Side:イリヤスフィール
私たちがあそこにいた理由か、説明しないと納得しないんでしょうね。
「気がついたらあそこにいた。では納得しないんでしょうね」
そういうとはやてが返事をする。
「当たり前や。あの周辺に生物の反応はなかった。そこに突然現れてあない物騒な武器だされれるとな、次元漂流者か思おうたけど、それにしてはあんたとそっちの衛宮さんはえらいおちついとるし。あそこへどうやって移動したんや?」
はぁ…あの周辺で何か事件でも起こっていたんでしょうね。出なければあんな大きな森の中に機動六課なんて部隊がいないでしょうし。すぐに気づかれたのは事件のために生物の反応をキャッチするようなものを仕掛けていたからか。なるほど、納得できたわ。
「そうね。言わないと納得しないでしょうし、教えてあげるわ。」
シロウがいいのかって目で言ってるけど、言っちゃっても問題ないでしょう。ここでは普通に魔術が行使されているようだしね。さっきの医者は薬を使うのではなく、魔力を使ってハセヲを起こしたんだから。
「私たちは異世界からの来訪者。世界を隔てる壁を抜けてきた。だからこそあなたたちのレーダーには突然現れたようにみえたんじゃないかしら」
するとはやては困惑しているように頭を掻いた。
「異世界って次元世界のどこや?それがわかってるんやったら送り返せるで?」
きょとんとしてしまったのは私もシロウも同じ。次元世界?何を言っているのだこのはやてとかいう女性は。
「次元…なぁに?それ」
「は?わかっとるんやないんか?」
飽きれたような表情ではやてが言うが、私たちにはわからないのだから仕方が無い。というより、情報に齟齬がある気がする。
「はやて、貴方魔術師?」
「魔術師?そう呼ぶ人もおらんことはないけどな、基本魔導師または魔法使いやな」
なるほど、平行世界とは解釈すらも違うということか、それくらい予想しておくべきだったわね。
「この世界でまじゅ…魔法の隠匿はされてるの?」
「ミッドではそんなことしてへん。魔法は素質のある人なら誰でも使える技術や」
「次元世界っていうのは?」
「文字通りや。まぁ宇宙艦で移動するから別の銀河の星って解釈でもおかしくあらへんかもしれんけどな」
「なるほど…んー、説明するの、シロウに頼んでもいい?」
周りの面子は蚊帳の外とばかりに放していて急に振ったにもかかわらず、シロウは動揺すらしない…おもしろくない。
Side:衛宮士郎
「あぁわかった。じゃあ俺から説明させてもらおう。まず、訂正することがある。俺たちは異世界から来たとはいったが、それは次元世界ではない。平行世界というと正しいだろう。平行世界ってのはわかるか?」
あっちの四人がそれぞれ頷いたのを見て更に続ける。
「俺たちが平行世界から来た理由はな、一言で済ますと、偶然だ」
八神が椅子の上からすっころんだ。何やってるんだ…
「偶然ってなんや!あんたらの世界では平行世界への移動が普通にできるんかとおもったやないか!まぁええわ、話続けて」
「状況としては俺たち三人が殺されそうだったから、最後の手段をとったってくらいかな」
さらっと言っといてあれだが…よかったよな。
「殺されるて…何したんやあんたら」
八神が疑うような瞳で俺たちを見ている。イリヤを見ると私が言うとアイコンタクト、ハセヲは真剣に聞いている。
「実験の材料にされそうになったのが私。魔力量が一般の魔術師と比べると破格だからかしらね。ハセヲは平行世界から来た異世界人ってことで解剖目的に狙われた。シロウは魔術の隠匿をしなかったから、隠匿すべきものを平気で行使するのに目を瞑っていられないやつらに消されそうになった。相手はかなりいたからもうだめかなって思ったらシロウが私たちをとばしてくれたのよ」
「話を聞いているとそこのハセヲは貴方たちと同じ世界の人ではないんですか?」
フェイトさんが口を挟む。それにハセヲは「おう」と答えただけだったが、フェイトさんは頭を縦に一度振るとまた沈黙した。
「なんやヘビーやな。んで、平行世界への移動ってのをしたわけや。どうやってそれを行使したんや?衛宮さんはそういうことが出来る人って考えていいんか?」
「いや、最初に言っただろ?偶然だって。俺がしたのは俺が持つ魔術を暴走させただけさ」
