風邪をひいたり、腰を痛めたり、と散々な目に遭ったけれども、ようやく調子も上向いてきた。
散々な目に遭う前には、京都音楽博覧会で細野晴臣が聴けたり、京都九条ねぎフェスティバルでラーメンを4杯食べたり、とそれなりに記事になりそうな出来事もあったのだけれど、後ろを振り返ってばかりでは一向に未来はやってこないので(言い訳です)、前方に目を向けると、明日がStereo自作スピーカーコンテスト2013なのである。
前述の通り、体調もよろしく、台風の影響もなさそうで、後は寝坊さえしなければ会場に出向く予定だ。
わざわざ遠路東京に行くのは受賞の自信があるわけではなく、他の人がどんなものを作っているのか見たり聴いたりしたいからである。
そもそも今となっては配線を絶縁したかどうかも怪しいもので、ひょっとしたら短絡して音が鳴らない状態になっていやしないか?などとそんな基本的なことが気になっている。
なので、一応そういう事態にも備えてドライバーやビニールテープやカッターも持参する所存だ。
ということで、後は明日を待つのみだが、そういえば昨年のコンテストのことを全然触れなかったな、ということを思い出し、椎名誠的に言えば、ここで前夜祭的に一挙にどおん、と画像やら感想やらを出してみようじゃないか!
いいねぇ、それ!
的に、何故か独りで盛り上がってしまったので、その気が失せないうちに回顧してみる。
先程は後ろを振り返ってばかりでは一向に未来はやってこないなどと言っていたが、後ろを振り返る事なしに正しい未来は切り開けないのだ!そうだそうだその通り!!(その他大勢の声)
ええと、とにかく、試聴した順番に挙げてみよう。
トップバッター。とりあえず一通りの作品を撮影するのに躍起になって、慌てて試聴したのだけれど、いや、普通に良い音でした。
ここで言う「普通に良い音」とは、平均的な音であり、特に破綻もなく、「いや、全然イケてますよ」という感じです。
最初に断っておけば良かったのだけれど、僕は特殊な耳をもっているわけではもちろんないので、そんな細かい評価はできないわけです。
基本的には大多数の作品が普通に良い音であって、それ以外の一部は僕でもわかるような際立った特徴を感じました。
ちなみに、過去のコンテストでは、数は少ないですが「う~ん、これはちょっと」というのがあったので、今回は全体的に水準は高かったと言えるのではないでしょうか?
この作品に話を戻すと、その外観を見て、谷川俊太郎の「山荘だより」という詩のタイトルが頭に浮かびました。
2番手。この時点では1番手としか比較できなかったわけですが、やや落ち着いた音、という印象でした。
塗装が綺麗でしたね。僕にはこんな塗装、とてもできないです。
前年、僕が賞をいただいた作品と通ずるコンセプトで、側板を湾曲させています。よく考えたら、ここまでの3作ともそうですね。
市販スピーカーもこのようなものが多く出ているので、影響を受けているのかもしれません。
左右の側板を後ろ側で接合するのではなく、背板とそれぞれ接合させるの、って結構難しいと思います。
僕にはちょっと無理です。
音は普通に良い音でした。外観は真っ白で、美術室の彫像を連想しました。
明瞭に撮れなかったのですが、トールボーイのバックロードホーンです。この方のブログを時々拝見していますが、多作だなぁ、といつも驚かされます。
僕は年一が限界です。夏に作って、その他の季節はゴロゴロしています。
バックロードホーンは癖があると聞きますが、癖は感じなかったです。良い音です。
バッフル面積が大きいので厚~い音がするのかな、と思ったのですが、厚すぎず痩せ過ぎずで適度な良い音でした。
この時自分もバッフルの大きな作品で一次審査落ちしたのですが、出来が悪かったので落ちて良かったのかもしれません。
まず見た目がインパクト抜群でした。かなり低い所まで音が延びていて、見た目と相まって、異次元的な印象を覚えました。
これは賞をとるのでは?と思った作品です。
この作品は逆に高音に特徴がありました。弦楽器が生々しかったのが記憶に残っています。
五角柱の作品。この方は前年も五角柱をベースにした作品を出品されていたと思います。72度を正確にカットする道具でもお持ちなんでしょうか?
