魚沼の散歩道

魚沼での、無農薬での野菜作りと四季の変化を徒然にお知らせします。

祖父のこと

2009-01-16 23:33:45 | 思い出
祖父は、お酒を飲まない時は、ほとんど話さない人でした。
子供には恐い存在でした。
楽しみはお酒を飲む事でした。
日本酒でしたが、飲み始めると、ずーと飲んでいました。
一升ビン横に置き、コップ酒です。
酔っ払うと、人が変わります。
人の悪口、自分の息子(父のこと)への不平、不満をずーと言い続けます。
お酒のツマミ代わりに飲みながら、ぶつぶつと言い続けます。
そうして、体がお酒を受け付けなくなるまで、飲み続けます。
吐いた後、2週間ほどは飲まないで普通の生活をします。
そんな時は、畑に出かけて行きます。
農作業用の服を着て、足にはゲートルを巻き地下足袋を履いていました。
家にいる時は、着物を着て、下駄履きでした。
お酒がなくなると、農協に買いに行きました。
働いて貯めたお金はかなりあったようです。

私たちにも、お年玉として、その頃ですが、一万円もくれました。
まだ、聖徳太子を印刷していた頃です。
今でも、一万円と言えば、子供のお年玉としては大金です。

でも、いくら沢山あっても、何年も飲み続けていれば、だんだんお金も無くなってきます。
亡くなる頃には、ほとんど貯金も飲みつくしたようです。
父が亡くなった後は祖母が攻撃相手になりました。
好きでもないのに結婚したなど、昔のことを言います。
祖母も負けていません。
「イヤなら、結婚しなければよかったのに」と言い返していました。
私は、こんな祖父母の喧嘩を毎日見ていて、情けなく、辛い日々でした。
どうして、何十年も連れ添って、死ぬ前になって、こんな言い争いをしなくてはならないのかと思いました。

祖父の若い頃の写真を子供の頃一度見たことがありました。
老いた祖父とは、まったくの別人の男前の写真でした。
次のページには、若い女の人の写真が貼ってありました。
祖母にこの写真は誰か訊ねました。
「じいちゃんとじいちゃんの好きだった人だ」
と教えてくれました。
その後、その写真をまた見ようと捜しましたが、祖母が隠してしまったのか、見ることはありませんでした。
子供心に、年をとると人間、こんなにも変わってしまうものなのかと驚き、老いの残酷さ、はかなさを感じました。
祖父の人生はいったいなんだったのか?と思います。

祖父は、アルコール中毒になり、人格崩壊し私が高校生の時亡くなりました。

悲しさはなく、ようやく辛い毎日から開放されてホッとしました。

肉親が亡くなってもその死を悲しめなかったその頃の私でした。
今でも、祖父のことを思い出しても懐かしさはわきません。


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8 コメント

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Unknown (霜後桃源記)
2009-01-17 06:41:01
オジイチャンに対するその気持ちは良く分かる気がします。

長身の家系なんですね。
以前写真で拝見した時はそれほど大きく見えませんでしたが、みかんちゃんも身長が高いのでしょうか?

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私の家では (いなかのおじさん)
2009-01-17 21:07:18
こんばんは  私の家は祖父は早く呑んで寝る
父は飲めませんでした、
でも おじさんたちが何か有ると最後は言い合って喧嘩をしていたのを
子供の頃に見ていて ああは成りたくないと思っていました、
今の私は 飲んだお酒が発散できず、肝臓を壊しのめません、
飲まないと人は来ませんし、ひまでする事が無く、
おじゃまして すみませんでした。

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Unknown (ともちゃん)
2009-01-18 07:49:27
私の祖父も寡黙な人でした。
交わした会話も何回か・・・。
お酒は一滴も飲みませんでした。

祖母はとっても強い人で多分辛抱していたのは祖父の方かと・・・。

どちらにしても添い遂げました。

当時は好きでもないのに結婚した(させられた)人が多かったのだと読ませて頂いてそう思いました。

今はいろんな意味で自由になってきましたね。
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私は、普通?です。 (霜後桃源記さま)
2009-01-18 16:45:52
母の父親は、あまり背が高くありませんでした。そのためか?母の兄弟で背が高い人は、半分ぐらいでした。
そのためか、私たち兄弟は、そんなに背が高くなりませんでした。
私は、母よりも低くて160センチありません。
兄は170センチ代です。
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父も酒好きでした。 (田舎のおじさんへ)
2009-01-18 16:50:17
我が家は、兄も酒好きです。
弟は、祖父や父を見て育ったためか、お酒を飲みません。結婚もしたくないと未だに独身を通しています。
弟が一番幼かったので、幻滅したのだと思います。
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本当にそうですね。 (ともちゃんへ)
2009-01-18 16:54:01
昔は、女の人が我慢していたけれど、今は好きになるのも別れるのも簡単になってしまいましたね。
でも、できれば、仲良く一生を添い遂げたいものですね。
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しみじみ… (gerogero)
2009-01-20 00:34:22
私のおじいさんも寡黙な人でした。酒はあまり飲まなかったようです。
小学校2年のときに亡くなったのであまり思いではありませんが、初孫だったので可愛がってもらっていたと思います。
だって、当時は女は終い風呂だったのに、おじいちゃんといっしょに一番風呂に入っていましたから(笑)
とても大柄で、そのせいでうちの家系は長身ぞろいです(^^;)私は164cmです。小学生の頃は服が無くて困りました。
村はとても貧しくて、そのくせ大昔に都があったせいか派手好きで、組を作って回りもちで飲み食いする行事が多いです。
酒癖の悪い人も多く、小さい頃からそういう姿を見ていたので、深酒してグダグダ言う人も暴れる人も嫌いです。
うちの父も例外なく酒に飲まれるタイプでした。晩年はそれが原因で亡くなったようなものです。
酒好きは親戚にも何人もいて、若くして亡くなった人もいるし、仕事をやめてしまった人も(^^;)
同じような理由で、タバコの害も嫌なのでうちの息子はどちらもやりません(笑)
身近な人にそういう人がいるといい勉強になります。と、思っておこう(笑)
酒を飲んで人格が変わる人は気の弱い人が多いようです。
母方の祖父もお酒はほどほどで、寡黙な人でとても厳しい人でした。箸の持ち方が悪くて延々と叱られたことは忘れられません。おかげで小豆の粒もつまめるようになったけれど…
幼少の頃の体験ってすごいですね。今、書きながら、自分がナゼ、べらべらお喋りな男が嫌いなのかが判明しました!すごい(^^;)
敬遠しながらも、祖父たちのことは真の男だと思っていたようです。
父もそういえば、飲まないときは寡黙だったかな。
長くなってすみません。いろいろ懐かしく思い出しました(^^)
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同じような体験ですねー。 (gerogeroさんへ)
2009-01-21 22:23:56
私もgerogeroさんのコメントを読んで、しんみりしました。
お酒を飲むのはいいけど、お酒に飲まれる人はいやですねー。私も子供の頃は、結婚する人は、酒もタバコをきらいな人がいいと思っていました。でも成人して、お酒の良さを再発見して、飲んでもいいから飲まれないようにしようと思いました。ほどほどに飲んで、楽しむのはいいなーと。
私は、無口な人は苦手です。あまりおしゃべりな人もやっぱり駄目です。
お互いの意思疎通が出来る人がいいです。
高倉健のような人ならいいです。(^^♪
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