能勢謙三の鹿児島まち案内日記

1569 恥を知れ!

2018年2月2日(金)晴れ。

昨年秋、私が鹿児島市議会に提出し継続審査となっていた陳情「鹿児島中央駅東口バス乗り場改善について」の審査が、10時から同議会総務消防委員会で行われ、傍聴しました。山梨から法事のため帰省中の「おいじゃがさん」も来てくれました。

結論は、委員9人のうち「採択すべき」と挙手した人はゼロで、全会一致で「不採択」となりました。一昨年提出した同趣旨の請願と同じ結論でした。

今回の陳情の趣旨は、中央駅東口バス乗り場がわかりにくいため内外の多くの客が毎日迷い右往左往している。2018年は大河ドラマ「西郷どん」放映と明治維新150年、さらに2020年には東京オリンピック・パラリンピックや鹿児島国体も控えて、客のさらなる増加が見込まれる。このため鹿児島の主要な玄関口である同バス乗り場の改善が急がれる、として、県バス協会に改善へ向けての検討を促すよう鹿児島市に口添えを求めるものでした。

陳情では、その具体案として、県外客の利用の多い港(桜島、種子島・屋久島、奄美・沖縄)方面行きのバス乗り場を他と切り離して専用にしてはどうか、と一例を示すにとどめましたが、私としては他に、天文館方面を一列にまとめてはどうか、今は同じ乗り場である国道3号と10号方面を分離してはどうか、乗り場を組み替えることにより現在乗り場ごとに大きなバラツキがあるバス乗り入れ本数をできるだけ平均化してはどうか、という3点も提案したいところでした。一昨年の請願では、このように乗り場再編まで踏み込んでいましたが、具体的過ぎて委員から敬遠されたようで、これを教訓に今回の陳情は、「再編」を「改善」という言葉に変えるなど内容を少しぼかしました。

さて、この日の審査です。まず当局(交通政策課を抱える企画財政局)が、陳情を受けて県バス協会に問い合わせたという結果を報告しました。それによると、協会は「バス乗り場は、各社が長年協議した結果、最もベターとなったのが今の配置である。今再編すれば、混乱を招く。そもそも再編に関する意見を利用者やバス事情者などから聞いていない」などと答えたそうです。

私は憤りを覚えました。東口バス乗り場開設時は確かにそういう経緯があったのでしょうが、私が問題にしているのは、今の乗り場のわかりにくさなのです。何がベターでしょうか。何が混乱を招くでしょうか。わかりにくい現状こそ客に混乱を招いているのです。また再編要望など聞いていないなんて、何を今さら言っているのでしょうか。2年前に私は直接協会に足を運んで要望しました。それがその後請願となり、陳情にまでなっているのです。何を今さらふざけたこと、失礼なことを言っているのでしょう。

この当局の報告に対して、まず1委員が「バス乗り場開設後の現状について協会は考慮したのだろうか」と質問しましたが、当局はウヤムヤ。別の委員が「バス協会と陳情者との現状認識が違っているようだ」と意見を述べましたが、当局はウヤムヤ。先の委員が「陳情者が求めているのはやっぱりバス乗り場再編のようだが、再編については先の請願同様に当局は所管外か」とただすと、当局は「所管外だ」と繰り返しました。

一昨年の請願の時から当局は「所管外」と主張していました。結果、請願は「不採択」となりました。しかし、今回この陳情も同じ総務消防委員会に付託されたのは、そもそも交通政策課を抱える企画財政局が所管と判断されたからではなかったのでしょうか。百歩譲って市役所の規定では企画財政局が「所管外」だとしても、決して市が「無関係」ではないはずです。市には、県バス協会に加盟した市営バスがあり、東口バス乗り場の用地を管理しているのは市です。それなのに、総務消防委員会に市を代表して出席する企画財政局が「所管外」と逃げ続けるのは無責任としか言いようがありません。

休憩の後、10時40分から委員会再開。「もう結論を出すべき」との1委員の発言に従って、委員長が採決に移し、「採択」は誰1人いないまま、「不採択」となりました。この間、数分、あっけない幕切れでした。他多数の委員は、一言も発言しないままでした。私はあきれてものが言えず、議会を後にしました。

バス協会もバス協会なら、市役所も市役所、市議も市議。心ある市民はいったい、誰を、どこを頼りにすればいいのでしょうか。

1市民が7年近く現場に毎日のように立ち、目にし耳にしてきた現実を知ろうとしない関係者たちとは、いったい何様でしょうか。恥を知れ! と言いたい。

この陳情審査の結果を報じた3日付南日本新聞の記事にも不満があります。後段に「委員も『一つのターミナルが観光と生活路線を兼ねるには限界がある』との意見があり、全会一致で不採択となった」と記してあります。しかし、委員会をずっと傍聴していましたが、委員からこのような発言はありませんでした。第一、その意味もわけがわかりません。観光と生活路線は溶け合って機能しています。どうしてこんな記事が生まれたのでしょうか。記者が、委員会後の取材で委員から仕入れた発言を加味したのでしょうか。
おかしなことが多すぎます。

以上、議会報告でした。

ゴンザ通り

グルメ通り

照国町。シティビューのザビエル公園前バス停がまだ残っている

天文館公園。市による公共空間長期閉鎖・独占の天文館ミリオネーションがようやく終わった

天文館G3アーケード

●店情報 宮崎発祥の自然食品の店「タマチャンショップ鹿児島天文館店」が2月11日、東千石町の天文館はいから通りにオープン予定。

●銀行情報 千日町の三菱UFJ信託銀行鹿児島支店が3月30日で営業を終了。ATMも。福岡支店に統廃合される。昭和50年12月開設以来の歴史に幕。

12時50分 タカプラ前の天文館バス停7番乗り場で男女3人「中央駅へ」。野村證券前の5番乗り場を案内。

13時35分 同5番乗り場から鹿児島交通32-1番線に乗車。父が暮らす老人ホームへ。好物の蜂楽饅頭を1個買って。父は、この14日で満102歳になる。大正5年生まれ。バレンタインデーが誕生日なのだ。

15時01分 鹿児島中央駅東口のバス乗り場等総合案内板前で婦人「水産学部」。そこの15番乗り場から。一番いい市営27番線に適当な便がなく、市営11番線の15時09分発を案内。体育館前で降りてください。「花市場だから」。降りたら前方へまっすぐ。

以下、客から受けた主な質問は次の通り。
「7番。甑島へ」「新港。奄美」「桜島」。
西口で婦人「観覧車がある方」、同所で男性2人「オリックスレンタカー」。
「仙巌園」「今日じゃありませんが、海釣り公園とか県庁とかは?」「県庁」「維新ふるさと館へ」。
アミュ広場近くで男女3人「西口」。
「山形屋」「西署」「桜島」「谷山駅前」「16は?」。
4番乗り場近くでバスを止めて待機中の知り合いのシティビュー運転士と立ち話。ウオーターフロントコースがなくなったので、例えば桜島桟橋から仙巌園方面、仙巌園から南洲公園方面へ向かう客が不便になりましたねえ、と持ちかけると、「そうですね」と運転士。

中央駅前電停。大河ドラマ館の宣伝がにぎやかだが

金生町


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