映画の話でコーヒーブレイク

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ウルフ・オブ・ウォールストリート The Wolf of Wall Street

2014-02-07 | 映画 あ行
レオナルド・デカプリオ主演、マーティン・スコセッシ監督の注目作品ですが、何と!179分の長さです。
インド映画もだいたい3時間ですが、本作には歌も踊りもありません。
あるのは酒池肉林。金をばら撒き、酒と女と麻薬に溺れ倒す姿を大スクリーンで2時間半ほど見せられ、
正直なところ疲れました。
間違ってもカップルがデートで見る映画ではありません。
私の隣に座ったカップル、途中から飽きたのか?順番にトイレに立ち、しゃべり出したのには閉口。
公開中の「アメリカン・ハッスル」同様、実話に基ずく詐欺事件なのですが、
「アメリカン・ハッスル」には最後に愛があったけれど、本作の後味は悪い。

日経の金曜夕刊の映画欄では4つの高評価で、「スコセッシが迫るのは無秩序だった証券界の
内幕でなく、90年代という時代の精神だ。手っ取り早い金儲けがそこらに転がっていた時代、
誰もが狂騒の中にいた」として時代の狂気が彼らを破滅に向かわせると書いておられました。
90年代って日本ではバブル景気に沸いていた頃。アメリカでも…そうだったの?


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         ウルフ・オブ・ウォールストリート

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 < ストーリー >
学歴も知識もないまま、22歳でウォール街の投資銀行ロスチャイルドで働きだしたジョーダン。
入社早々、酒と麻薬に溺れる上司から「金持ちから金をむしり取れ」と教えられ、さあこれから
という時にブラックマンデーで職を失う。ブローカー募集に応募し、手数料の高いペニー株の
売買を知り、巧みな話術で顧客を掴む。麻薬のディーラーをやっていたような男たちを仲間に、
自分の売り込みノウハウを教え、26歳で証券会社を設立し、富と名声を手に入れ、
ウォール街のウルフと呼ばれるようになり、連日の乱痴気騒ぎ。
浪費の限りを尽くして世間の話題を集めると共に、FBIにも目を付けられ・・・。

    乱痴気騒ぎ             
この映画でデカプリオ(プロデューサー)は、スコセッシはなにを訴えたかったのでしょう?
日経のインタビューで、デカプリオは「人間の暗部を描き、警鐘を鳴らす映画だ」と語って
いるのですが、この映画が警鐘を鳴らしているとは思えませんでした。
これだけハチャメチャなことをして20年の求刑を受けたのに司法取引で22カ月の収監。
服役中出会った男に自伝だか回顧録だかを書くことを勧められて書いたのが、本作の原作である
『ウォール街狂乱日記 「狼」と呼ばれた私のヤバすぎる人生』と「Catching the Wolf of Wall Street」。
18言語で世界40か国で出版され、現在はモティベーショナル・スピーカー(啓発セミナーのスピーカー)
として公演活動をしているというんです。
こんだけのことをしてこの程度の服役でいいんだろうか?
なんだかなぁ~と思いつつこの映画に感じた違和感。
詐欺とマネーロンダリングが罪状ですが、一人の被害者も登場しないんです。
被害者の投資家たちへ1億1040万ドルの返済が命じられたにもかかわらず、本の売り上げや映画の版権
があるにもかかわらず、1513名の被害者顧客に対してごく一部しか返済していないようです。
これじゃぁ映画を見て「ジョーダンみたいになりたーい!」と思う若者が出てくるんじゃないか?
っと心配です。冗談じゃないよ~。
やっぱりオリバー・ストーンの「ウォール街」や「ウォール・ストリート」のような納得できる結末でないと…。

    
しかしまぁ、ジョーダンのスピーチはまるでヒットラーの演説のよう。息もつかず、オーバーアクションで
青筋立てて話し続け、顧客のみならず、従業員たちをも魅了する。カリスマです。
彼の巧みな言葉に煽動され、酔いしれ、ハイになり、市場が開くと同時に、顧客に電話をかけまくり、
マシンガントークで勧誘する従業員たち。1日500本電話するようです。
儲かる仕組みを作り、人を煽動し、大金を手にするジョーダン。
頭のいい奴なんだろうと思うのですが、どうして途中で止めないんでしょう?
どう考えてもこんなことが永遠に続くとは思えないのに。
破滅へのカウントダウンが始まっているというのに、生活を変えないどころかアクセルを踏んでいる。
長野県の年金基金約24億円を横領し、銀座で、ハワイやタイで豪遊の末逮捕された日本人の男。
逮捕時の所持金はわずかだったとか。どう考えてもばれないはずはないのに…。
行き着く先はわかっているけれど、止められない止まらない…中毒症状の様なものなんでしょうか?

大きな事件が発覚し逮捕されても、同様の詐欺事件は繰り返される。
やっぱり、お金は魔物やね~。


資金洗浄で登場するスイスの銀行員に「アーティスト」でアカデミーを受賞のジャン・デュジャルダン。
ジョーダンにディーラーのいろはを教える上司にマシュー・マコノヒー。
あれぇ?なんだか痩せて老けたなぁ~と思ったら、アカデミー主演男優賞ノミネートの「ダラス・バイヤーズクラブ」で21㎏の減量をしていたんですね。
     
2番目の妻を演じるマーゴット・ロビーは「パンナム」で美人スチゥワーデスを演じていました。
本作でも美しいです。


派手なパフォーマンスでアメリカで人気を博した鉄板焼きチェーン「BENIHANA ベニハナ」の
ロッキー・青木氏の話が出てきたときにはビックリ。
1999年インサイダー取引で不正な利益を得たとして有罪判決を受けたんですと。
青木氏は既に亡くなっておられますが、ここでこの話を出すかねぇ。



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 ***** 見た 映画 *****

 2月 4日 「ラ・ワン」DVD インドのSF映画

 2月 5日 「ウルフ・オブ・ウォールストリート」@TOHOシネマズ海老名