綺麗な仕上げです。音も良かったです。
ユニットの角度を違えてマウントしていました。そのための加工が手作業で大変だったろうな、と思いました。
落ち着きのある良い音でした。
この方は毎回出品されているのですが、毎回呆気にとられるようなすごい作品です。前回は奇抜な形状でしたが、今回は奇抜さはありません。が、作品の大きさも含め、圧倒されるものがありました。
音は相当低い音まで軽々と出ていました。ちょっと中高音に干渉と思われる濁りを感じました。
これは間違いなく賞をとるだろう、と思った作品です。
画像中、真ん中の四角い作品がそれです。側板とバッフルが蝶番でつながっていて、側板を開いて平面バッフルにもできるという密閉型のエンクロージャー。
蝶番なんか使ったら、音がビビったりしないか、と思いましたがそんなこともなく良い音でした。
竹を使用した音場型スピーカー。頂面の三角錐が音を拡散させる構造。音場型ということを意識させず、普通に良い音に思えました。
思いっきりブレた画像ですが、綺麗な球形です。平滑・つやつやで、すごい工作技術だと思いました。
外見もさることながら、綺麗な音でした。
トールボーイのTQWスピーカー。白木の外観が良い感じ。一種の共鳴管ですが、癖を感じる事もなく、良い音でした。
写真で見ると真っ黒ですが、実物も真っ黒です。が、表面はフラットかつつやつや、そして全稜線が45度の面取りがされていて、カッコいいです。
ここまで仕上げるのは大変だと思います。
前年はもう少し相対的に幅の広い作品を出品されていましたが、外観は相通ずるものがあります、というかソックリです。そして音もソックリです。
硬めのクッキリした音です。非常に個性的。僕は好きです。
どうやったらこんな形にできるのか?いや、作れないことはないけれども・・・この仕上げまで含めて、非常に高い工作技術で作り上げたことが感じ取れます。
もうこれはスピーカーではなくオブジェとしても成立します。
音も厚みのある落ち着いたものでした。この方の前年出品された作品とキャラクターが非常に似ていたと思います。
この音も僕は好きです。向き合って聴くというよりは、ずっと音楽を流し続けておきたい感じです。
これも間違いなく賞をとると思った作品です。
ちょっと懐かしさを覚える外観。音も良かったです。受賞作です。
この方も確か、毎回出品されている方ですね。この方の作品は工芸品の域に達しているように思います。音は、これという特徴はないのですが、全体的に質が高い、という感じです。受賞作。
この作品には参りました。樹脂成形です。ちょっとやそっとの木工技術で太刀打ちできるものではありません。音を聴いて、ちょっとラジカセを連想しました。他の作品とは方向性が違うようにも感じました。みんなで楽しく聴こう、という感じですね。これも受賞作。
メルヘンチック?な作品。塩ビ管を斜めに接合しています。斜めに切断するの、難しいんですよね。角度がちょっとずれるとダメですし、接合部分にスキマができないようにしないといけないし、確かな技術がないととてもできません。塩ビ管を使ったスピーカーはカッチリした硬めの音になる傾向があるように思います。この作品もそういったカッチリ感があり、かつレンジ的にもバランスがとれていました。これまた受賞作。
これは陶器のスピーカーです。自分も少しだけ陶芸を習った事があります。思うような形は作れるのですが、乾燥、窯焼きを通じて精度を確保するのはかなり難しいことです。見た目もそうなんですが、音もキュートで好印象でした。
作品名を見て、くるりの「赤い電車」を連想してしまいました。受賞作。
常連の方の作品。仕上げはシート貼りです。うまいこと仕上げてるなぁ、と思います。TQWT型ですが、癖も無く全域に渡って厚みのある音でした。いい感じです。やはり受賞作です。
七角形の作品。小型だけに低音は出ませんが、繊細さを感じさせる音でした。寄木細工とまでは言いませんが、かなり手間のかかる作り方をされています。この作品が優勝しました。
以上、ヘタレ眼、ヘタレ耳感想記でした。
ここまで書いて気が付きましたが、昨年は受賞作を後半に固めていたんですねえ。今年は複数部門に分かれるのでそういうこともないと思いますが。
それから、試聴ですが前年までは2作品を同時に向かい合って鳴らしていたのですが、昨年は試聴ソースを短くして、同時に鳴らさないように工夫されてましたね。これは有り難かったです。
毎年手作り感を感じるこのコンテストの運営ですが、それはそれでなかなか僕はいい感じだと思っています。忙しい中、休日にこういうイベントを開いていただいて、頭が下がります。
さあ、明日はどんな作品が聴けるかな・・・。
散々な目に遭う前には、京都音楽博覧会で細野晴臣が聴けたり、京都九条ねぎフェスティバルでラーメンを4杯食べたり、とそれなりに記事になりそうな出来事もあったのだけれど、後ろを振り返ってばかりでは一向に未来はやってこないので(言い訳です)、前方に目を向けると、明日がStereo自作スピーカーコンテスト2013なのである。
前述の通り、体調もよろしく、台風の影響もなさそうで、後は寝坊さえしなければ会場に出向く予定だ。
わざわざ遠路東京に行くのは受賞の自信があるわけではなく、他の人がどんなものを作っているのか見たり聴いたりしたいからである。
そもそも今となっては配線を絶縁したかどうかも怪しいもので、ひょっとしたら短絡して音が鳴らない状態になっていやしないか?などとそんな基本的なことが気になっている。
なので、一応そういう事態にも備えてドライバーやビニールテープやカッターも持参する所存だ。
ということで、後は明日を待つのみだが、そういえば昨年のコンテストのことを全然触れなかったな、ということを思い出し、椎名誠的に言えば、ここで前夜祭的に一挙にどおん、と画像やら感想やらを出してみようじゃないか!
