入力マスターへの道

タイピング速度に頼らず、最速の入力マスターを目指そう!

速記を参考にしつつも、単語登録とは根本が違う理由

2013年12月30日 21時22分13秒 | 入力速度について
単語登録のよいところは、
素早く入力できること、そして、誤変換をなくすことです。
しかし、スピードを重視するあまり、登録語句をうまく使えないという現象がしばしばあります。

私の経験でも、以下のようなくだりがあります。


「『影響』はよく出てくる単語であり、入力しづらいから単語登録をしなさい」
「何と登録しているか見てみます。あっ、『え』で入っていました」
「『影響』を『え』だけで登録してたら忘れてしまうでしょう」



登録語句は、登録をしただけで完成ではなく、
登録した語句を実際に生かすことができてこそ完成となります。

同時に何十、何百と登録すれば、一つ一つを忘れてしまうことも多いのです。
そのため、一気にというわけにはいかないデメリットもあります。

また、こんな例もあります。


「『A』や『B』はよく出てくるから登録をしておいたほうがいい」
「『A』は『ち』、『B』は『こ』で登録されています」(キーが一緒だから)
「じゃあ、『100こ』と入力してごらん?」



頭のいいパソコンであれば、「100個」と出てくれます。
しかし、「100B」と変換されてしまう場合がないわけではないのです。


「このこはあたまがいい」は「このBは頭がいい」と誤変換され、
「こがちからをあわせ」は「Bが力を合わせ」と誤変換されます。


あれほどやってはいけないと五つの法則を指し示しても、うまくいかないのが現状です。


つまり、思いつきで入れた登録語句は、逆に混乱を招くおそれがあり、
そうした苦い経験から、ほとんどの人が単語登録から離れていくのが現状です。


速記とは、読んで字のごとく、速く記すということであり、スピードが最重要事項となります。
単語登録は、最速を目指すわけではありません。
あくまで、速さと正確さを追求することが大切なのであり、
そのために、速さを捨てることもあるのです。



きょうは、我が社の期待の新人のお話をします。
私とは違った法則により、おもしろい登録方法をしているので、ご紹介しておきましょう。

日本語には同音異義語が存在します。
この同音異義語とは、同じ音で別の意味の言葉を言います。

例えば、
「セイカイ」は、「正解」、「政界」
「コウセイ」は、「校正」、「構成」、「公正」などがあります。


私の考え方は以下のとおりです。
入力スピードを殺さず、かつ、使い分けができる方法を探すというものです。

そこで、以前にお話をしたように、
「機械」は「キカイ」「機会」は「きかか」と登録されています。

同じキーを2度打つということはとても楽な作業です。
手はできる限り上下左右に動かさずにすることも大切だと考えています。


「以前」は「いぜん」、「依然」は「いせせ」
「以降」は「いこう」、「移行」は「いこ」、「意向」は「いここ」
「期間」は「きかん」、「機関」は「きんん」



このようにしておけば、誤変換はほとんどなくなります。
ただ、残念ながら、この法則では、三つや四つの同音異義語を持つものに対応できないものもあります。
まだまだ発展途上の考え方です。

彼女の場合、このような語句には以下のような法則としているようです。
同音異義語は、頭に「ん」をつけるというものです。


つまり、「以前」と「依然」は、
どちらかは「いぜん」と通常どおりに入力し、どちらかは「んいぜん」と入力するというものです。

この考えには私も驚かされます。

タイプ数は多くはなりますが、「ん」から始まる語句は日本語にはないため、
誤変換が全くなくなるということです。

また、三つ以上の同音異義語でも、「ん」の数をふやすなどで対応できるからです。
そして、これは、少しでも省略しようという姿勢の速記にはない考え方です。



速さを追求し、記憶力で苦戦するか、
速さと記憶力を捨て、簡略化で勝負するか、
私と彼女の議論はこれからがおもしろくなっていくのでしょう。



さて、次回からは、つなぎの稼ぎどころについてご紹介しましょう。

単語の省略は目で見るよりも耳で聞くこと

2013年12月30日 00時59分49秒 | 入力速度について
私が言葉を認識するには、
書物などに書かれたものを目で見るか、人が話した言葉を聞くかがあります。

別の器官を使い、同じ言葉を認識しており、
同じ言葉を認識するために、別の記号で処理します。



例えば、「状況」という言葉があります。
このブログを読んでいる方は、画面上でその形を認識し、意味を読み取ります。
それでは、これを音声として聞いたときはどうなるでしょうか。

