シェーン・ママ

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子どもに命を伝えること

2007-07-15 10:03:00 | 育児と介護
この頃、親が子を殺したり、子が親を殺したり、
とても残忍な殺人事件が起きたり、なんか変ですよね。
思えば、暮らしの中で、子どもが「命」を考える機会が、
とても少なくなっているように思います。

この前、沖縄に行った時に聞いた話をします。

60年前以上前、第二次世界大戦最後の激しい戦闘で、
民間人に多くの犠牲者が出た沖縄戦。
親を亡くした子、子を亡くした親、多くの人が
かけがえのない命をもぎ取られました。

その島では、親を亡くした子を、子を亡くした親が
育てることが、自然に行われたそうです。
それで、島には、自分の生んだ子、親を亡くした子、
たくさんの子を一緒に育てた母親がいたんだそうです。

その方のオバアもそのうちの1人。
だから、その方には、たくさんのおじさんや
おばさんがいたそうです。
その方が子どものころ、オバアは、年をとって、
もう寝ついていました。

ある日、家で寝ているオバアのそばに
孫たちが集められました。
1人の叔母さんが、孫たちに、
「ここをさわってごらん」と、手首の脈を触らせました。
トクトクと脈が動いていました。

そして数日後、また集まった孫たちに、
またその叔母さんが「さわってごらん」と
手首に触らせました。
今度はほとんど脈が分からなかったそうです。

すると叔母さんは、
「じゃ、ここをさわってごらん」とわきの下にさわらせました。
かすかに動いているのが分かりました。

叔母さんは、
「オバアの命の長さはね、ここからここまでになったんだよ」
と、わきの下から心臓までの長さを示したそうです。
そして、
「だから、今のうちに、オバアにたくさんお礼を言っておきなさい」と。

孫たちは、口々に
「あの時はおもちゃを買ってくれてありがとう」とか、
「おやつをたくさんありがとう」とか、
たわいもないことですけど、オバアの耳もとに
お礼を言いました。

それからほどなく、オバアは亡くなったそうです。

今、子どもたちがこういう経験をするって、
まずないですよね。
仮に自宅で年寄りが死んでも、こんなことを言う
叔母さんなんて、まずいないですよね。

この叔母さんは、たぶん子どものころから
たくさんの人の死に立ち会って、自分なりに
「死」とはどういうものかを咀嚼していたんだろうと
思います。
その自分なりの理解を子どもたちに伝えたんです。

私にもこんな風には言えません。
だから、この人づての話を、たくさんの人に伝えています。

ソラババ