先日作品の搬出に、丹波まで出かけた帰り、JR日根野駅を通過した。
日根野駅の手前で、今まで聞いたことのない車内放送があった。電車を日根野駅で切り離す案内だったのだが、それに続いて英語のアナウンスが流れた。そして中国語、韓国語と続いた。
JRをひとりのボランティアのおじさんが動かしたのだとすぐに分かった。私は、浜で草刈りをしているおじさんの姿を思い浮かべた。毎朝出かけるマーブルビーチの草引きで、顔を合わせるおじさんが、その人だと知ってから、一層電車内の旅行者が気になるようになった。
日曜日のまだ暗い朝、マーブルビーチで、テレビ局の取材を受けていたおじさんに呼び止められてはじめて、そのことを知ったのだ。
取材の最中に、乗り間違いはかなり減って、昨日はゼロだったと聞いた。
それでも関空行に乗り換えない韓国人の団体が私の座っている車両にいた。落ち着きがなく、何度も電車の運行図をみていたので、声をかけようと思ったのだが、その視線が図の和歌山方面に向いているので、思いとどまった。
和泉砂川駅でその一団も降りる。ほっとして私も一団のあとから改札を出た。
意外なことは、強い印象を与える。
つくずくそう思わされる出来事だった。