田中哲二 『キルギス大統領顧問日記』(中公新書)を読了。
旧ソ連からの独立を果たした中央アジアのキルギス共和国。
日本銀行から地方の信用金庫に出向していた著者は、
IMFからキルギスの中央銀行最高顧問として派遣され、
大統領の経済顧問にも就任する。
服部正也 『ルワンダ中央銀行総裁日記』(中公新書)と同様、
国づくりに尽力した日銀マンの記録です。
日銀マンという経済の専門家が途上国で活動していることは、
あまり知られていません。
また、経済基盤の確立という、必要だが地味な作業であることも、
目立たない理由かもしれません。
独立という熱狂の後、建設という根気強い取り組みの中でこそ、
日本の真価が発揮できるはずです。
日本国憲法には「名誉ある地位を占めたいと思ふ」と
書かれていますが、地位や名誉を求めず、
「地の塩」として陰徳を積むことが大切ではないでしょうか。
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