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【070908】「餌付け」やめよう 県鳥獣被害防止対策研修会

2007年09月08日 | 獣害-研修・シンポ他
 県鳥獣被害対策検討会は6日、みなべ町東本庄、ふれ愛センターで本年度県鳥獣被害防止対策研修会を開き、関係者ら約200人が参加した。野生鳥獣被害防止対策について、専門家から具体的な説明があった。

 近年、全国的に野生鳥獣による農作物への被害が増加している。ここ数年の年間被害額は全国で200億円、県内では約3億円とされている。

 被害を防ごうと、防護柵の設置、有害鳥獣捕獲などをしているが、その生態や有効な防除技術、捕獲技術についての知識や情報が不足しており、必ずしも十分な成果が上がっていない。そこで、野生鳥獣に関する知識を深め、効果的な被害防止策を推進するために毎年研修会を開いている。

 研修会では、独立行政法人近畿中国四国農業研究センターの井上雅央・鳥獣害研究チーム長が「野生鳥獣にかかる有効な被害対策」と題して講演した。

 井上さんは、全国各地の鳥獣被害現場を回り、地元の人と一緒に対策に取り組んだ経験を交えて「被害に遭って、頭に血が上った状態で対策を講じてもうまくいかない。起きて当たり前のことが起こっているだけ。全部、人間がしてきたことの裏返し」と述べ、野生動物を餌付けしてしまっている現状を指摘した。

 「実がなっても収穫しない柿やイチジクなどの木があれば、それは餌付けと同じ。集落や畑に行けば、冬場も餌にありつけることを鳥獣は学習している」と説明した。

 また「『サルはハンター以外の人を見ても逃げなくなった』『前より数が増えた』『柵をしてもだめだ』などの話をよく聞く。サルはハンター以外の人から危害を加えられないことを知っているからだ。サルを見つけたら、石を投げたりして追い払うこと。数が増えているのは、そこには餌があるから。柵は次々と改良してバージョンアップしないと効果がない」と説明した。

 鳥獣対策として、集落のみんなで餌付けとは何か、被害とは何かを勉強する▽守れる畑、守れる集落にする(鳥獣に餌場と思わせないこと)▽柵の設置や追い払い▽有害駆除、大規模柵の設置―を挙げ「この手順が大事だ。この手順で行えば、被害を止められる」と助言した。

 最後に、行政に対し「被害の電話を受けたら、即現場へ行くこと。被害の状況、畑の地形、立地条件などさまざまなことがあるからだ」と求めた。

 この後、県から県内のイノシシ被害対策について説明があった。

 みなべ町では2006年度の鳥獣被害額は1050万円。このうち、イノシシ約600万円、シカ260万円、サル190万円となっている。イノシシとシカには梅、サルには梅、かんきつが被害に遭っている。

紀伊民報
http://www.agara.co.jp/modules/dailynews/article.php?storyid=131317

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