徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

そよ風のようなひと

2018-09-20 10:42:35 | スポーツ一般
 3日前の月曜日、祭りは終わったものの連休最終日とあって、上通りの人出は多かった。そんな人波をかいくぐるように、ふっと車椅子の女性が現れた。その瞬間、「中尾さんだ!」とわかった。中尾さんとは、かつて三段跳びなどのトップアスリートとして活躍したが、不幸な事故により現在は車椅子のパラ陸上選手としてメディアでも度々話題になっている人である。僕は彼女がトップアスリートだった頃、陸上競技場では何度も見ているが、車椅子に乗っている姿をナマで見たのは初めてだったのでちょっと不思議な気がした。さわやかな笑みをたたえた彼女はふっと人波の中に消えた。そよ風が頬を撫でて通り過ぎたような気がした。
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玄海竜二さん 死を覚悟した舞台

2018-09-19 18:09:30 | 音楽芸能
 今日のKKTくまもと県民テレビの情報番組「てれビタ」で、先日、長いリハビリを経て舞台復帰を果たした大衆演劇界の重鎮・玄海竜二さんが、家族や仲間やファンらに支えられながら舞台を務めた当日の様子をリポートした。
 8日、嘉穂劇場(飯塚市)で「全国座長大会」が行われ、全国から約40人の座長が一堂に会し舞踊や芝居で競演した。玄海さんはこの舞台を復帰の場と定め、リハビリに励んできたが、直前に「誤嚥性肺炎」で再び倒れ、出演は危ぶまれていた。しかし、舞台の上で死んでもいいという玄海さんの気迫が出演に漕ぎ着けた。鬼気迫るようなその舞台は、玄海さんの復帰を待ち望んでいた多くのファンの感動を呼んでいた。この嘉穂劇場は、玄海さんの父、2代目片岡長次郎さんの最後の舞台となったゆかりの芝居小屋。その時の演目と同じ「王将」を座ったまま舞い、万雷の拍手を浴びていた。来年は熊本での舞台復帰を目指すという。


「王将」を舞う玄海竜二さん
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秋のくまもとお城まつり

2018-09-18 20:11:50 | イベント
 毎秋恒例の「秋のくまもとお城まつり」が10月6日(土)より熊本城二の丸広場で始まります。
 様々なイベントが予定されていますが、個人的に下記の三つは特に見逃せません。

◇熊本城流鏑馬
  2018年10月21日(日) 10:30~12:00
  出演:武田流流鏑馬保存会



◇熊本城薪能
  2018年10月6日(土)18:30~20:00
  出演:金春流
  番組:仕舞「羽衣」「船弁慶」
     狂言「附子」
     能 「半蔀」



◇第17回熊本城島唄コンサート
  2018年10月8日(月祝)17:30~20:00
  出演:古謝美佐子、佐原一哉、琉球國祭り太鼓熊本支部
     中村花誠と花と誠の会、舞踊団花童
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御旅所で能を観ながら…

2018-09-17 21:27:24 | 日本文化
 「Aso4」と呼ばれる約9万年前に起きた阿蘇カルデラ噴火の火砕流堆積によって出来た京町台地の南西端が藤崎八旛宮の段山御旅所。能舞台に迫る切り立った崖はその火砕流堆積の痕跡である。2年半前の熊本地震で崖の一部が崩れたため、昨年、コンクリートの防護壁が造られた。これによって崖崩れのおそれは無くなったが、風情は損なわれた。また、晴れるとこの白いコンクリートがハレーションを起こし、橋掛かり側からの撮影には支障をきたすようになった。安全性優先だからやむをえないが、何だかなぁ…
 能は千番見るまで語る資格なしといわれる。僕なんかまだ百番にも満たないし、いまだ語るほどの知識も持ち合わせていない。だからいつも素人感覚の感想しか言えないが、逆に今だからこそ感じとれるものもあるのではないかとも思う。昨年の藤崎宮例大祭は台風で日程が3週間延期になり、出演予定だった能楽師の多くが日程確保できず、番組が大幅に変更になった。内容的には不満足な思いが残ったが、今年は若手実力派が揃い、とても見ごたえのある番組となった。「高砂」の塩津圭介や「半蔀」の友枝雄人など、これからの能楽界をリードして行くであろう能楽師たちの若手らしい溌剌とした舞台を観ることができたのは何よりも嬉しかった。御旅所の一角に御神幸の神輿が一時安置してあるのでお賽銭をあげて参拝したが、これだけ充実した能舞台を無料で観られるなんてこんな幸せなことはない。


