映画の話でコーヒーブレイク

映画の話を中心に、TVドラマや旅行の話などを綴ります

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オレンジと太陽  

2012-07-17 | 映画 あ行
最近なんだか映画館から足が遠のいていました。
絶対見たい!っと思う映画がなかなかなくて、すっかりデブ症、いえ出不精になってました。

2か月ほど前、ラジオでピーター・バラカンさんが本作の紹介をしておられるのを聞き、
是非見たい!と思っていたのですが…東京の岩波ホールでの公開のみ。
やっと横浜「ジャック&ベティ」で公開となり、久しぶりに映画館で見てきました

英国で1970年まで行われていた「児童移民」の実態を明らかにした女性活動家の実話を基に
した映画です。
英国で、ごく最近までこんなことが行われていたことに驚くとともに、
強迫や嫌がらせを受けながらも、真相究明に取り組んだマーガレット・ハンフリーズさんの
強さに心打たれました。



    *********************

          オ レ ン ジ と 太 陽 

    *********************


             

< ストーリー>
1986年のある日、英国ノッティンガムでソーシャルワーカーとして働くマーガレットは、見知らぬ女性から
「自分の出自を調べてほしい」と訴えられる。4歳の時に子どもだけで船に乗せられオーストラリアに
送られたのだという。俄かには信じられない話だったが、調査を始めると、福祉の名のもとに
密かにオーストラリアに送られていた子供たちが大勢いたことが判明し、彼女の活動を知った人たちから
同様の依頼が殺到する。同時に彼女に対する非難と反発も起こり・・・。


映画を見て、驚きました。
孤児や、貧困などの理由で親が育てられない子供たちを海外の植民地に送っていたなんて。
それも「親は死んだ」「子供は英国の家庭に養子縁組された」など嘘のの説明を受けていたとは。

本作ではオーストラリアに送られた子供たちにフォーカスしていますが、
調べてみると「児童移民 Home Children」の歴史は古く、1618年に北アメリカヴァージニア植民地に送られたのが最初です。
以降、カナダ、ニュージーランド、南アメリカ、ローデシア(現ジンバブエ)など、
英連邦の国々の人口を増やし労働力を確保する手段として350年の長きに亘って150000人の子供たちが送られたというのです。
また、英国内の施設で面倒を見ると子供一人当たり1日5ポンド費用が掛かるのに対し、
オーストラリアの施設ならその10%で済むという金銭的な思惑もあったようで、国家としては一挙両得だったのでしょう。

第二次大戦以前は、どこの国でも人権という意識は低く、子供といえども労働力として
農場や工場・商店で働いてたのは当たり前。
日本でも丁稚奉公や子守に出されたり、遊郭に売られたり、女工哀史のようなこともありました。
しかしながら、英国では1970年まで子供たちがオーストラリアに送られていたということが衝撃的でした。
1970年って大阪万博の年ですよ。
何故1970年までだったんだろう?と調べていたら、納得できる理由がありました。
「白濠主義」という言葉をご存知でしょうか?
若い方はご存じないかもしれませんが、「白人」以外の人種の入国・定住を排斥するという
当時のオーストラリアの政策です。
「白人」の労働力の必要性から、英国から「白人」の子供たちを受け入れ続けていたということです。
そして労働力不足から政策を転換し「白濠主義」を捨て有色人種をも受け入れることにした年が1970年だったのです。

マーガレットの調査により、歴史に埋もれ、忘れ去られていた人たちに対し、
2009年にオーストラリアのラッド首相が、2010年に英国のブラウン首相が正式に謝罪し、補償金を支払い、
家族を探す活動等に基金を設立しています。


彼女の調査で英国から送られた子供たちの実態が明らかになっていきます。
全員が酷い扱いを受けたということではないでしょうが、多くの人たちが酷い扱いを受け
数十年経った今も大きな傷を抱え苦しんでいるとうことを知り、胸が痛くなりました。

この政策にはカトリック教会も関わっていて、ろくなものも与えられず、労働を強いられ、
果ては性的虐待をも受け、成人してからは育てた費用を返還を迫られたという話には
怒りで震えました。

何かして欲しいのではなく「自分が何者なのか」「母が生きているのか」が知りたいという姿に
涙がこぼれました。

強迫にもひるむことなく戦うマーガレットの強さと、彼女を支える夫や子供たちの姿にも心を動かされました。

マーガレット・ハンフリーズさんは2011年大英帝国勲章CBE(Commander of the British Empire)の称号を
受けられています。






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 ***** 見た 映画 *****

 7月13日 「サラの鍵」 DVD クリスティン・スコット・トーマス主演

       「阪急電車 片道15分の奇跡」 DVD 中谷美紀、宮本信子主演

       「恋の終わりの始め方」 DVD アレック・ボールドゥイン主演

 7月15日 「ジュリエットからの手紙」 DVD

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