映画の話でコーヒーブレイク

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ブルー・ジャスミン Blue Jasmine

2014-05-09 | 映画 は行
いよいよ明日10日から公開です。
ここ数日、テレビで予告CMが流れています。
でも…なんだか違和感が。
「わたし、これでオスカーをとりました」というキャッチコピーにかぶるケイトの形相がすごい!
どちらかというとコメディーかな?っとおもえるようなイメージです。
連休前に一ツ橋ホールで行われた試写会で見たのですが、
テネシー・ウイリアムズの戯曲「欲望という名の電車」の現代版といったストーリーで、
セレブ生活から転落し病んでゆく主人公が哀れで痛ましい。
哀れが過ぎるとある意味コメディになるのか?
いやいや、ただただ痛ましかったですが・・・。

監督はウディ・アレン。
主演のケイト・ブランシェットが本年度アカデミー賞・ゴールデングローブ賞で主演女優賞受賞です。
前作の「ローマでアモーレ」や「ミッドナイト・イン・パリ」とはうって変わって、シリアスなストーリーです。
アレン監督作と知らなければ、彼の作品だとわからないかも?
全編を通して流れるゆったりとした「ブルー・ムーン」のレトロな旋律に、
いつの時代の話だっけ?と思ったりもしましたが現在の話です。


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             ブ ル ー ・ ジ ャ ス ミ ン

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 < ストーリー >
ジャスミン(ケイト・ブランシェット)は夫ハル(アレック・ボールドウィン)とニューヨークで
贅沢な生活を送っていたが、違法な取引を行っていたかどで夫が逮捕され全てを失うことに。
サンフランシスコに住む妹ジンジャーのもとに身を寄せるが、セレブ生活を引きずり周りから浮いて
しまう。インテリアコーディネーターを目指し学費と生活費のために歯医者の受付の仕事を始めるが、
歯科医からセクハラを受け辞める。神経をすり減らし、酒量が増えるジャスミンだったが、
あるパーティーで政治家を目指す外交官ドワイトと出会い、やっとセレブの生活を
取り戻せると意気込むが・・・。

  
    姉妹といっても、ふたりとも養子なので血のつながりはない。

全てを失い、冷たくしていた妹を頼ってサンフランシスコに向かう機内から物語は始める。
聞かれてもしない夫との優雅な生活を隣の席の見知らぬ女性に話し続けるあたりから
彼女が既に精神的に参っていることがうかがわれます。
ニューヨークでの過去のリッチで優雅な生活とサンフランシスコでの厳しい現実が交互に描かれ
転落してゆく過程の中でジャスミンの人となりやこれまでの人生が鮮やかに浮かび上がってきます。
      

文無しになってもファーストクラスに乗り、ヴィトンのバッグを持ちシャネルスーツに身を包む。
自分のことは棚に上げ、かつてひどい目にあわせたのに受け入れてくれた優しい妹の生活を非難する。
地道に学校へ行って生計を立てるのかと思いきや、突然現れた金持ちのドワイトに出会うと
九回裏ツーアウト、絶体絶命のタイミングで起死回生のホームラ~ンをかっ飛ばすが如く、
嘘で固めて妻の座へ納まろうとするのですが…。

人は喪失時の心理を5段階に分けて受容していく「喪失の5段階」という心理学のがあるそうです。
 1.否認 → 2.怒り → 3.取り引き → 4.抑うつ → 5.受容
ジャスミンは4段目の抑うつで見つけた一条の光にすがるも、その光が消えたことで崩壊し、
受容には到達できなかった。

    
       妹夫婦は宝くじの当選金で商売を始めるつもりだったのに…。
      二組の夫婦を見ていると、金持ち夫婦の嫌らしさが目に付く。

FRBの議長に女性が就任し、次期大統領に女性が有力視され、名だたる大企業のCEOに女性が
名を連ねているいま、結婚で大学を中退しやり手ビジネスマンの妻に納まったことで
セレブ生活を送るという設定に、リアリティがあるのかしら?
ジャネットはダサいからとジャスミン・フレンチと名前を変え、ヨーロッパのブランド物で固め、
チャリティに精を出す。夫は成功したビジネスマンという触れ込みだが、詐欺まがいのビジネスに
手を染めている。見掛けの幸せを守るために、見て見にふりをするジャスミン。
人がうらやむ豪華な生活の実情は夫婦ともに空っぽです。

彼女が転落人生の憂き目にあうことになった一押しとは? そこに「欲望という名の…」にはない
ウディ・アレンの仕掛けた驚きの真実がかくれています。
嫉妬に狂ってジャスミンが取った行動は、まるで手にしたお菓子を落として、それを踏んづけて
もう誰も食べれないと自らを納得させる子供のよう。失ったものは大きい。

     
      新たに出会ったドワイト。ジャスミンは上流階級を装うが・・・。
      ケイト、綺麗です。

ドワイトは政治家を目指しているというが、ジャスミンの嘘に引っかかるようじゃ、政治家として
如何なものか? 


ジャスミンに注目して見ていると哀れで痛ましいが、ちょっと引いて見てみると滑稽な
ブラックコメディなのかもしれませんね。
人間の抱える性(さが)や幻想、社会の建前や本音、ひずみを見せつける「痛い」ストーリーでした。




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 ***** 見た 映画 *****

 4月25日 「ブルー・ジャスミン」@一ツ橋ホール試写会

 5月6日  「プリゾナーズ」 @TOHOシネマズ海老名

       「ネイチャー」 @TOHOシネマズ海老名


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2 コメント

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やれやれ 困った女です (zebra)
2014-08-18 10:22:29
ジャスミン なんなんですかね・・・

 このふるまい みてると 胃がムカムカしますね。

けど それでいて ブラックユーモアの憎めない気持ちになるのはウッディアレンの演出の技術の賜物です

ジャスミンはロッキー3で ミスターTこと 黒人ボクサー グラバーラングにズタボロのKO負けして 王座から転落したロッキーの心境ですよ。
 アイオブザタイガー”虎の目”どころか 目が座ったブツブツ つぶやき女に変わり果てたジャスミン・・・

ジャスミンはしょせん 虎は虎でも・・・
張子の虎ですよ!!! 見栄はって空威張りしてるだけ! 彼女はロッキーみたいに返り咲きできるようなタマじゃありませんね。

セレブ三昧で 人生の経験ゼロ。そんな世間知らずの見栄っ張りに振り回される 周囲の者たちの気持ち 考えてみてくださいよ、とジャスミンに言ってやりたい
Unknown (zebraさんへ(ryoko))
2014-08-18 18:08:14
こんにちは。
コメントありがとうございます。
>ジャスミンは張子の虎
ですね~。見ていて痛かったですね。
「欲望という名の電車」のブランチは没落農園の娘の転落ですが、ジャスミンは養女で元々リッチだったわけではないですから、また一から頑張るというガッツがあってもよさそうなものですよね。
あの後、一体どうなってしまうのか?目が座ってブツブツつぶやく姿は…怖かったです。

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