情熱の薔薇

天幕旅団主宰:渡辺望が傾ける様々な情熱。

「三分の一」の情熱

2010-04-14 17:54:06 | Weblog
新国立劇場にて「夢の裂け目」観劇。

先週くらいに、「あ、そういえば始まるなあ。いつ見に行こうかな」とぼんやり思ってた矢先の井上ひさし氏の急逝。

酷く驚いてしまった。

なんというか、常に新作を書き続けている人、というか、現役というイメージが強かったので。

(今、携帯で「井上ひさし」と初めて打ったが、「井上」と入れたら予測変換で真っ先に出てきた。二番目は、井上真央だった。流石に大御所だ。)


井上演劇との接点はだいぶ浅くて、生ではほとんど見てない。
「天保十二年のシェイクスピア」ぐらいぢゃなかろうか。

なので、あまり多くは語れないのだけれど、強烈に覚えてることがひとつだけ。
僕の井上体験は、中学生の時に見たテレビドラマにまで遡る。

国語の授業の中で、先生が録画したビデオを鑑賞する、というのがあった。

井上ひさし氏の作品をテレビドラマ化したもので、タイトルは「国語元年」。

様々な地方の方言で話す人々が、一つ屋根の下で暮らすというコメディなのだが、すごく印象に残っている。
細かい内容とかは思い出せないのだけれど、「面白かったなあ」というイメージだけ、いまでも留まっている。


「夢の裂け目」を見て、井上ひさしってやっぱり面白いなあと改めて。

キャラクターが、どの人もみんな生き生きして魅力的だから、引き込まれてしまうんだろう。

笑って泣けて、ためになる。
すごい作家。

言葉を扱うという事の意味を、ちゃんと考えてる人なんだなあと。

井上ひさし作品を見る事が、国語の授業になるぐらいだからね。