ようやく左翼らしいタイトルになりました。
講師の仕事は、難解な学術用語をわかりやすく説明することです。
どうすればわかりやすい表現になるのか、常に考えています。
政治学や社会学でマルクスの説を教えることがあります。
そこで登場するのが、「ブルジョア」と「プロレタリア」という言葉です。
ブルジョアとは、
資本家階級(簡単に言えば「持てる人々」)のことであり、
プロレタリアとは、
労働者階級(簡単に言えば「持たざる人々」)を意味します。
ブルジョアによるプロレタリアの支配が、
資本制社会の土台(大前提)であり、
自由で平等な社会をつくるには、
革命によって「持つ」「持たざる」の区別を解消しなければならない。
公務員試験の対策としては、
「国有化・国営経済を主張した」と単純化して説明しますが、
そこがつらいところです。
ブルジョアとは、burg に住む人のこと。
burg とは、ドイツ語で「町」と言う意味です。
ザルツブルクやハンブルクの「ブルク」です。
町に住む人ですから、日本語に訳せば「町人」。
時代劇に登場する悪徳商人「越後屋」を想像してください。
進んだ知識と財力を身につけた町人たちが、
身分の壁を打ち破って、政治を動かすようになる。
これがブルジョア革命、教科書でいう「近代市民革命」です。
ちなみに、プロレタリアの語源は、古代ローマの「プロレタリー」。
納税も兵役もせず、
子供を生むだけの無産者(財産のない人)のことです。
「格差社会」の拡大によって、
マルクスの説に奇妙なリアリティを感じています。
まさか、「少子化対策」のために、
プロレタリアを増やそうとしているわけではないでしょうが。
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