碧き幻想の夜

クロス作品など掲載していこうと思っています。

十二章:異邦者たちは何処へ

2010年06月24日 22時57分37秒 | 異世界への招待
Side:イリヤスフィール

私たちがあそこにいた理由か、説明しないと納得しないんでしょうね。

「気がついたらあそこにいた。では納得しないんでしょうね」

そういうとはやてが返事をする。

「当たり前や。あの周辺に生物の反応はなかった。そこに突然現れてあない物騒な武器だされれるとな、次元漂流者か思おうたけど、それにしてはあんたとそっちの衛宮さんはえらいおちついとるし。あそこへどうやって移動したんや?」

はぁ…あの周辺で何か事件でも起こっていたんでしょうね。出なければあんな大きな森の中に機動六課なんて部隊がいないでしょうし。すぐに気づかれたのは事件のために生物の反応をキャッチするようなものを仕掛けていたからか。なるほど、納得できたわ。

「そうね。言わないと納得しないでしょうし、教えてあげるわ。」

シロウがいいのかって目で言ってるけど、言っちゃっても問題ないでしょう。ここでは普通に魔術が行使されているようだしね。さっきの医者は薬を使うのではなく、魔力を使ってハセヲを起こしたんだから。

「私たちは異世界からの来訪者。世界を隔てる壁を抜けてきた。だからこそあなたたちのレーダーには突然現れたようにみえたんじゃないかしら」

するとはやては困惑しているように頭を掻いた。

「異世界って次元世界のどこや?それがわかってるんやったら送り返せるで?」

きょとんとしてしまったのは私もシロウも同じ。次元世界?何を言っているのだこのはやてとかいう女性は。

「次元…なぁに?それ」

「は?わかっとるんやないんか?」

飽きれたような表情ではやてが言うが、私たちにはわからないのだから仕方が無い。というより、情報に齟齬がある気がする。

「はやて、貴方魔術師?」

「魔術師?そう呼ぶ人もおらんことはないけどな、基本魔導師または魔法使いやな」

なるほど、平行世界とは解釈すらも違うということか、それくらい予想しておくべきだったわね。

「この世界でまじゅ…魔法の隠匿はされてるの?」

「ミッドではそんなことしてへん。魔法は素質のある人なら誰でも使える技術や」

「次元世界っていうのは?」

「文字通りや。まぁ宇宙艦で移動するから別の銀河の星って解釈でもおかしくあらへんかもしれんけどな」

「なるほど…んー、説明するの、シロウに頼んでもいい?」

周りの面子は蚊帳の外とばかりに放していて急に振ったにもかかわらず、シロウは動揺すらしない…おもしろくない。

Side:衛宮士郎

「あぁわかった。じゃあ俺から説明させてもらおう。まず、訂正することがある。俺たちは異世界から来たとはいったが、それは次元世界ではない。平行世界というと正しいだろう。平行世界ってのはわかるか?」

あっちの四人がそれぞれ頷いたのを見て更に続ける。

「俺たちが平行世界から来た理由はな、一言で済ますと、偶然だ」

八神が椅子の上からすっころんだ。何やってるんだ…

「偶然ってなんや!あんたらの世界では平行世界への移動が普通にできるんかとおもったやないか!まぁええわ、話続けて」

「状況としては俺たち三人が殺されそうだったから、最後の手段をとったってくらいかな」

さらっと言っといてあれだが…よかったよな。

「殺されるて…何したんやあんたら」

八神が疑うような瞳で俺たちを見ている。イリヤを見ると私が言うとアイコンタクト、ハセヲは真剣に聞いている。

「実験の材料にされそうになったのが私。魔力量が一般の魔術師と比べると破格だからかしらね。ハセヲは平行世界から来た異世界人ってことで解剖目的に狙われた。シロウは魔術の隠匿をしなかったから、隠匿すべきものを平気で行使するのに目を瞑っていられないやつらに消されそうになった。相手はかなりいたからもうだめかなって思ったらシロウが私たちをとばしてくれたのよ」