いいねぇ、それ!
的に、何故か独りで盛り上がってしまったので、その気が失せないうちに回顧してみる。
先程は後ろを振り返ってばかりでは一向に未来はやってこないなどと言っていたが、後ろを振り返る事なしに正しい未来は切り開けないのだ!そうだそうだその通り!!(その他大勢の声)
ええと、とにかく、試聴した順番に挙げてみよう。
トップバッター。とりあえず一通りの作品を撮影するのに躍起になって、慌てて試聴したのだけれど、いや、普通に良い音でした。
ここで言う「普通に良い音」とは、平均的な音であり、特に破綻もなく、「いや、全然イケてますよ」という感じです。
最初に断っておけば良かったのだけれど、僕は特殊な耳をもっているわけではもちろんないので、そんな細かい評価はできないわけです。
基本的には大多数の作品が普通に良い音であって、それ以外の一部は僕でもわかるような際立った特徴を感じました。
ちなみに、過去のコンテストでは、数は少ないですが「う~ん、これはちょっと」というのがあったので、今回は全体的に水準は高かったと言えるのではないでしょうか?
この作品に話を戻すと、その外観を見て、谷川俊太郎の「山荘だより」という詩のタイトルが頭に浮かびました。
2番手。この時点では1番手としか比較できなかったわけですが、やや落ち着いた音、という印象でした。
塗装が綺麗でしたね。僕にはこんな塗装、とてもできないです。
前年、僕が賞をいただいた作品と通ずるコンセプトで、側板を湾曲させています。よく考えたら、ここまでの3作ともそうですね。
市販スピーカーもこのようなものが多く出ているので、影響を受けているのかもしれません。
左右の側板を後ろ側で接合するのではなく、背板とそれぞれ接合させるの、って結構難しいと思います。
僕にはちょっと無理です。
音は普通に良い音でした。外観は真っ白で、美術室の彫像を連想しました。
明瞭に撮れなかったのですが、トールボーイのバックロードホーンです。この方のブログを時々拝見していますが、多作だなぁ、といつも驚かされます。
僕は年一が限界です。夏に作って、その他の季節はゴロゴロしています。
バックロードホーンは癖があると聞きますが、癖は感じなかったです。良い音です。
バッフル面積が大きいので厚~い音がするのかな、と思ったのですが、厚すぎず痩せ過ぎずで適度な良い音でした。
この時自分もバッフルの大きな作品で一次審査落ちしたのですが、出来が悪かったので落ちて良かったのかもしれません。
まず見た目がインパクト抜群でした。かなり低い所まで音が延びていて、見た目と相まって、異次元的な印象を覚えました。
これは賞をとるのでは?と思った作品です。
この作品は逆に高音に特徴がありました。弦楽器が生々しかったのが記憶に残っています。
五角柱の作品。この方は前年も五角柱をベースにした作品を出品されていたと思います。72度を正確にカットする道具でもお持ちなんでしょうか?
