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【100406】捕獲のシカ、イノシシ名物に  秩父の対策協 調理法など研究へ

2010年04月09日 | 獣害-利用
読売新聞4月6日付の記事です。

地域対策協議会による獣肉利用専門部会の設置に関する記事です。
猟期以外の獣肉利用を可能にするための検討のようですね。

さて、獣肉利用。
このブログでも頻繁に記事に取り上げていますが、レシピ開発や個人単位での取組記事が主のように思われます。

獣肉利用自体がまだ市民権を得ていないため、こうした取組そのものももちろん大切なのですが、つまるところ、出口となる市場での流通性、安定性が非常に大きな障壁になっている感があります。

小さい処理施設をつくることによる鮮度確保や地域の独自性が重要である反面、シカ・イノシシの頭数減と有効活用という全国共通の根本的な対策につなげるには、もう少し政策的な面からのアプローチも必要ではないでしょうか。

つまり、ジビエを普及させるための料理イベントといったことではなく、もう少し資源面から賦存量を把握し、計画的に利用計画を立てるという意味です。

個々の処理施設がどの程度点在し、それがどの程度のエリアをカバーしているのか。
獣肉を地域資源と捉えるならば、あとどのくらいの処理施設が必要となるのか。
そのために、必要な人材、技術は、市場での安定性確保のためには・・・といったことに関して、日本全国を調査し、全域をカバーしていくための計画です。

地域に委ねている「点の計画」が基本ではあるものの、日本の農業・農村全体に関わる問題である以上、線・面に広げていく過程で国として示すべき計画です。

いずれにしても、ジビエが当然のように各家庭の食卓に並ぶようにするためには、クリアすべき課題も多々あります。
地位を確立する初動においては、国による主導的な対策もあってよいのではないでしょうか。


~ 転載 ~

 県や市町村、猟友会などで組織する秩父地域鳥獣害対策協議会が今年度、捕獲したシカやイノシシなどの動物を料理で利用するための専門部会を設けることになった。有害鳥獣の駆除を地元の食材にも生かす“一石二鳥”の取り組みで、専門部会の設置方針は、秩父市の県秩父農林振興センターで開かれた同協議会幹事会で了承された。

 埼玉では、狩猟期が11月15日~2月15日、イノシシのワナ猟は3月15日までとそれぞれ定められ、その期間に捕獲したシカやイノシシなどは狩猟者が旅館や食肉業者らに販売できる。

 しかし、それ以外の期間に、有害鳥獣駆除の要請を受けて捕獲した動物は、原則として埋めたり焼却したりしなければならず、販売は認められていない。

 同センターによると、駆除した動物の埋葬や焼却は狩猟者にとって負担が大きいという。このため、関係自治体や狩猟関係者などは、地元の名物料理などの形で食材として広く利用できるようになれば、駆除の際の負担も減り、地域振興にも役立つ可能性があると見ている。専門部会では、料理での利用に道を開くため、県独自の制度創設を検討していく。


読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/saitama/news/20100405-OYT8T01308.htm


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