さも当然のように言う。副作用に宝石剣の設計図が吹きとんでいるようだ。投影できそうにない。そのほかにも飛んでいるものがありそうだったが、イリヤが悲しそうな目を向けているので自重しておこう。
「暴走て…危険やないんか?あ、それともうひとつ、魔術って魔法と違うんか?」
「暴走は危険だ。一歩間違えば命すら落とす。まぁ俺はその辺の境界は理解している。理解しているから危なくないってことはないんだけどな」
ここで一息つく。喉かわいたな…
「おそらく俺たちの世界の魔術とこちらの世界の魔法は違うだろう。この世界での魔法とは素質さえあれば誰もが習得できるようだが、俺の世界では隠匿していて、広めようなんて考えのやつほとんどいないだろう」
「ふむ…うちらの魔法はデバイスと協力して魔力をプログラムで魔法へ変換して使うって感じやな。そっちのはどうなん?」
聞いてくるよな…
「イリヤは魔術が使えない。ハセヲの力は魔術ではない。一種のスキルだと思ってくれ。俺の魔術は…イリヤ話していいか?」
「いいと思うわ。ここには教会も協会もないようだし」
頭を振り考えをまとめる。
「俺は普通の魔術は使えないんだ」
「ふぅん、ならどんなんをつかえるんや?」
すぐさま切り返してくる八神、他の三人も興味深そうに俺をみている。
「使ったほうが早そうだな。投影、開始-トレース、オン-」
そういって唯の包丁を作り出す。
「何の手品や?てか刃物は出すべきやあらへんやろ。この状況では」
八神が渋面を作っているが、高町の反応は違った。
「はやてちゃん、違う。手品なんかじゃないよ。この包丁純粋に魔力から出来てるよ」
「「「「は?」」」」
ハセヲと俺以外の疑問の声が被った。声にこそださなかったが俺だって驚いているけどな。これを贋作だと見破ったのは英雄王だけだったから。
「なんでわかったの?」
「ちょっとまちぃや!ホンマにそんなんしたんか?どう見てもその辺に売ってるただの包丁やで!」
「そ…そうだよ、どうみたって市販のものを取り出したとしか…」
高町は魔術師としての才能…ひいては英雄王と通じるものでもあるとしか思えないな。
イリヤと俺の疑問は広がり、この場は続いていく。
私たちがあそこにいた理由か、説明しないと納得しないんでしょうね。
「気がついたらあそこにいた。では納得しないんでしょうね」
そういうとはやてが返事をする。
「当たり前や。あの周辺に生物の反応はなかった。そこに突然現れてあない物騒な武器だされれるとな、次元漂流者か思おうたけど、それにしてはあんたとそっちの衛宮さんはえらいおちついとるし。あそこへどうやって移動したんや?」
はぁ…あの周辺で何か事件でも起こっていたんでしょうね。出なければあんな大きな森の中に機動六課なんて部隊がいないでしょうし。すぐに気づかれたのは事件のために生物の反応をキャッチするようなものを仕掛けていたからか。なるほど、納得できたわ。
「そうね。言わないと納得しないでしょうし、教えてあげるわ。」
シロウがいいのかって目で言ってるけど、言っちゃっても問題ないでしょう。ここでは普通に魔術が行使されているようだしね。さっきの医者は薬を使うのではなく、魔力を使ってハセヲを起こしたんだから。
「私たちは異世界からの来訪者。世界を隔てる壁を抜けてきた。だからこそあなたたちのレーダーには突然現れたようにみえたんじゃないかしら」
するとはやては困惑しているように頭を掻いた。
「異世界って次元世界のどこや?それがわかってるんやったら送り返せるで?」
きょとんとしてしまったのは私もシロウも同じ。次元世界?何を言っているのだこのはやてとかいう女性は。
「次元…なぁに?それ」
「は?わかっとるんやないんか?」
飽きれたような表情ではやてが言うが、私たちにはわからないのだから仕方が無い。というより、情報に齟齬がある気がする。
「はやて、貴方魔術師?」
「魔術師?そう呼ぶ人もおらんことはないけどな、基本魔導師または魔法使いやな」
なるほど、平行世界とは解釈すらも違うということか、それくらい予想しておくべきだったわね。
「この世界でまじゅ…魔法の隠匿はされてるの?」
「ミッドではそんなことしてへん。魔法は素質のある人なら誰でも使える技術や」
「次元世界っていうのは?」
