徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

龍馬と帆掛け舟

2010-09-03 22:35:26 | その他
 坂本龍馬は三度、沼山津の横井小楠宅「四時軒」を訪ねている。最初は1864年2月、勝海舟のお供をして長崎へ向かう途中。二度目はその帰り、1864年4月のことである。そして最後は翌年5月、お龍との鹿児島への新婚旅行の帰途、立ち寄っている。この三度の訪問のうち、一度は四時軒の裏を流れる秋津川を、帆掛け舟で遡って行ったのではないかという説がある。現在の秋津川は舟で上れるような川ではないが、当時、有数の港だった川尻から加勢川を経て、支流の秋津川まで舟で入れる水量があったと言われている。もしその説が正しいとすれば、おそらく二度目の訪問となった長崎からの帰りの時ではないかと推測される。その頃の龍馬といえば、海舟の指示で海軍操練所の創設に奔走し、5月には開設を控えていた時期であり、船に対する思いが一番強かった時期ではないかと想像される。2月に島原に向かった折か、あるいはその帰りに、当時盛んだった坪井川や白川の舟運を見て、行けるものなら舟でと考えたことは大いにありうる。帆掛け舟で川を遡る坂本龍馬、想像しただけでもなんとロマン溢れる光景ではないか。