熊本地震前の段山御旅所北側の崖


金春流 半能「竹生島」後シテ:田中秀美 後ツレ:古閑祥高 ワキ:飯冨雅介 ワキツレ:岡充
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御旅所御能組 ~藤崎八旛宮例大祭~

2018-09-16 19:33:11 | 音楽芸能
 第410回 藤崎八旛宮例大祭 御能組
 2018年9月16日(日)段山御旅所


喜多流 半能「高砂」後シテ:塩津圭介 ワキ:飯冨雅介 ワキツレ:岡充


金春流 半能「田村」後シテ:秋山純晴 ワキ:岡充


和泉流 狂言「舟船」太郎冠者:東信彰 主:田嶌晴雄


喜多流 能「半蔀」シテ(前・後):友枝雄人 ワキ:坂苗融


金春流 半能「竹生島」後シテ:田中秀美 後ツレ:古閑祥高 ワキ:飯冨雅介 ワキツレ:岡充
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今週のカバー写真 ~ 雅楽 ~

2018-09-15 17:19:06 | 音楽芸能
 明日の藤崎八旛宮例大祭御神幸の段山御旅所での御能奉納に先立って行われる神事では雅楽が演奏されます。雅楽演奏を間近で見ることはめったにありませんので毎年楽しみにしています。まさに雅なその音色を聞いていますと、千数百年におよぶ悠久の歴史ロマンを感じます。
 写真は手前から笙(しょう)、篳篥(ひちりき)、龍笛(りゅうてき)、鉦鼓(しょうこ)、鞨鼓(かっこ)などが見えますが、雅楽楽器には他に太鼓、琵琶、筝などがあります。
 余談ですが、今日、能楽界のリーダーの一人である能楽師・友枝昭世さん(人間国宝)の友枝家は、今から千年以上も昔、祇園社(北岡神社)が京都八坂神社より勧請された時、供奉して肥後にやって来た楽人(雅楽を演奏する人)の子孫だそうです。

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藤崎八旛宮例大祭 ~飾馬飾卸~

2018-09-14 19:59:45 | 歴史
 ラフカディオ・ハーンが「気違いじみた大祭」と称し、種田山頭火が第二の故郷の祭りとして懐かしんだ藤崎八旛宮例大祭が始まった。今日は明後日の御神幸「随兵」に奉納される飾馬70頭の飾り卸しが行われた。朝から勢子たちの鳴らす鐘太鼓やラッパが街中に響き、熊本人のテンションは徐々に高まって行く。
 420年前、朝鮮の役から無事帰還した加藤清正が八幡神に感謝し、自ら随兵頭となって100名の兵を従え、御神幸に供奉した故事に倣う行事である「随兵」。いつの頃からか、氏子や町衆が飾馬を奉納するようになり、馬追いの勢子たちの賑やかな囃子が祭りを盛り上げる重要な要素となった。


一番 鳥居基


二番 水道町
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「この道」 ~北原白秋の半生~

2018-09-12 21:23:23 | 映画
 来年早々に楽しみな映画が公開される。佐々部清監督の「この道」だ。鈴木三重吉が興した「赤い鳥」運動に参画した北原白秋の半生を、山田耕筰との関係などを中心に描くらしい。佐々部監督の作品は最近こそ見ていないが、「日輪の遺産」(2011)あたりまではほとんど見ている好きな監督の一人。どんな白秋像を描くかお手並み拝見だ。
 昨年他界された「評伝 海達公子」の著者、規工川佑輔先生がご健在ならどれほど楽しみにされたかと思うと…
白秋の愛弟子でもあった公子について研究された規工川先生は、白秋についても精通しておられて、よくお話を聞かせていただいたものだ。この映画でそれがどう表現されているかじっくり見てみたい。
 北原白秋を大森南朋、山田耕筰をEXILE AKIRA、鈴木三重吉を柳沢慎吾が演じている。他の出演者は貫地谷しほり、松本若菜、小島藤子、由紀さおり、安田祥子、津田寛治、升毅、羽田美智子、松重豊など。