「話を聞いているとそこのハセヲは貴方たちと同じ世界の人ではないんですか?」

フェイトさんが口を挟む。それにハセヲは「おう」と答えただけだったが、フェイトさんは頭を縦に一度振るとまた沈黙した。

「なんやヘビーやな。んで、平行世界への移動ってのをしたわけや。どうやってそれを行使したんや?衛宮さんはそういうことが出来る人って考えていいんか?」

「いや、最初に言っただろ?偶然だって。俺がしたのは俺が持つ魔術を暴走させただけさ」

さも当然のように言う。副作用に宝石剣の設計図が吹きとんでいるようだ。投影できそうにない。そのほかにも飛んでいるものがありそうだったが、イリヤが悲しそうな目を向けているので自重しておこう。

「暴走て…危険やないんか?あ、それともうひとつ、魔術って魔法と違うんか?」

「暴走は危険だ。一歩間違えば命すら落とす。まぁ俺はその辺の境界は理解している。理解しているから危なくないってことはないんだけどな」

ここで一息つく。喉かわいたな…

「おそらく俺たちの世界の魔術とこちらの世界の魔法は違うだろう。この世界での魔法とは素質さえあれば誰もが習得できるようだが、俺の世界では隠匿していて、広めようなんて考えのやつほとんどいないだろう」

「ふむ…うちらの魔法はデバイスと協力して魔力をプログラムで魔法へ変換して使うって感じやな。そっちのはどうなん?」

聞いてくるよな…

「イリヤは魔術が使えない。ハセヲの力は魔術ではない。一種のスキルだと思ってくれ。俺の魔術は…イリヤ話していいか?」

「いいと思うわ。ここには教会も協会もないようだし」

頭を振り考えをまとめる。

「俺は普通の魔術は使えないんだ」

「ふぅん、ならどんなんをつかえるんや?」

すぐさま切り返してくる八神、他の三人も興味深そうに俺をみている。

「使ったほうが早そうだな。投影、開始-トレース、オン-」

そういって唯の包丁を作り出す。

「何の手品や?てか刃物は出すべきやあらへんやろ。この状況では」

八神が渋面を作っているが、高町の反応は違った。

「はやてちゃん、違う。手品なんかじゃないよ。この包丁純粋に魔力から出来てるよ」

「「「「は?」」」」

ハセヲと俺以外の疑問の声が被った。声にこそださなかったが俺だって驚いているけどな。これを贋作だと見破ったのは英雄王だけだったから。

「なんでわかったの?」

「ちょっとまちぃや!ホンマにそんなんしたんか?どう見てもその辺に売ってるただの包丁やで!」

「そ…そうだよ、どうみたって市販のものを取り出したとしか…」

高町は魔術師としての才能…ひいては英雄王と通じるものでもあるとしか思えないな。
イリヤと俺の疑問は広がり、この場は続いていく。

十一章:異邦の地より来たりし者達

2010年06月24日 22時24分28秒 | 異世界への招待
さて、でかい建物の中に入ったはいいのだが、ハセヲが気絶したままのが気になるところだ。イリヤも気になるのか、ちらちらと見ているし。高町は医者を呼んでくるといって出て行ってしまった。フェイトさんがここに残っているのだが、元々しゃべらない方なのか口を開かない。沈黙してしまっているわけだ。空気換えないと間が持たない…よな。

