徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

路傍の石仏とポンポコニャ

2018-11-19 18:46:39 | 歴史
 京町から坪井方面へ下りる坂道の一つに「中坂」という狭い急坂がある。旧藩時代には観音坂とともに参勤交代の御行列も上り下りしたれっきとした「豊後街道」の一部である。この坂の登り口の道端に小さなお地蔵さんが鎮座ましまして、近所のどなたかが供えられたのか、いつ見ても綺麗な花が供えられている。このお地蔵さんに気付いたのは随分前のことだが、いったいいつ頃から置かれているのだろうか。お地蔵さんは廃寺の跡などでも見かけるが、このお地蔵さんのある辺りはかつて金剛寺というお寺があった。明治維新後、激動する時代のうねりの中で衰退し、崖崩れの危険性などもあったことからこの地を去った。現在は新屋敷に再興されている。ひょっとしたらこのお地蔵さんは金剛寺が去る時、置かれたものかもしれない。そう考えるとお地蔵さんにいっそう愛着が湧く。
 金剛寺と言えば、「中坂越ゆれば金剛寺」という民謡「ポンポコニャ」の一節を思い出す。この唄は幕末に唄われ始めたというが、唄に唄われるほど寺は隆盛を極めていたのだろう。


中坂



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