経済破局は来るのか?

経済破局がいつくるのかを、金貸し支配を読み解きながら、追及しています。

現在の金融危機(負債の臨界点)と、第一次大戦~大恐慌の状況3

2019年10月27日 22時52分52秒 | 日記
吉田繁治氏 ビジネス知識源408号:特別号;負債の臨界点を超えたように見える世界経済 リンク 
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■6.日本の、世界恐慌への対応

1929年の米国株の44%は、欧州、南米の国々と同じように、翌年の1930年(昭和5年)から、日本の株価下落になって波及しています。
日本は、第一次世界大戦の戦場ではなかったのですが、そのときの、米欧に同調した金融緩和と利下げが、貸出しを増やし、戦中と戦後の資産バブルになっていたからです(大戦景気:1915年~1920年)。軍需(戦争用)の輸出の増加(4倍)から工業生産が急増し、物価は上がっていました。
第一次世界大戦が、連合国の勝利で終結した1920年(大正9年)には、終戦後の欧州の生産回帰により、輸出の減少から戦後恐慌になり、1922年(大正11年)には銀行危機になり、1923年(大正12年)は、関東大震災による震災恐慌になっていました。

米国は、大戦直後の1919年(大正8年)に、金準備制、正確には「金為替準備制」に復帰していました。金の2倍を発行できる金為替本位制でした(紙幣のドルも準備通貨とするため)。
大戦後の世界は、次々に金準備制に復帰していたのです。このなかで、金準備制ではない円は、リスク資産として外為市場で乱高下していました。
円の乱高下に困っていた財界は、わかりにくく「金輸出解禁」として、金準備制の復活を要求しました。金輸出の解禁とは、輸入の決済に、金準備制に復帰した金を使うということであり、大戦前の金準備制の復活です。
浜口内閣は、金輸出の解禁を決定しました(1928年:昭和3年)。結果は、通貨の縮減による緊縮財政と、不況でした。

そのなかで、米国株が暴落して(1929年:昭和4年)、日本の株価も下がることになったのです。金準備制の当時の100円は、同じく、金準備制のドルに対して49.85ドルであり、1ドル=2円でした。
(注)第二次世界大戦後は、1ドル=360円とされ、円は180分の1に下落しています。GDPの2倍あった戦時国債を、日銀が買って、円を増発したからです。このとき、100分の1円だった銭が廃止され、1円になっています。その意味は、100倍の金額の円を発行したということです。

物価を下げて、産業を低コスト化しようとした井上蔵相の狙いとは逆行し、日本の輸出は、激減しています。一方で、海外からは「円は高すぎる(日本では金が安すぎる)」として、日本国内で円が金と交換され、金が海外流出していました。
当時の円で、2億8800万円分の金の流出でした。1930年代の金は、日本では1グラムが1.5円くらいだったので(現在は5500円)、約200トンの金が、日本から海外に流出しました。当時の日銀の金保有は740トンでした、

日本の、軽工業品の輸出先は、1位が米国、2位が中国をはじめとしたアジア諸国でした。これらの輸出相手国は、米国株の下落により、不況化していました。第一次世界大戦中には、戦争用物資として4倍に増えていた日本の輸出は、急減し、株式市場も暴落して、恐慌的な不況になったのです(1930年:昭和5年)。
株価下落からの金融の危機が、生産、雇用、所得の実体経済(GDP)の恐慌に波及した時間は、輸出経済依存だった日本が、米国より早かった(1年間での波及)。

1930年には、失業は250万人とされました。国民所得(GNP)は23%低下して77%になり、輸出需要が減って、工場の生産が過剰になったため、卸売物価も30%下がったのです。所得の減少のため人々が買えなくなったコメの価格も、37%下がっていました。コメは、この時期の主要な生産物です。これが、金融恐慌がもたらしたデフレ型の恐慌でした。

昭和の初期では、人口でもっとも多かったのは農業従事者(800万戸)でした。米価の37%下落により、赤貧の打撃を受けたのです。農村の子女には、身売りが流行っていました。行先は都市部の遊郭と下女でした。

1931年には、高橋是清が蔵相に就いて金輸出を禁止し(金解禁の停止という)、金の裏付けを切った、現在と同じ管理通貨制度に移行しています。金解禁とは金の輸出を許可することです。この許可を政府が停止すると、輸入代金の決済として、日本からの金での支払い(=金の輸出)はできなくなり、金本位制(正確には金準備制)は停止されます。金準備制とは、円の発行の裏付け資産として、日銀が金をもつ仕組みを言います。金準備制を停止すると、日銀は、現在のように、上限の枠がなく国債を買って、円を増発できます。



匿名希望
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1 コメント

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準備万端 (傍観者)
2019-10-28 00:26:03
主へ、用意だけはしているよ。

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