で、5兆円に減る。得をするのが米国で損をするのが日本です。こうした、通貨切り下げができるのが、基軸通貨の特権です。

この対日債務と同じように、米国の2000兆円の対外債務が、1000兆円に減る。しかし1650兆円(07年末)の対外債権の実質額は、減らない。これが世界の株価下落で、650兆円分(60%)時価が下落していても、対外債権は1000兆円です。

[米国の対外債権1000兆円-対外債務1000兆円に減価=対外純債務ゼロ]となって、1月21日以後、バランスします。

海外は、1.21以後2000兆円が、1000兆円分に減った米ドル債券を売っても、1000兆円でしかないので、保有するだろうと言えます。(注)1.21はあくまで、論理的な推量です。




匿名希望
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世界金融危機は、どう決着するか(ビジネス知識源)-7FRBは毎月100兆円分印刷するしかない

2016年11月28日 15時07分59秒 | 日記
ビジネス知識源(吉田繁治氏)
リンク より転載。
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■5.金融・経済対策で巨額発行される米国債が海外に売れないと、どうなるのか?

米政府は、どうやっても、金融・経済対策で、今後、数百兆円の国債発行が必要です。マネーは、そこからしか出ない。しかし、今後、海外が買ってくれるのは、わずかです。逆の、ドル債売りの可能性(確率)がずっと高い。

最後は、米ドルの信用を落とす手段、
・米国債を刷ってFRBに渡し、
・FRBは、通貨管理から輪転機になって、
・毎月100兆円近いドル札を刷る(=政府口座に振り込む)しか方法がなくなる。これは、FRBの信用悪化からの、ドルの暴落を意味します。

米国金融機関と企業の決算とが重なり、巨額資金が必要な08年12月末に向っては$1=80円に下落し、2009年は$1=60円に向かい下げると予測する理由が、これです。もうドル債を、海外が買う余裕がなくなったのです。

3大赤字(財政赤字、貿易赤字、世帯の赤字)の米ドルの価値が維持されてきた理由は、海外が1年100兆円のドルを増加買いしてきたからです。

90年代から2000年代初頭までは、中国、アジア、日本でした。原油が高騰した2000年代はアラブが加わった。アラブは、ユーロ経由でドル買いしたので、原油高騰につれ、ユーロも高騰していたのです。

2009年は、中国が言うドル買いの20兆円しかない。そして、日本の外貨準備(100兆円)のうち、幾分かを米国政府に貸すしかない。

(注)日本政府は、これをやろうとするでしょう。しかし10兆円のIMFへの貸与でも、世論(輿論:よろん)では、なぜそんな無駄なことをするのか、100兆円の外貨準備は、ドル債を売り、急速に景気が悪化しGDPがマイナス成長で失業が増え、賃金も下がる国内経済のために使えという当然の反応です。政府(財務省)も、これを無視できません。

・米国債を刷って、FRBに渡し、
・FRBは、通貨管理機関から輪転機になって、
・毎月100兆円近いドル札を刷ることが、確定したように思えます。

しかしこの策は、預金が少なかった時代の日本の戦時国債(=金融機関が買えないので日銀引き受け、個人マネーや貴金属は鉄に至るまで国家へ拠出:国家総動員令)のように、ドルの通貨信用を下げるものです。

米ドルの暴落(世界がドル債を一斉に売り、米国の市場の金利が高騰する)の恐れがある。

●これが起これば、ドル債が売られて下落し、結果として米国の市場金利が高騰し、米国の実体経済は、確実に、恐慌に向かいます。

欧州の投資資金が一斉に引き揚げた極北の小国、アイスランドのような、恐慌になるのです。(かつては漁業国:1年前まで金融国で、人口30万人の1人当たりGDPでは、一時は世界5位でした)

漁業をしていた人が、金融ブームで銀行のマネジャーになり、ローンで、1億円に上がっていた家を買った。今年になって、銀行がつぶれた。ロシアが、アイスランド支配を目的に、資金貸与することになった。銀行員は、漁船に戻った。いずれ自己破産する・・・TVで言っていました。

