娘の手紙

どういうわけか、突然お姉ちゃんが、
「曾祖母ちゃんってどんな人だったの？」
と聞いてきたので、
「そんならテレビで見てみるか！」となり、
私たち夫婦の結婚式ＤＶＤを見せることになりました。

　結婚式は平成１３年１１月３日のことである。
早くも６年が過ぎました。
結婚して３年くらいは一応結婚記念日に
ＤＶＤ鑑賞をしてたのですが、
子どもが生まれてからはお目見えせず、
久しぶりの上映会となったのです。

　当初は曾祖母目当てだったのに、
いざ式が始まるとお姉ちゃんは、
やはり初めて見るお母さんの白無垢姿に
「うわぁ～。きれ～い！」
やはり女の子なんですねぇ～。
その後もドレス姿などを見て、

「私も着た～い！お父さん、買ってぇ～！！」
「いずれ…、いずれね…。」と小声の私。

　これまた妻の衣装だけに興味があるのかと思いきや、
お姉ちゃんが一番興味を持ったのは、
なんと妻朗読の「両親への手紙」。
意味わかってんのかどうか？
それでも画面を見て「なんか寂しくなってきたー」
なんて言って。
やっぱり感覚で分かるんですかね。

　その後何回も
「手紙のトコだけもう一回見るぅ～！」
とのリクエストに妻は辟易。

これまた息子は私の友人たちの余興「はっぱ隊」の裸踊りに
興味を示し、踊りを教えろと・・・。
私も困惑。
挙げ句の果てに裸になりたがる。
なんなんだ！お前は！！って、やっぱり私の息子です。
まいった、まいった。

しばらくすると、お姉ちゃんは新聞広告の裏に
何やら書き込みます。
まだ字は書けませんので、一生懸命いろんな記号が
所狭しと並べられ…、

「お父さん、私もお母さんに手紙書いたから、
ちょっと２階に置いてくるね。」

一体、どんなこと書いたのだろう？
齢４歳弱で両親への手紙を書き記してしまったのか？
それにしても、オイオイ、その手紙、お母さんだけ？
お父さんにはないの？ちょっと！ちょっとおおぉぉ～っ！！

　いつの間にか曾祖母のことなんか
吹っ飛んでしまった上映会。
近日中にも再上映になりそうです。

そして、恥ずかしながら私は、一人
「娘よ」を口ずさむのでした…。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Ｇｅｎｅｒａｌ