綺麗な仕上げです。音も良かったです。
ユニットの角度を違えてマウントしていました。そのための加工が手作業で大変だったろうな、と思いました。
落ち着きのある良い音でした。
この方は毎回出品されているのですが、毎回呆気にとられるようなすごい作品です。前回は奇抜な形状でしたが、今回は奇抜さはありません。が、作品の大きさも含め、圧倒されるものがありました。
音は相当低い音まで軽々と出ていました。ちょっと中高音に干渉と思われる濁りを感じました。
これは間違いなく賞をとるだろう、と思った作品です。
画像中、真ん中の四角い作品がそれです。側板とバッフルが蝶番でつながっていて、側板を開いて平面バッフルにもできるという密閉型のエンクロージャー。
蝶番なんか使ったら、音がビビったりしないか、と思いましたがそんなこともなく良い音でした。
竹を使用した音場型スピーカー。頂面の三角錐が音を拡散させる構造。音場型ということを意識させず、普通に良い音に思えました。
思いっきりブレた画像ですが、綺麗な球形です。平滑・つやつやで、すごい工作技術だと思いました。
外見もさることながら、綺麗な音でした。
トールボーイのTQWスピーカー。白木の外観が良い感じ。一種の共鳴管ですが、癖を感じる事もなく、良い音でした。
写真で見ると真っ黒ですが、実物も真っ黒です。が、表面はフラットかつつやつや、そして全稜線が45度の面取りがされていて、カッコいいです。
ここまで仕上げるのは大変だと思います。
前年はもう少し相対的に幅の広い作品を出品されていましたが、外観は相通ずるものがあります、というかソックリです。そして音もソックリです。
硬めのクッキリした音です。非常に個性的。僕は好きです。
どうやったらこんな形にできるのか?いや、作れないことはないけれども・・・この仕上げまで含めて、非常に高い工作技術で作り上げたことが感じ取れます。
もうこれはスピーカーではなくオブジェとしても成立します。
音も厚みのある落ち着いたものでした。この方の前年出品された作品とキャラクターが非常に似ていたと思います。
この音も僕は好きです。向き合って聴くというよりは、ずっと音楽を流し続けておきたい感じです。
これも間違いなく賞をとると思った作品です。
ちょっと懐かしさを覚える外観。音も良かったです。受賞作です。
この方も確か、毎回出品されている方ですね。この方の作品は工芸品の域に達しているように思います。音は、これという特徴はないのですが、全体的に質が高い、という感じです。受賞作。
この作品には参りました。樹脂成形です。ちょっとやそっとの木工技術で太刀打ちできるものではありません。音を聴いて、ちょっとラジカセを連想しました。他の作品とは方向性が違うようにも感じました。みんなで楽しく聴こう、という感じですね。これも受賞作。
メルヘンチック?な作品。塩ビ管を斜めに接合しています。斜めに切断するの、難しいんですよね。角度がちょっとずれるとダメですし、接合部分にスキマができないようにしないといけないし、確かな技術がないととてもできません。塩ビ管を使ったスピーカーはカッチリした硬めの音になる傾向があるように思います。この作品もそういったカッチリ感があり、かつレンジ的にもバランスがとれていました。これまた受賞作。
これは陶器のスピーカーです。自分も少しだけ陶芸を習った事があります。思うような形は作れるのですが、乾燥、窯焼きを通じて精度を確保するのはかなり難しいことです。見た目もそうなんですが、音もキュートで好印象でした。
作品名を見て、くるりの「赤い電車」を連想してしまいました。受賞作。
常連の方の作品。仕上げはシート貼りです。うまいこと仕上げてるなぁ、と思います。TQWT型ですが、癖も無く全域に渡って厚みのある音でした。いい感じです。やはり受賞作です。
七角形の作品。小型だけに低音は出ませんが、繊細さを感じさせる音でした。寄木細工とまでは言いませんが、かなり手間のかかる作り方をされています。この作品が優勝しました。
以上、ヘタレ眼、ヘタレ耳感想記でした。
ここまで書いて気が付きましたが、昨年は受賞作を後半に固めていたんですねえ。今年は複数部門に分かれるのでそういうこともないと思いますが。
それから、試聴ですが前年までは2作品を同時に向かい合って鳴らしていたのですが、昨年は試聴ソースを短くして、同時に鳴らさないように工夫されてましたね。これは有り難かったです。
毎年手作り感を感じるこのコンテストの運営ですが、それはそれでなかなか僕はいい感じだと思っています。忙しい中、休日にこういうイベントを開いていただいて、頭が下がります。
さあ、明日はどんな作品が聴けるかな・・・。