「フェイトさんって言ったか?」

「はい。フェイト・T・ハラオウンです」

突然話しかけたので少し驚いた顔をしたが、すぐに切り返してきた。これは話が続けられそうだ。

「フェイト…なるほど、その響きは君に似合っているな」

あれ…空気が死んだ気がする。フェイトさんは顔を真っ赤にして俯いてしまったし、イリヤは俺をにらんでいる…これは不味い事を言ったのか。

「フェイトさん、顔真っ赤だけど体調が悪いのか?それだったら休んできてくれていいぞ?俺たちはこの部屋にいればいいんだろ?」

「あ…いえ…大丈夫ですので気にしないでください」

明らかにフェイトさんの顔が引きつっている。

「いつもの事よ、フェイト。シロウのこういうところに当てられないようにね?」

なんだイリヤその言い草は…まるで俺が平気で恥ずかしいことを言うみたいじゃないか。口には出さずに不平を心に満たす。声に出してもいつも藪蛇にされるだけなんだ…

「ごめん、お待たせしました」

高町が戻ってきた。後ろには茶髪の…高町たちの同年代であろう女性と金髪で白衣を着た女性が立っていた。

「自己紹介は後にして、先にそこの彼おこそか?」

茶髪の女性はそういって金髪の女性へ指示を出した。

「クラールヴィント、癒しの風を」

ハセヲの周りに風が渦巻いた。

「ん、どこだ…ここ」

目が覚めたハセヲが一番にとった行動は武器を出すことだった。

「てめぇら何のつも…あれ?士郎にイリヤ…?ここ、屋内…捕まったのか…?」

「誰が寝てたせいよ。シロウが負けるはず無いでしょう?……一部の女性には極端に弱いけど」

「う…すまん。最後にぼそっと言ったのはわかる気がするぞ」

「とりあえず武器をしまえ。現状がどうなっているのか、ここがどこなのかを知りたくてついてきたっていうのもあるんだからな」

武器をしまうと身構えていた三人がほっと一息ついたのがわかった。あの一瞬で距離をとって身構えれるということは意外と三人ともかなり戦えるってことか…

「ほな、自己紹介しましょか。うちは八神はやて、この機動六課の部隊長や」

「私はフェイト・T・ハラオウン。執務官で、今は機動六課所属です」

「高町なのは、機動六課の一員だよ」

「シャマルです。機動六課の治療役ってところかしら」

ふむ。八神はなんだかさばさばしていてとっつきやすそうだ。他の三人は敬語でよくわからないな…高町の黒いところを見ているんだったな…あいつだけは怒らせないようにしよう。

「ハセヲ。」

「ハセヲ、ちゃんと自己紹介しないと。」

「いいだろ、ご立派な名称なんてないんだからよ」

「もう…まぁいいわ。私はイリヤスフィール・フォン・アインツベルン。そこの白髪の姉にして妹よ」

高町たちが疑問を抱いた顔になっているが、イリヤはどこふく風だ。

「俺は衛宮士郎だ。そうだな、イリヤの兄にして弟になるのかな」

そこで、八神が俺たち一人一人の名前を呼んだ後に言った。

「どうしてあの場所に現れたんや?」

説明に時間がかかりそうだな、とか他人事のように思いながら説明を始めるとするか。

更に久々の更新

2010年04月24日 17時50分59秒 | ブログ
いや、中々ですね。

かく暇がないのですよ…

前の記事にコメントしてくださった「茄」さん。

申し訳ない。生存報告しようにも、このサイトを開く暇すらなくて

生存報告もできなかったのです。

今後はできるだけ時間を見つけて生存報告もするようにしますので

これからもよろしくお願いしますです。

っと、時間がないのでこれにて!

十章:新たな世界にその身を置いて

2010年04月24日 17時27分26秒 | 異世界への招待
なんでさ…

そんな言葉が頭の中をよぎる。現状が全くわからないこの状況では仕方もない…か。目が覚めたら白い人型が大鎌を持って金髪の女性を斬ろうとしてるし、それがハセヲへと姿を変えるなんて。わからないことだらけだ。イリヤに現状を聞いてみるか。

「イリヤ、とりあえずあの二人について行く事になったけどさ、あの二人誰?後さっきの白い人型ってハセヲなのか?」

あれ…?なぜか呆れたような、見下したような目で見られてるんだけど…

「バカシロウッ!!私だってよくわかってないんだから聞かないでよ!」

く…金髪と茶髪の女性にも聞こえていたようで呆れた表情で見られていた。黙っているのが得策なのか…?

