獣害を裏返せ!

獣害に関する状況と対策の最新ニュース。他地区での取組や状況を知り、「マイナス」を「プラス」に転じよう!

【100131】失業対策と両立~鳥獣害で実態調査

2010年02月05日 | 獣害-対策:シカ・イノシシ
1月31日付の日本農業新聞に、失業者18名を緊急雇用(1~3ヶ月間)して、被害調査や檻の見廻り、耕作放棄地調査などを実施する取組を開始されたという記事がありました。

倉敷市が事業主体で、県内の建設コンサルタントが請け負うというスタイルです。

記事によると、被害の聞き取り以外にも放任果樹や耕作放棄地の位置確認と図化、所有者の了解があれば草刈や放任果樹の撤去も行うということです。

集落と協働で実施しない点など、今後の取組について考えると気になることも多少ありますが、実際問題として人手不足の現状では効果が期待できそうです。

また、「こんなに困っているとは思わなかった・・」という調査員の感想をみると、一人でも多くの人が獣害を知るきっかけになる効果もありそうです。

ただ、今後のことを考えると、このまま緊急雇用という失業対策と獣害調査で終わって欲しくはありません
どう継続していくか、どのように地元に獣害体制を構築するかが非常に重要だと思うのです。


これから先は行政だけが背負い込むのではなく、行政が作ってくれた取っ掛かりを上手に発展させることが必要です。

その一手法として、日本ではなかなか成立していないかもしれませんが、「社会起業家」(端的に言えば、「社会の課題を、ビジネスの手法で解決する人」)として、この獣害に取組むことも可能ではないかと感じています。

「地域で守る」という掛け声は重要ではあっても、現時点で多くの集落で実現に至っていません。一方、ボランティアだけでは継続性が保てないのも事実です。

今回のように、せっかく「きっかけ」となる取組をしたならば、例えば、以前記事に取り上げた「地域鳥獣管理士」の養成講座等で、更なるスキルアップを図ることのできる人材育成の道を拓くべきではないでしょうか。

***

社会起業家フォーラム代表の田坂広志氏は、社会起業への岐路にいる人たちに対し、
頭で考えるのではなく、心で感じることが大切」だと述べています。
「頭で考えた進路」は、しばしば過ち、後悔をもたらす。しかし、「心で感じた道」は、不思議なことに過たない。そして、後悔しない、と。


つまり、失業者の多くは、今まさに「これからどのような生き方と働き方をしていくべきか」、その岐路に立っている訳です。

今回、調査員たちは獣害の実態を知り、「心で感じる」出来事に出逢った。
このチャンスを活かせるよう支援することが、失業対策であり、社会の課題でもある獣害対策、双方をクリアする選択肢ではないか。

獣害対策を社会起業へと発展させるための体制づくりができないものだろうか。
この記事を読んで、そのようなことを考えていました。

獣害を、双方にとってプラスに転じることができれば、喜ばしいことですよね!


地域鳥獣管理士」の養成講座の過去記事
↓↓↓
http://blog.goo.ne.jp/nougaku_hiro/e/8bf94dc6c9b2de7ff65c156d4331bc6c


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