「文字通りや。まぁ宇宙艦で移動するから別の銀河の星って解釈でもおかしくあらへんかもしれんけどな」
「なるほど…んー、説明するの、シロウに頼んでもいい?」
周りの面子は蚊帳の外とばかりに放していて急に振ったにもかかわらず、シロウは動揺すらしない…おもしろくない。
Side:衛宮士郎
「あぁわかった。じゃあ俺から説明させてもらおう。まず、訂正することがある。俺たちは異世界から来たとはいったが、それは次元世界ではない。平行世界というと正しいだろう。平行世界ってのはわかるか?」
あっちの四人がそれぞれ頷いたのを見て更に続ける。
「俺たちが平行世界から来た理由はな、一言で済ますと、偶然だ」
八神が椅子の上からすっころんだ。何やってるんだ…
「偶然ってなんや!あんたらの世界では平行世界への移動が普通にできるんかとおもったやないか!まぁええわ、話続けて」
「状況としては俺たち三人が殺されそうだったから、最後の手段をとったってくらいかな」
さらっと言っといてあれだが…よかったよな。
「殺されるて…何したんやあんたら」
八神が疑うような瞳で俺たちを見ている。イリヤを見ると私が言うとアイコンタクト、ハセヲは真剣に聞いている。
「実験の材料にされそうになったのが私。魔力量が一般の魔術師と比べると破格だからかしらね。ハセヲは平行世界から来た異世界人ってことで解剖目的に狙われた。シロウは魔術の隠匿をしなかったから、隠匿すべきものを平気で行使するのに目を瞑っていられないやつらに消されそうになった。相手はかなりいたからもうだめかなって思ったらシロウが私たちをとばしてくれたのよ」
「話を聞いているとそこのハセヲは貴方たちと同じ世界の人ではないんですか?」
フェイトさんが口を挟む。それにハセヲは「おう」と答えただけだったが、フェイトさんは頭を縦に一度振るとまた沈黙した。
「なんやヘビーやな。んで、平行世界への移動ってのをしたわけや。どうやってそれを行使したんや?衛宮さんはそういうことが出来る人って考えていいんか?」
「いや、最初に言っただろ?偶然だって。俺がしたのは俺が持つ魔術を暴走させただけさ」
さも当然のように言う。副作用に宝石剣の設計図が吹きとんでいるようだ。投影できそうにない。そのほかにも飛んでいるものがありそうだったが、イリヤが悲しそうな目を向けているので自重しておこう。
「暴走て…危険やないんか?あ、それともうひとつ、魔術って魔法と違うんか?」
「暴走は危険だ。一歩間違えば命すら落とす。まぁ俺はその辺の境界は理解している。理解しているから危なくないってことはないんだけどな」
ここで一息つく。喉かわいたな…
「おそらく俺たちの世界の魔術とこちらの世界の魔法は違うだろう。この世界での魔法とは素質さえあれば誰もが習得できるようだが、俺の世界では隠匿していて、広めようなんて考えのやつほとんどいないだろう」
「ふむ…うちらの魔法はデバイスと協力して魔力をプログラムで魔法へ変換して使うって感じやな。そっちのはどうなん?」
聞いてくるよな…
「イリヤは魔術が使えない。ハセヲの力は魔術ではない。一種のスキルだと思ってくれ。俺の魔術は…イリヤ話していいか?」
「いいと思うわ。ここには教会も協会もないようだし」
頭を振り考えをまとめる。
「俺は普通の魔術は使えないんだ」
「ふぅん、ならどんなんをつかえるんや?」
すぐさま切り返してくる八神、他の三人も興味深そうに俺をみている。
「使ったほうが早そうだな。投影、開始-トレース、オン-」
そういって唯の包丁を作り出す。
「何の手品や?てか刃物は出すべきやあらへんやろ。この状況では」
八神が渋面を作っているが、高町の反応は違った。
「はやてちゃん、違う。手品なんかじゃないよ。この包丁純粋に魔力から出来てるよ」
「「「「は?」」」」
ハセヲと俺以外の疑問の声が被った。声にこそださなかったが俺だって驚いているけどな。これを贋作だと見破ったのは英雄王だけだったから。
「なんでわかったの?」
「ちょっとまちぃや!ホンマにそんなんしたんか?どう見てもその辺に売ってるただの包丁やで!」
「そ…そうだよ、どうみたって市販のものを取り出したとしか…」
高町は魔術師としての才能…ひいては英雄王と通じるものでもあるとしか思えないな。
イリヤと俺の疑問は広がり、この場は続いていく。