のすたる爺や

文明の果てなる地からのメッセージ

将来

2009年06月08日 | 日記・エッセイ・コラム

 全盲のピアニスト辻井伸行氏が4年に一度開催されるUSAのヴァン・クライバーン国際コンクールで優勝したニュースが連日報道されています。日本人の優勝も初めてです。

 クライバーンコンクールで優勝したピアニストをあまり知らないのですが、唯一その名を知っていたのが89年優勝者のウズベキスタン人のスタルノフ。後に脳卒中で倒れ、2005年に36歳で亡くなってしまいました。
 一説には商業主義のUSAなので、優勝者には3年間の過酷な演奏ツアーが待っていて、心身ともにつぶれてしまうという噂が流れています。

 クライバーンといえばソビエトが威信をかけて開催した1958年の第一回チャイコフスキー国際コンクールで、冷戦下のアメリカ人にもかかわらず優勝したピアニストですが、脚光を浴びて道を踏み外してしまったようで、その後、演奏家としては大成しなかったのか、現在も存命のはずなのに演奏の話を聞いたことがありません。

 いい演奏や感動が云々よりいくら売れたの数字が物を言うUSAだけにクラシックの演奏家が生き残るのは難しいのかもしれませんが、クラシックのレコード売り上げではUSA記録をもつクライバーン。いまだにその記録は破られていないようです。

 近年こうした国際コンクールで日本をはじめ中国や韓国など東アジア人の活躍が目立つため、白人中心主義者にとってはコンクールそのものの意味を疑うイエローパージらしき声も出ているようですが、こうした競いごとになると人生をかけて没頭してしまうのが東アジア人。

 あくまで登竜門なんですから、ここからがスタート。辻井さんがつぶされないことを願っています。

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