経済破局は来るのか?

経済破局がいつくるのかを、金貸し支配を読み解きながら、追及しています。

現在の金融危機(負債の臨界点)と、第一次大戦~大恐慌の状況2

2019年10月20日 12時11分45秒 | 日記
吉田繁治氏 ビジネス知識源408号:特別号;負債の臨界点を超えたように見える世界経済 リンク 
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■5.米国株価の暴落から実体経済の恐慌までは、4年の期間があった

1929年末の、米国の株価の下落(44%)は、世界に波及します。各国は、米国と同様に、第一次世界大戦で国債を増発し、通貨発行を増やしていたからです。銀行と企業には、「過剰な債務」が溜まっていました。
(注)これは現在と共通です。リーマン危機のあと、金融危機の対策として米国、ユーロ、中国、日本の中央銀行は、合計で20兆ドル(2100兆円)の通貨を増発し、日本以外では、それが、企業債務・世帯債務の増加になっています。

【日本とドイツの特殊事情は、借り入れによる設備投資の少なさ】
日本とドイツで、米国、欧州、中国、インドのような企業債務の問題が起こっていないのは、企業が人口減からのGDPの低い成長(1%程度)しか予想せず、増加設備投資のための借入金を増やしてはないからです(銀行貸付増加は、3%/年程度と低い)。
代わりに日本では、銀行が日銀に国債を売って得たマネー(当座預金396兆円:19年8月)を背景にして、米国債の買い、米国株の買いを行い、米国での貸し付けの増加になっています。

【海外に流出したジャパンマネー】
日本の銀行は、リーマン危機のあとの米国の株価、不動産バブルを助けています。このため、日本の対外総資産は、1018兆円に増えています(18年末:財務省)。リーマン危機のあと、日銀の通貨増発に呼応して、約300兆円も増えたのです。
このうち、直接投資(海外への工場建設など)は181兆円であり、金融的な証券投資が450兆円(主は米国債と米国株)、その他投資が387兆円です。逆に、海外が日本に持つ資産は676兆円であり、日本の対外純資産は341兆円です。
この341兆円の対外純資産が、日本のマネーの、海外純流出分です。いまは5%の円高(105.78円:8月14日)ですから、対外総資産1018兆円のうち5%の51兆円は為替評価損になっているでしょう。

ドイツでも、企業は利益から投資していて、国内の資金需要が少ない。国民の預金を預かるドイツ銀行は海外貸付を増やし、金融のリスクを証券化したデリバティブ契約を7500兆円(55.6兆ユーロ)にしています。ドイツのマネーは、日本やスイスと同じように海外に逃げているのです。
日本、ドイツ、スイスのような対外債権国では、マネーが海外流出しています。このため国内はデフレ傾向になり、為替では通貨高になります。インフレは、マネーが集まった国(米国、中国、アジア)で起こっています。

2018年までの円安(1ドル80円→110~120円台)は、GDPに対して日銀の円の増発がもっとも大きかったことを原因に起こっていたのです。円安とは、「ドル買い/円売り」の増加であり、円からドルへのマネーの流出(対外資産は増加)です。
2019年から円高の傾向になったのは、
・日銀の国債買いによる円の増発が、金利がマイナスになって(10年債でマイナス0.22%)、
・日銀は、政府の発行額面より高い価格で国債を買わなければならならなくなり、国債の買い増しが20兆円/年レベルに減ったからです。

▼米国の株価暴落の波及(大恐慌期:1929年~30年)
1929年のウォール街の株価暴落(44%)は、年が明けた1930年には、ブラジル、フランス、ボリビア、オーストリア、ドイツと波及しました。各国の大手銀行が、次々に倒産したのです。
金融危機は、通貨の危機(通貨安)にもなるので、相対的に市場価格が高くなった金が流出します。このため、第一世界大戦のあと金準備制に復帰していた英国が、(1971年のニクソンの金ドル交換停止のように)、ポンドの金交換制を放棄したのです。英国経済の没落は、このとき始まっています。
英国は、自国産業の保護のために、輸入関税を引き上げます(トランプ関税に類似しています)。それとともに、ポンド安政策を採用し、ボンド相場は、1ポンド=4.86ドルから3.49ドルへと、28%下がったのです。
米ドルは代わりに、ポンドに対して28%上がります。英国以外の国も、輸出を振興し、輸入を減らすため「チープマネー政策」をとります。米国だけは、株価暴落の中でドル高になったのです。
株価が下がり、銀行の倒産が相次いだ世界は、輸出入を自国の通貨圏内に制限する「ブロック経済」に向かいます。(注)現在の、グローバルサプライチェーンの分断に似ています。

▼フーバー大統領のモラトリアム(債務の支払い猶予)
米国のフーバー大統領は、株価崩落のあとの金融危機に対して、スムート・ホーリー法を発令し、輸入を制限する国内産業保護主義の政策をとります。(米国ファーストを唱えた、輸入と移民の制限政策に類似しています)。
同時に、フーバー・モラトリアムを施行し、全米の522の銀行を閉鎖しました。預金引き出しを、制限するためです。マネーの海外流出を防ぐために、下がった株価の中で、金利を1.5%から3.5%に引き上げることもしています。
1932年には、ペコラ委員会を発足させ、銀行の株式のインサイダー取引と、不正融資を暴きました。不正な融資が暴かれた結果は、金融収縮(融資の減少)でした。
1933年には、株価は1929年のピークから80%下がり、融資が減った経済は、GDPで45%減少したのです。
1929年(昭和4年)の株価下落から1933年(昭和8年)の、実体経済の恐慌まで4年の、複雑系(多要素)の波及期間を要しています。第一次世界大戦(1914年~18年)での通貨増発からは、約15年です。
米国の失業率は25%に達し、閉鎖された銀行は全米で1万行に達し、1933年には全部の銀行が閉鎖され、預金の十分な引き出しができなくなったのです。



匿名希望
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2 コメント

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いよいよがいよいよですか? (傍観者)
2019-10-21 02:19:54
中国経由ドイツ銀行破綻間近ですかね。自分としては日本に寄生した在日銀行と在日企業が一挙に潰れてくれた方が痛快ですがね。前者は朝鮮みずほ銀行、後者は云わずと知れたソフトバンクですな。継いでに経団連こと朝鮮経団連が内部保留した有り金全部がバブル崩壊すれば日本に、日本人に憂い無しになるでしょうな。
更新頼もう (傍観者)
2019-10-22 20:24:46
二階堂ドットコムが斬り込んだ霊倭天皇即位話。偽物が跋扈して税金をバカ使う偽物天皇に怒り心頭の気持ちが理解出来ます。こんなのが即位では益々日本が混乱しますな。つきましては、とあるブログの貧乏かわせみと言う悲惨なブログも一読願いたいです。

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