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随兵寒合と「秋の色種」

2018-09-11 20:33:40 | 音楽芸能
 朝晩めっきり涼しくなり、明け方には布団が恋しいほどです。異常に暑い夏が続いたせいか、その落差を例年以上に感じます。
 今週末には熊本市秋の風物詩、藤崎八旛宮例大祭が行われます。昔から、この祭りを境に熊本は急に冷え込んで来ることから、熊本の人たちはこのことを「随兵寒合(ずいびょうがんや)」と言ってきました。確かに幼い頃、父に手を引かれて朝随兵を見に行く時、肌寒さに震えながら行っていた記憶があります。今では祭りの開催日が変動するようになったこともあり、「随兵寒合」を実感することが少なくなったような気がします。今年は「随兵寒合」が少し前倒しになったようです。
 野山へ行くと秋の草花が咲き始めました。この季節になるときまって聞きたくなるのが「秋の色種(あきのいろくさ)」。秋景色を描写したお座敷長唄の代表曲ですが、この映像はその一部「琴の合方」です。


三味線:今藤珠美社中
  筝:下田れい子
 鳴物:中村花誠と花と誠の会
 振付:中村花誠
 立方:ザ・わらべ
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ブラタモリ 酒田編(9月29日放送)

2018-09-10 23:00:18 | 歴史
 今月29日(土)に放送予定の「ブラタモリ 酒田編」(NHK総合)は、わが熊本にもゆかりの町であり、放送が楽しみだ。酒田は東北は山形県、日本海に面し、かつて北前船の寄港地として栄えた港町。江戸時代の酒田は鶴岡とともに庄内藩の主要な町。この庄内藩は藤沢周平の小説「蝉しぐれ」や「たそがれ清兵衛」などの舞台となった架空の「海坂(うなさか)藩」のモデルでもある。
 庄内藩を経済的に支えたのが本間家。本間家は酒田を拠点に金融業や米取引、北前船交易などで莫大な富を築き、16万石の庄内藩主を超える財力を有していた豪商。歴代の本間家当主は私財を投げうって、明治維新期の戊辰戦争時まで庄内藩を支え続けたという。
 寛永九年(1632)に肥後熊本藩主を改易された加藤忠広は庄内へ配流となり、庄内藩主・酒井忠勝お預けの身となった。1万石を与えられ、母や側室、少数の家臣とともに丸岡に居を構えるが、実質的には蟄居であり、子を生すことは幕府から固く禁じられた。それから21年後に忠広が死去、忠広と同時に飛騨高山に配流された嫡男の光広はわずか1年で死去していたので加藤家は断絶したということになっていた。ところが、実際には忠広が丸岡でもうけた一男一女がいたと伝えられており、幕府の追及を逃れたこの二人の血筋が新堀加藤家と大山加藤家として今日まで続いているという。そして新堀加藤家は前述の酒田本間家と姻戚関係となり、大山加藤家は鶴岡市で富士酒造として酒造業を営んでいる。数年前、知人から鶴岡旅行の土産としていただいたのが富士酒造の「有加藤」だった。
 29日の放送では、本間家に伝わる加藤清正ゆかりの品も登場するらしい。
※「無題・休題-ハバネロ風味-」さんに資料を提供いただきました。


2011年に復元された北前船「みちのく丸」が酒田港に寄港した時の様子


酒田本間家本邸


鶴岡・富士酒造の日本酒「有加藤」



湊町華やかなりし頃を髣髴とさせる酒田舞娘。
動画の後半に熊本の「おてもやん」と原曲が同じだという「酒田甚句」が入っています。
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落語「明烏(あけがらす)」

2018-09-08 15:40:13 | 音楽芸能
 「落語ディーパー!」(NHK-Eテレ)の新シリーズが始まった。毎回、春風亭一之輔師匠や若手落語家たちと堂々と渡り合う俳優の東出昌大の落語に対する造詣の深さに驚き。第1回は、遊廓を舞台にした廓噺(くるわばなし)の中でも代表的な「明烏」。吉原の遊女浦里と春日屋時次郎の情話を節付した新内節「明烏夢泡雪(あけがらすゆめのあわゆき)」がもとになっている。遊女との一夜が無粋なカラスの鳴声とともに明け、後朝の別れをせねばならない。そんなつれないものの象徴が明烏なのである。この落語の面白さは登楼する前と後で立場が逆転するオチ。

