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武士の家計簿

2010-12-21 | 映画 は行
堺正人さん主演の「そろばん侍」映画、見てきました~。
公開まもなくだったので、中高年のご夫婦が多くほぼ満席。人気のほどが伺えます。
猪山家の「家計立て直し作戦」をみて、我が家でも家計の仕分けをせんとあかんかなぁ~。
食器や衣類など使っていないもんがたんとあるなぁ~と、映画を見終わって反省した次第です。

CMでも流れている、松阪慶子さん扮する母上の「いつか着るー!」の台詞、
私も心の中でこの台詞を呟きつつ、衣替えの度にあっちからこっちとと同じ場所を往復させています。
「痩せたら着れるかも?」いつになったら着られるんや~?の声が・・・。

  
     ******************

          武 士 の 家 計 簿

     ******************

 
古文書から幕末武士の暮らしを読み解いた古文書ハンター磯田道史先生の
「武士の家計簿『加賀藩御算用者』の幕末維新」を基にした映画です。
氏曰く、「古文書は今を生き抜く知恵の海」とか。
NHKの「爆笑問題のニッポンの教養」に出演されたのを見逃したなぁ~残念と思いながら
テレビ付けっぱなしで掃除をしていたら・・・何という偶然!!!再放送が始まりました~
こんな偶然滅多にないよ~っと・・・しばし手を止めて視聴。
30分ほど番組を見て、この先生の古文書に、歴史に賭ける意気込みの凄さに圧倒されました。
朝から図書館にこもって古文書と格闘し、貧血を起こして救急車で運ばれという武勇伝、デンデン。
「忍者の古文書を研究し忍者の実像に迫りたい」「歴史の一部でなく総体を解明したい」と
目を輝かせて語る姿、こんなに夢中になれるものに巡り会えるって羨まし~いかぎりです。
     
                 
< ストーリー >
御算用者として加賀藩に代々仕えてきた猪山家の八代目・直之(堺正人)。
息子の「袴着の祝い」行うにあたり、猪山家が膨大な借金を抱えていることを知り、一大決心。
「家計立て直し作戦」を宣言し、体面を重んじる武家社会のなか世間の嘲笑を浴びながらも、
家財を売り払い一家を挙げて質素倹約に努め、借金返済に邁進する。


遠い昔、学生時代の歴史の授業で、江戸時代の大飢饉や百姓一揆、数々の「○○の改革」なんてのを習いました。士農工商の一番上にランクされてはいても、武士の中にもいろいろランクがあって、
浪人や下級武士は勿論のこと、本作の主人公猪山家の台所事情はなかなか厳しかったようです。

映画のチラシには「武家社会には身分が高くなるにつれて出費が増えるという慣習があり」・・・
という説明がありますが、映画では(私が見落としていただけかも)そういう風には感じられませんでした。
そこそこ優雅に暮らしていた一家が息子の「袴着の祝い」をきっかけに借金を抱えていることが発覚
という風に描かれていて、直之はそれまで気づかなかったの?と疑問に思ってしまいました。

磯田先生の解説によると・・・、
武家の者は外出時必ず草履取りや下女を従えており、使用人を抱える必要経費がかさんだとのこと。
(一人で出歩くのは裸で外を歩くようなものだったらしいです
その上、祝い事をはじめ親戚は一年に200回ほど訪問しその都度もてなしに出費がかかったとのこと。
これを身分費用と呼んでおられました。身分が上がり付き合いが増えると、当然経費は跳ね上がり、
好むと好まざるとに関わらずかかる身分費用は、1軒だけ止~めたという訳にいかなかったようです。

1200万円の収入に対し借金は倍の2400万円、年利18%!のローン地獄 
見栄を張ったらジリ貧ですわ。
日本の財政も赤字国債を発行し続け、債務残高900兆円! GDPの2倍やそうです 
っと聞いてもようわからん・・・あのギリシャでもGDPの1.3倍!アイルランドでも0.8倍!
両国ともいよいよ付加価値税(消費税みたいなもん)は23%になるそうです 
一体この先どうなるの~? 

猪山家は直之の提案で、長屋住まいに転落する前に恥も外聞もかなぐり捨て倹約生活に突入する
日本の天文学的借金を何とかしようと腹をくくる政治家や官僚はおらんのかぁ~?

値が張る書籍と妻の衣類を中心に、弁当箱から欠けた茶碗に至るまで計88品目を売却し
1025万円也を返済
「とんでもない家に嫁にきたと思っていないか?」という質問にウィットで返し、限られた予算で
工夫するのは楽しいという妻。
父上も母上も、おばばさまも、子供もグッと我慢。

子供には「お家芸」たる「そろばん」や武士としての心意気を厳しく教え込みます。
家を栄えさせるのに必要なのは、しっかり家計守ることと子供の教育ですね。 耳が痛い~。
徹底した倹約と厳しい教育があったればこそ、幕末・明治の激動の社会変革の中、猪山親子は
生き抜くことができたということですね。

         絵に描いた鯛
真面目で律儀、融通の利かない堅物「そろばんバカ」直之には笑顔の爽やかな堺雅人さん
ぽわ~んとしたかわいい家付き娘のお母上を松阪慶子さん
ウィットの効いたしっかり者の嫁には仲間由起枝さん
孫たちに「鶴亀算」など算術を教える矍鑠(かくしゃく…読めな~い)としたおばばさまに草笛光子さん
昔の手柄話が十八番のお父上には中村雅俊さん
猪山家の面々の至って真面目な倹約大作戦が笑いを誘います。


古文書ハンター磯田道史先生の「猪山家の家計簿」を読み解いての感想は、
「30数年に亘って、よくもまぁこれだけ細かく記録をつけたもんだなぁ~」でした。
細かく記録する優秀さはあるが大きいスケールでものを見ていないのが、日本人のこけやすさではないかと。一般庶民に至るまで文書が残る日本。前近代の社会でこんなに記録がある国は世界に類を見ないそうです。
公的資料として公開は遅れているが私文書は大量にある。ここに今の日本人の原型があるようだと。

映画だけでなく、
磯田先生のユニークな人となりを遺憾無く発揮しているインタビューを合わせてみると、
最高に面白いですよ


因みに・・・猪山直之の孫の綱太郎は海軍兵学校で「坂の上の雲」の秋山真之と同期だったそうです。



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3 コメント

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Unknown (Roko)
2010-12-23 10:59:57
ryokoさん☆こんにちは
直之さんの一途な思いが、家族を一つにまとめたのだろうなぁ~なんて思いました。
厳しく育てられて一度は反発した長男が、最後には父親の存在の重要さに気付くラストがとても好きです(#^.^#)
日本インターネット映画大賞募集中 (日本インターネット映画大賞)
2010-12-26 12:38:16
突然で申しわけありません。

現在,2010年の映画ベストテンを選ぶ企画
「日本インターネット映画大賞」を開催中です。
投票締切は1/20(木)。
ふるってご参加いただくようよろしくお願いいたします。
Unknown (Rokoさんへ(ryoko))
2010-12-27 00:48:12
教育は難しいですね。
親から言われたことって結構覚えているもんで、感謝することもありますが、理不尽だったなぁと想うこともありますよ。

「拾ったお金で帳尻を合わせることは、武士としてやってはならん」という件、ハッとしました。

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