「大丈夫ですよ。私はフェイト・T・ハラオウンといいます。時空管理局、機動六課に所属している執務官です。」

よくわからない単語が並んでいて理解できなかった…。

「今わからなくても、管理局についたらきちんと説明するから大丈夫だよ。どうにも表情を見る限りわかってないみたいだし。」

む…ポーカーフェイスが板についてきたと思っていた俺にその言葉は痛かった。

「シロウ、落ち込んでないでさっさと歩きなさいよ。」

イリヤさん…貴方はいつの間に俺の背中に乗ってらっしゃった。

「って本当にいつの間に上った!?」

「たった今よ。考え事してたら何にも気づかないんだもん。」

そういって俺の背中に抱きついてくる。いや、それh、うわっやわらかい感触が背中に…あれ?フェイトさんと茶髪の子の視線が明らかに俺を蔑んでいるんだけど…

「あの~…なんでそんな目で俺を見てるの…?」

「フェイトちゃん、六課に戻ったらキャロに近づかないようにさせないとダメだよ?ロのつく人みたいだし。」

「うん、気をつけるよ。ありがとう、なのは。」

ロのつく人…?

「俺はロリコンじゃないぃぃいいい!!!!」

更に蔑んだ目になったんだけど…なんでさ…

「認めたね。」

「認めましたね。」

「認めたわね。」

あれ…?イリヤ?お前は俺の味方じゃ…

「シロウ思ったことそのまま口にしないほうがいいわよ?でもそっかそっか、ロリコンなら私みたいな体でもいいよね?嬉しいなぁ、シロウにこんなに愛されて。」

「なんでさ!」

明らかにあの二人引いてるよ!完璧にゴミを見る目だよ。誰か助けて…

「そこのロリコンこっちへきなさい。」

「それは違うだろ!」

あれ…あの茶髪…あの笑顔…赤い悪魔を思い出すんだけど…

「いいからさっさとこいよ、ロリコン。」

どす黒すぎるオーラが茶髪の背後に浮かんでいる。

「わかった!わかったから落ち着いてくれ!」

さっと茶髪の横へと移動する。

「準備できたね。はやて、お願い。」

「準備ってなん、うわっ」

いきなり魔方陣みたいなのが足元に浮かんだ。

直後立っていたのはめちゃくちゃでかい建物の前だった。

「転移なんて魔術でしようと思ったら…ブツブツ」

イリヤがぶつぶつ言ってる。俺もこれにはとても驚いた。

「ようこそ、機動六課へ。」

フェイトと茶髪にそういわれて目的地に着いたんだと理解した。

これからどうなるんだろうな。

久々の更新

2009年12月03日 23時44分13秒 | ブログ
お久しぶりです。

長いこと書けていませんでした。碧です。

最近はネトゲとか仕事とか忙しく、さらにPCを買い換えて、設定などをしていたらあっというまに2ヶ月たっていました。
忙しいって怖い…

さて、ファンタシースターポータブル2を買ったのですが、ネトゲをやってるせいでやる暇がほとんどなさそうな状態です…。んんとかしなければ。

更新については、年内に10話を投稿できたら…と考えております。

さて、少し不思議に思ったのですが、このサイト、誰にもリンクをお願いしたことがないというのに、何故だかgooブログのランキング1万位以内に入っていたりするのです。本当に不思議です…

まぁ、何はともあれ、読んでくださっている方々、本当にありがとうございます。今後の更新も不定期になるやも知れませんが、どうかご愛読をお願いいたします。できれば月2回、いけなければ2ヶ月に1回程度は更新するようにしますので、今後ともよろしくお願いいたします。
では、また次の更新時に。