「じょうきょう」という単語は、言葉として発せられる際には、
「ジョーキョー」となることが多くあります。

「う」という言葉は、音声として発せられる場合は音引きとなります。
むしろ、「う」とはっきり話すことに違和感を覚えることのほうが多くなります。


このほか、幾つかの例を見てみましょう。


【例1】前提条件が間違っている。
【例2】先ほどの話は、君の言うとおりだ。
【例3】氷が超スピードで解ける。


【例1】では、「ぜんてい」と「じょうけん」に着目してみましょう。
音では、「ゼンテー」「ジョーケン」と発することになります。

【例2】では、「とおり」に着目してみましょう。
音では、「トーリ」と発することになります。

【例3】では、「超」に着目してみましょう。
音では、「チョー」と発することになります。

このように、「あ」「い」「う」「え」「お」などの母音は音引きに置きかえて発せられているのです。



さて、ここで少しだけ話をそらしてみましょう。

私たちが話す言葉は何も日本語だけではありません。
私たちの国の言葉以外、つまり、海外で話される言葉も取り入れられています。

その多くは英語であり、今では和製英語と言われ、
片仮名表記で当たり前に使われている語句も数多くあります。

昭和初期、欧米諸国との対立情勢を理由に、
野球は全ての用語を日本語に言いかえていたそうです。

今でも、ホームランを「本塁打」ヒットは「安打」などという場合もありますが、
アウトは「だめ」セーフは「よし」など、聞きなれない言葉もあります。

戦争終結後、英語が広く日本で普及し、英語という意識もないまま使う言葉もあります。
「オーケー」「オーライ」「ペーパー」
数え上げればきりがありませんが、とにかく日本人はとても柔軟な発想を持っています。



しかし、今挙げたものは、実際の発音から誤った表記になってしまったのです。
「オーケー」は「okay」、発音記号は「òʊkéɪ」、
「オーライ」は「all rigth」、「ɔːrάɪtl」、
「ペーパー」は「paper」、発音記号は「péɪpɚ」

つまり、正しく片仮名で表記するとすれば、
「オーケイ」「オールライト」「ペイパー」となるのです。



ただ、私たちが日常会話を行う上では、実のところ、正式な表記などはどうでもよいことです。
「オーケー」なのか「オーケイ」なのかは、会話では問題にはなりません。
よって、「言うとおり」でも「言うとうり」でも「言うとーり」でもよいのです。



さて、話を戻すことにしましょう。

単語登録の際に、一番苦労するのは登録したい単語をどのように省略するかということでした。
そして、そのときに注意すべきは、


①本来の語句より短くする
②本来の語句に近い
③既にある語句は用いない
④登録語句ではなく、法則を覚える
⑤複数の語句を関連づける



というものがありました。



この法則と今話した速記の法則を組み合わせてみましょう。

「状況」は母音を音引きに直し、音引き部分を削除し、拗音、促音を五十音に直します。

「状況」→「ジョーキョー」→「じよきよ」

という登録が完成します。

この法則にのっとり、幾つかの語句をあらわしてみましょう。


「修正」→「シューセー」→「しゆせ」 「完成」→「カンセー」 →「かんせ」
「休憩」→「キューケー」→「きゆけ」 「交通」→「コーツー」 →「こつ」
「調整」→「チョーセー」→「ちよせ」 「通行」→「ツーコー」 →「つこ」
「表明」→「ヒョーメー」→「ひよめ」 「病名」→「ビョーメー」→「びよめ」
「中継」→「チューケー」→「ちゆけ」 「明快」→「メーカイ」 →「めかい」
「安定」→「アンテー」 →「あんて」 「発表」→「ハッピョー」→「はぴよ」
「広報」→「コーホー」 →「こほ」  「平成」→「ヘーセー」 →「へせ」
「重要」→「ジューヨー」→「じゆよ」 「合計」→「ゴーケー」 →「ごけ」


これは、あくまで一例ですが、
こうした法則を用いるだけで、タイプ数は今の約2分の1になるでしょう。
そもそも、熟語の多くは子音と母音の組み合わせで音読されるものが多いせいです。

速記のおもしろさを伝える一例に「こと」があります。


「コト(事、琴、古都)」「ゴト」「コド(弧度)」
「コードー(行動、講堂)」「ゴートー(強盗)」「ゴードー(合同)」
「コトー(孤島)」「ゴトー(後藤)」「コドー(鼓動)」