去年まで、数千万円の決算ボーナス(利益配当)をもらうのはザラだったウォール街は、今、瀕死(ひんし)状態で、5万人、10万人の金融失業があふれる。隠れた失業の数を、数えることもしない。意味がない。

今日は感謝祭。1か月のロングランの、クリスマス特売が始まります。小売業は、これから1ヶ月で、普通の月の3倍から4倍を売る。売上は確実にマイナスで、小売り企業の多くが赤字に転じます。

2001年の9.11よりはるかにひどい。あのときは、米国人の愛国心が萌(も)えた。敵はテロだった。今、敵は何か。デリバティブか・・・強欲か。

政府は、財源の目途がない金融・経済対策を言う。しかしマネーは、一向に回ってこない。金融機関の損失補てんに、滞留している。金融機関は、貸す余裕がない。




匿名希望
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世界金融危機は、どう決着するか(ビジネス知識源)-6 1000兆円もの米国債を買える国は存在しない

2016年11月27日 15時06分48秒 | 日記
■4.中国、日本、アラブは、巨額米国債を増加買いできるのか?

▼中国が、ドル債を増加買いできるのは1年20兆円

中国は、約20年の、貿易黒字がたまった外貨準備を200兆円分持っています。しかしこのうち60%はもともとドル債(国債・社債・住宅証券)です。中国がもつドル債を売って、ドル債を買っても意味はない。

そしてほぼ30%がユーロ債です。これを売って、ドル債を増加買いすることもできない。ユーロ債を売りドル債を買えば、米国に匹敵する中国の輸出先であるユーロが暴落します。これもできない。

【中国のドル買い余力】
中国の貿易黒字は、08年10月で、3.5兆円です。輸出が12.8兆円、輸入が9.3兆円だった。これを1年に延長すれば42兆円になって、そのうち約60%(25兆円)が、ドル債の増加買いの余力になる。

しかし、米国の急激な景気後退(=店舗売上の増加の停止、及び減少)から、11月以降の中国の対米輸出は、急減します。中国にとって、2009年は「外需の増加は期待できない。むしろ減る。」これは確定でしょう。中国製品を多く並べる店舗の売上(1年400兆円:100万店舗)の一部を、実地に見れば分かる。

ファッション衣料、家電、住関連耐久財は、ひどい。売れていのは、ほぼ米国産の、必需の安い食品です。欧州も似ています。

物価インフレを引いた実質GDPがマイナスに向かうとは、店舗売上の急減です。商品価格インフレが5%なら実質GDPの2%マイナスであっても、店舗売上は平均で7%(0%からマイナス14%に分布)になります。1年14%のマイナスが続けば、企業は倒産するでしょう。今の米欧では、金融機関からの融資が出ないのですから。

【結論】2009年での、中国のドル債の増加購入は、中国政府が米国に約束した20兆円程度が、上限です。貿易黒字が増えなければ、中国もドル債の増加購入はできません。

他の方法は、中国政府が持つ$1.2兆(120兆円)の、ドル債の、米国政府への貸与(貸付)です。

しかし、これを中国が行うとは思えません。逆に中国は、ドル債を持つことを対米への、政治的な圧力に使う。外需依存経済の中国は、失業を増やさないため元を安く維持したいからです。(注)中国の、輸出工場の3分の1は、今、操業停止に近い。

▼日本が、ドル債を増加買いできるか?

麻生政権は、米国が支配するIMFに、「新興国の金融危機、通貨危機を回避するための資金」として、10兆円分のドル債を拠出します。IMF(国際通貨基金)の性格を知らず、先見性のない哀れな愚策でした。

わが国政府・日銀には、もう米国債を買う資金余裕がないため、財務省がもつ外貨準備(100兆円)のうち、10兆円分を貸すことにした。

日本政府は、2009年は大きくなる財政赤字と、ゼロ金利から離脱した国債金利、及び財源を国債に依存する経済対策のため、09年は40兆円~50兆円を超える国債を、発行しなければならない。これは、日本政府が使います。米国のために別の国債を発行し、その資金でドル債を買う余裕はもうない。

