鹿児島中央駅東口駅前広場に鹿児島市の観光案内所がオープンしてもうすぐ20日になります。近くを歩き回って案内の仕事をしている私から見て、まだ利用が少ない印象を受けます。運悪くコロナ禍で、県外や海外からの観光客が少ないせいでしょう。
ただ、そもそも場所柄、「観光」案内の需要がそんなにあるのか疑問です。観光客が降り立つ駅の改札口近くには、既設の総合観光案内所があります。
新案内所を経験したスタッフの一人は「(客の質問は)バス乗り場とかバス関係がほとんど」と話していました。何しろこの案内所は、わかりにくいと定評がある東口バスターミナルの要の位置にあるのです。
だったら、とりあえずバス案内にもっと力を入れるべきではないでしょうか。そのためには、バスターミナルを見渡せる「地の利」を大いに生かすべきです。
例えば、バス乗り場側にある大きな窓をブラインドで閉ざすのではなく、開け放せばどうでしょう。客に乗り場などを案内する時、一番わかりやすい方法は、乗り場そのものや方向を指差して(見せて)案内することです。
また、通路側にある側面の窓を使って終日流している鹿児島市のプロポーションビデオを撤去して、窓を窓として使ってはどうでしょう。足を止めてビデオを見る人はほとんどいません。音がうるさいだけです。
「観光案内所」と書いてあるので、バス案内を受けたくても入るのをためらう人が多いのではないでしょうか。せめて道しるべの表示を「バス・観光案内」と替えればどうでしょう。
バス乗り場側の窓をせっかく開放しても、通路を挟んで既設の案内板が立ちはだかり、視界をさえぎっています。案内板は、もっとふさわしい位置(案内所正面右手など)に移設すべきです。
冷暖房が整った新案内所の中には、休憩できるベンチや水飲み場もあります。しかし、これもあまり使われていないようです。きっと知られていないのでしょう。多額の税金を投じて造ったのなら、もっと使ってもらうよう、PRしたり工夫したりすべきではないでしょうか。