速記の世界では、最終的には、これらは全て同じ表記「コト」であわらし、
意味から何を当てるかという作業が必要になります。

だからといって、これらが単語登録に適しているかというと決してそうではありません。
単語登録とは、入力された語句を一発で変換させることが重要であるため、
ある程度の手間が必要となるのです。

これは、一番初めにお話ししたように、何でも短ければいいのではないということです。

単語登録の原点は速記にある

2013年12月29日 00時12分41秒 | 入力速度について
ご無沙汰をしております。

年末は、本業のほうが忙しく、ブログの更新が滞っておりましたが、
いよいよ、きょうから再開です。

コメントをくださった速記好きさん、ご指摘をどうもありがとうございます。
今後もご愛読をどうぞよろしくお願いいたします。



さて、それでは、これからは接続詞や末尾の動詞以外にも着目してまいりたいと思います。
しかし、それを語る前に、その前提となるお話を一つ挟みたいと思います。


コメントへの返信にも書きましたが、この「単語登録」には原点があります。
その答えは「なぜ速く入力しなければならないか」という最初の疑問に戻ります。

私たちは、キーボードを用いて、入力作業をする際には、
「速く入力できたらよい」という希望を持つことはあります。
しかし、それは「絶対に速くなければいけない」というわけではありません。
この考え方の違いは、手法の選択にも大きく影響を及ぼします。

「速いほうがよい」という考え方には制限がありません。
わかりやすく言うならば、自分が満足する速さでよいのです。

逆に、「速くなければならない」という考え方には制限があり、
何かの目安を持つものです。
例えば、私の業務がそうであるように、人が話す速度で入力しなければならないという
定量的な数値化できる目安が存在します。



昔には、パソコンはおろか、録音機なども存在しない時代がありました。
しかし、そんな時代だからといって、記録がないというわけではありません。
それは書物であったり、絵画であったりとさまざまです。

そんな時代に人と人が議論をしたやりとりはどのようにつくられていたのでしょうか。
それは、原始的ではありますが、人の手によって行われていたのです。
その手法が速記というものです。

私たちが日常的に書き物をする際に用いるのは、
平仮名、片仮名、漢字、数字を含む記号です。

これらは、他の文字との違いがわかるように複雑な形をとります。
そのため、スピードを追求するにはいささか不利なものです。

速記とは、画数を減らし、複雑な書き順などをできるだけ簡略化してつくられたものであり、
話す速度に追いつくようにつくられています。



こうして説明をしても、速記に親しみのない方にとってはよく理解が進まないでしょう。
しかし、私たちは、日常生活においても速記の考え方を常に取り入れているのです。

例えば、以下の例を見てみましょう。


【例1】「あの2人は超ラブ×2だよね」
【例2】「あいつはKYだよね」
【例3】「きゃりーのPVは最高」



【例1】では「ラブ×2」に注目してみましょう。
この表記から「ラブ・カケル・ニ」ではなく、「ラブラブ」と読みます。
【例2】では「KY」に注目してみましょう。
これは「ケー・ワイ」と読みますが、本来の意味は「空気読めない(奴)」です。
【例3】では「きゃりー」「PV」に注目してみまょう。
「きゃりー」とは「きゃろらいんちゃろんぷろっぷきゃりーぱみゅぱみゅ」を指し、
「PV」とは「プロモーションビデオ」を指します。


私たちは、それを口にする際も文字にする際も省略化することがあります。
その考えには、全てを書くことや口にすることが面倒であるからです。

もし全ての単語を正式名称で表現しようとすれば、
私は、今より数倍は口と手を動かさなければなりません。



Q、しかし、正式名称を用いることが本当に必要でしょうか?

A、いいのです。結局、伝われば。


これが私たち一般市民の感覚です。
別段、正式名称にこだわることはありません。
相手にその意図を明確に伝えられれば、どんなに省略しようが構いません。

そして、その究極系である速記を用いる者の解答は以下のとおりです。


A、いいのです。結局、自分がわかれば。

相手に伝えるためには、後に私たちにわかる表記で示せばいいだけであり、
とにかく書きとめるということに絞った手法であるというわけです。

速記について詳しく知りたい方は、日本速記協会のホームページをご参考ください。
こちらは、この程度の説明にとどめておきたいと思います。



さて、それでは、この速記の考え方が単語登録にいかに結びついてくるかですが、
そのお話は次回にいたしましょう。