(注)特別会計の埋蔵金(剰余金)は、特別会計に含まれる年金基金(170兆円)、及び外貨準備(100兆円)がもつ米ドルの約20%下落と、内外の株価の40%下落でほとんど消えています。これらは、現金ではなく、相場で動く米国と日本の国債、円とドルの証券や株になっているからです。この埋蔵金も、株価下落と対円のドル下落でなくなってしまったのです。

米国の当局は、日本には、もう余裕がないことを知っています。この国のマクロ経済と資金循環を、少し分析すれば、2006年以後は、日本がドル債を買う最大手国ではないことは、誰の目にも明白です。そのため、今は、「中国マネーが世界を救う」とおだてる。

しかしもともと、新興国の金融危機、通貨危機がなぜ起こったかといえば、英米系ファンド投資銀行の、2007年末からの新興国の国債・債券・証券・株の売りからです。(注)後述するように米国は、対外債権(株、証券等)を1650兆円(07年末)持っています。

このため、新興国の通貨は30%~40%も対ドルで下落した。金融危機の米ドルが、ユーロと新興国通貨に対し上げたのは、この米国の、対外債権(1650兆円のうち100兆円か?)の売りのためです。この売りで新興国の株価は、50%~70%も暴落した。中国は70%以上下落です。日本の株も約40%下げています。

新興国の金融危機と通貨危機は、英米系ファンドと米系投資銀行の、巨額損での資金繰りの必要が、引き起こしたものです。

(注)日本の株価下落も、同じです。個人は、1兆円分余分に買った。英米系ファンドは、それ以上に売り越した。これが、日経平均が8000円付近に40%も下げ、日々激しく騰落している理由です。

IMFが、日本政府が供出した10兆円を新興国に貸しつければ、どうなるか? 

英米系ファンドと米系投資銀行は、これを幸いにあと10兆円分、安心して、新興国への投資を引き揚げます。つまり日本がIMFに貸し付ける10兆円は、英米系ファンドと米系投資銀行に、資金供与したのと同じことになる。哀れなのは、日本の国益です。この10兆円は、決して戻ってこない。

ドル債の買い手だった、日本の機関投資家(保険と年金)は、今、ドル債を買う余裕はない。個人の外債への投資信託(30%~50%損)も同じです。解約が多く、とても買う資金はない。むしろ、大挙し、ドル債の売りです。

【結論】以上から今も今後も、日本が過去のようにドル債を買える状況はない。2007年までは1年平均で40兆円も買ってきたのですが・・・

▼原油が50ドルに下落したアラブは、ドル債を増加買いする余力はない。

世界で300兆円を超えると持て囃(はや)されていたSWF(資源国と貿易黒字国の政府系ファンド)は、07年10月をピークとする世界の株価下落(40%~60%:総損害3000兆円)によって、顔色を失っています。アラブ諸国の、SWF100兆円も、同じです。巨額損失を蒙(こうむ)り、ドル債を増加買いするどころではない。

ドル債やCDSを5兆円買い、1.5兆円(30%)を超える含み損を出しているわが国の農林中金より、アラブ系ファンドの損はひどい。運用責任を問われています。

$200になると囃(はや)されていた原油は、$50に下落した。国営石油会社が原油高騰で、大番振る舞いした財政と公共投資のため、直近では、アラブは財政赤字に転落しています。アラブも、ロシアも、米国債を増加買いする余力を失っています。

【結論】日本とアラブには、ドル国債を増加買いする余力はない。日本を追い抜いた貿易黒字国中国でも、1年20兆円買いが天井です。

ドイツも国内の金融対策が米国と同様に忙しく、ドル買いどころではない。スイスの大手銀行は、金融破産に近い。そうなると、米国債は、今後、海外には売れない。逆に、ドル安の損を恐れる売りがあるでしょう。



匿名希望
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世界金融危機は、どう決着するか(ビジネス知識源)-5中央銀行の原資は国債しかない

2016年11月26日 15時05分49秒 | 日記
ビジネス知識源(吉田繁治氏)
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▼ぺーパーマネー時代は、国債だけが中央銀行の資金原泉

なお、紙幣発行の信用の裏付けは、米国債でなければならない。FRBには、(あるとされるが疑わしい)5兆円分のゴ―ルド以外に、めぼしい資産はないからです。そうすると、FRBの資金源は、ほぼすべて、米国債だということになります。