▼「明烏(あけがらす)」あらすじ


 新内節「明烏夢泡雪」をもとに音曲、歌舞伎、落語など多くの「明烏モノ」が作られた。それらに共通するのは浦里・時次郎という登場人物の名前。近年、話題となった笑福亭鶴瓶の新作落語「山名屋浦里」も遊女浦里の名前を借りている。熊本県牛深地方の民謡「牛深三下り」(下の映像)の唄い出しにも「明烏夢泡雪」の一節が引用されている。


〽浦里 嘆けば みどりも嘆く もらい泣きする 明烏
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今週のカバー写真 ~飾馬飾卸(かざりうまかざりおろし)~

2018-09-07 22:36:25 | イベント
  藤崎八旛宮例大祭 奉納団体 飾馬飾卸(70団体)
  9月14日(金)14:00~17:00
  ※写真は2016年度の様子


今年も奉納順位2番・水道町親和会の飾卸
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あの日のこと

2018-09-06 17:05:41 | ニュース
 朝起きると同時につけたテレビは北海道の地震のニュースを伝えていた。画面で見る光景に2年半前の悪夢がよみがえる。午後になって震度7だったという情報。やっぱりそうかと納得。テレビを見ながら2年半前のあの日々のことをつい振り返っていた。
 二晩を車中で明かした後、当時94歳の母にとってこれ以上は無理と判断。近くの中学校に設けられた避難所を覗いて見たが、そこも母には無理と判断。やむなく、姉婿の親族が経営する保育園の一室に泊めてもらい食事まで提供してもらい助かった。ただ、水が出ない不便さを実感させられた。それからしばらく余震は続いた。車は命綱だったので給油に行ったが、スタンドは軒並み売切れ。あきらめて帰ろうとすると、今度は道路の大渋滞に巻き込まれた。水や食料ほか生活用品を買い求める人々が在庫している店を探し回っていた。今でもゾッとするような思い出だ。おそらく北海道の被災者の皆さんも同じような目に遭っているのだろう。


近くのマンションがわが目を疑うような変わり果てた姿に(2016年4月17日)
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舞台で死ぬのが本望 玄海竜二さん

2018-09-05 18:04:37 | 音楽芸能
 今週末の9月8日、嘉穂劇場(福岡県飯塚市)における「全国座長大会」を復帰公演とすることを目標にリハビリに励んでいた玄海竜二さんが、先日、誤嚥性肺炎で再び倒れたという。幸い大事には至らなかったものの、舞台復帰には暗雲が。玄海さんはそれでもギリギリまで出演を目指すようだ。「舞台の上で死ぬのが本望」とおっしゃるが、まだまだ大衆演劇役者としての夢を見果てぬ夢に終わらせてほしくない。

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薔薇の名前(100分 de 名著)

2018-09-04 22:41:36 | 文芸
「100分 de 名著」(NHK Eテレ)今回は「薔薇の名前」。30年ほど前公開の大好きな映画だが、ウンベルト・エーコの原作を読んだことはない。映画を見ただけでは謎が解け切れなかった(謎は謎のまゝでもいいのだが…)ので、今回「100分 de 名著」で取り上げてもらったのは好都合だ。

 物語の舞台は14世紀初頭。対立する教皇側と皇帝側の間を調停するための密使として北イタリアの修道院に派遣される修道士ウィリアムと見習いアドソ。到着早々、彼らは謎の連続殺人事件に遭遇し修道院長に事件解決を依頼されます。遺体発見の場は「ヨハネの黙示録」に描かれた世界終末の描写と酷似。持ち前の論理的な思考を駆使して推理を続けるウィリアムはやがて修道院内の図書館の奥に納められている一冊の本が事件の鍵を握っていることに気づきます。一体誰が何のために殺人を行っているのか? 一冊の本に秘められた謎とは? 果たしてウィリアムはその謎を解くことができるのか?(100分 de 名著のサイトより)

 映画のイメージを僕なりの表現をすると、「異形の修道院に棲む異形の修道士たち。そこで起きる摩訶不思議な殺人事件」。今回の番組で、映画では解けなかったいくつかの謎が解けるだろうか。

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