何となく始めて割と後悔し始めているこの読書感想兼推薦文も第10回になりました(おめでたい)
そんな今回、紹介するのは恩田陸『常野物語 蒲公英草子』になります!第N回(忘れた)で紹介した『常野物語 光の帝国』の続編ではなく、世界観を用いたスピンオフ的な作品になります。
・「というか、みんななんだ。僕たちはみんなの一部なんだよ。みんなの一部が僕たちなんだ。みんなが持ってる部分部分を集めたのが僕たちなんだって」(p.261より抜粋)
村のまとめ役である槙村家の聡子様の話し相手としてお屋敷に通うようになった峰子。そのお屋敷に突然やって来たのは全国を旅して回る一家。どうやら先祖が過去に村の危機を救ったそうだ。峰子が語る不思議で魅力的だった過去の記憶の物語。
・おススメポイント
① 物語らしい展開
ここで言う物語とは西尾維新先生の物語シリーズ(アニメしか見たことない)ではありません。日本昔話のようなどこか懐かしい口調と語り部の視点でストーリーが展開します。舞台は20世紀前半の農村であり、時代を感じさせてくれるような言葉遣いが魅力的です。
② 常野の人たちにまた会える!
過去に紹介した作品ほど能力をひけらかすような展開ではありませんが、要所要所で常野の能力が発揮されます。それは常野の人たちが本当にその時代に生きていたような実感を沸き起こさせてくれます。彼はきっと今でも誰かを「しまって」は「響かせて」いるのでしょう。
それでは!