【(注)予備知識】こうした国債に依存する、中央銀行のB/Sの構造は、日銀も同じです。国債保有に見合う紙幣を、発行している。日銀に、資産があるわけではない。欧州を含む、世界の他の中央銀行も同じです。

●1971年以後(ニクソンの金ドル交換停止)のペーパーマネー時代の中央銀行は、米国FRBと同じ構造で、国債依存です。

1971年までのドル金本位の時代は、国債に変わるものが、ゴールドの準備率でした。ゴールドの準備率を8%とし、中央銀行の金保有が5兆円なら、その12.5倍の金兌換紙幣(62.5兆円)が、マネーの発行限度になっていました。金が、マネーの信用、つまり価値の裏付けでした。(注)日本や米国以外は、1971年以前もペーパーマネー。ドルと$1=360円で交換してはじめて、金本位だったからです。

【(注)予備知識】準備率(リザーブ)とは、発行した兌換紙幣(金への交換可能紙幣)が、全部、一斉に、金に交換を要求されるわけではないという前提に基づくものです。銀行の原理が、この準備率です。

原理を言えば、預金が一斉に引き出されることはないという前提で、銀行が成り立つ。銀行がもつ現金を、準備金と言い、日本ではこれを日銀当座預金に預託します。しかし米国では、08年9.15の金融危機の前には、FRBに準備預金を積むことはなかったのです。各銀行が、自分で準備金を持っていた。

●今、各国中央銀行の信用の裏付けは、国債しかない。従って、国債が下落する(金利が上がる)すると、その国のマネーの信用が、下落します。国債の信用が、国家の信用だからです。

【2000兆円の負債国:米国という特異性】
特に、資金(国債売却)を海外に依存し、2000兆円の総負債(米国債、米国の住宅証券、米国企業の社債、米国株の海外所有)を抱える米国では、米国債の信用の低下は、海外のドル債売り、つまりドルの下落という形で現れます。

じゃ今、米国債は、どう売られているか。買われれば、信用が高いことになる。米国債の発行残は、長短合わせて約$10兆(1000兆円)です。このうち、ほぼ600兆円が、国内所有です。400兆円を海外が買っています

●ここで重要なことを言えば2007年の国債の新発分は、海外が94%を買っています。その理由は、2007年、2008年と、増加発行された国債を、米国内で消化する能力がなくなっているからです。

【結論】
米国FRBの資金源は米国債しかない。従って、今後、金融・経済対策としてFRBが出すマネーは、その全額を、米国債の発行と海外への売りに依存することになります。2007年以後、資金が枯渇した米国内で消化された国債は、6%に過ぎないからです。

【次項への展開】
米政府・FRBが、(政府策で約束された)金融・経済対策のために、前記の1000兆円が必要とすれば、これを、どの国が買えるのか? 

1000兆円でなく、その70%の700兆円としても、今後6か月の間に、毎月100兆円以上を、どの国が買えるのか? ここが、米政府とFRB及び金融機関にとって、最大問題になります。

【重要】2008年末と2009年に向い、巨額に発行される米国債が、海外に売れなければ、FRBを通じた金融機関と経済への資金供与は、経済原理的には不可能です。

【(注)予備知識】その点、日本の政府部門の債務1000兆円は、1500兆円の個人金融資産があったため、国内で消化されています。ゼロ金利策をとって、金融機関と企業に300兆円~350兆円の所得移転が行われたことは、前号で示しています。日本は世帯が800兆円を預金し(銀行・郵貯)、生命保険(民間・簡保)と年金基金も増えていたので、国債を金融機関・郵貯・簡保・年金基金が買えたのです。あらゆるものには、資金源が必要です。

●【重要】以上の「米国債を海外が買わない、むしろ売る」危機こそが、今、米政府当局(財務省とFRB)の幹部が、外部に言わず、共有している恐怖です。

問い:「今後、ほぼ毎月必要な、100兆円分発行する米国債を、中国、日本、アラブが買ってくれないと、どうなるか?」 次に、これを検討します。




匿名希望
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